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二十八番 源宗于朝臣

2014年03月26日 | 百人一首
山里は 冬さびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば

山里は、冬に一段と寂しくなるものだなあ。人も来なくなり、草も枯れてしまうと思うので。

冬ぞさびしさまさりける 「冬」は、陰暦の十、十一、十二月。「ぞ」と「ける」は係り結び。「ぞ」は、強意の係助詞。山里は、どんな季節でも都よりさびしいが、中でも冬は格別にさびしさがまさることを示す。「ける」は、詠嘆の助動詞の連体形で、「ぞ」の結び。

人目も草も 「人目」は、人の気配や人の往来。「も」は並列の係助詞。「人目も草も」で、「生きとし生けるもの全て」を表す。

かれぬと思へば 「かれ」は、「人目」を受けて「離れ」となり、「草」を受けて「枯れ」となる掛詞。「離れ」は、「人が来なくなる」の意。「ぬ」は、完了の助動詞の終止形。(注)打消の助動詞「ず」の連体形ではない。「思へば」は、「動詞の已然形+“ば”」で、順接の確定条件。「思うので」の意。

みなもとのむねゆきあそん  (?~939) 
平安前期の歌人。三十六歌仙の一人。光孝天皇の孫でありながら、官位に恵まれず正四位下右京大夫にとどまる。『大和物語』に不遇を嘆く歌を残す。

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