many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

1917年創建

2013-03-20 18:06:28 | 横浜散策
開港記念会館。

塔は「ジャック」と呼ばれている。私ゃ呼んだりしないけど。
建物はもうすぐ100年経つらしいけど、なかはフツウに会議室とか貸し出してる。
(きょうは何かの卒業式をやってたみたい。)

※どうでもいいけど、今週初めて東横線乗ろうとしたとき、「池袋行き」なんてのが来たのには、ちょっと驚いた。私の(長年しみついた感覚として)脳内には無かったボキャブラリー。
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アフターダーク

2013-03-19 20:27:50 | 村上春樹
村上春樹 2004年 講談社
順番に読み返してる、村上春樹。『海辺のカフカ』は(いま読んでんだけど)、前に採りあげたんで、飛ばしてコレ。
おっと、残念、私の持ってるのは、2004年9月10日の第二刷。第一刷は9月7日なんだね、これが。忙しいか、情報取り遅れるかして、買い損ねてんだな、このころ。
えーと、深夜、12時ちょっと前、デニーズにいる(一人でいる)女の子(高校生くらい?)に、店に入ってきた若い男が声をかけるとこから始まる。
んで、最後の章は、一夜が明けて、たぶん朝の7時前くらいのとこ、で終わる。
わずか一夜の物語。
(※3月21日付記 ふたつの話の展開が同時に交互にされてくやりかた、“世界の終り”で初めて触れたときはオッと思ったんだけど、『海辺のカフカ』もそうだし、このころになると当たり前?)
んー、なんだかなー、って感じ。最初読んだときも、今回(二回目)も同じ感想ぢゃないかと。
んで、“村上春樹インタビュー集”の、“「恐怖をくぐり抜けなければ本当の恐怖はありません」『アフターダーク』をめぐって”を読んでみたら、「これくらい評判の悪い村上さんの作品は初めてです」という講談社の担当編集者の言葉があった。
評論家はどうでもいいとしても、読者の支持が得られてないらしい。んー、そうですか。そーだよなー、「これが一番好き」って言う、村上読者はいないと思う。
でも、村上さんは、
>読み終えて本を閉じたあとで、何かがひっかかる。「でも、あれはいったいどういうことだったんだろう?」って考え出す。そしてもう一回読み返す。
みたいな読み手を「非常にありがたい」と言ってたりする。
「僕の考える物語というのはそういうものだから」なーんて言ってるのがカッコいい。そーだよなー、わかりやすけりゃそれでいい、ってのは、バカの言うことだと私も思う。
でも、小説を書き終わると、いつも最初に奥さんに見せるらしいんだけど、その感想が「こんな難しい話はない。あなたがこれまで書いた中でいちばん難しい」ってんだから、私を含めて多くの読者のもった印象は間違ってないんでしょ、たぶん。
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傾国子女

2013-03-18 16:48:48 | 読んだ本
島田雅彦 2013年1月 文藝春秋
最近読んだ本。
書店で積んであんのみて衝動買い(っていうか著者名のブランドだけで買い)して、しばらく置いといた(引越とか忙しかった)んだけど、週末の通勤の時間で、アッというまに読んだ。
おもしろいから読みだしたら止まらない。
新しく出たばっかの小説のストーリーを詳細にわたって紹介したりはしないけど。
主人公は絶世の美女、とされています、白草千春さん。
帯の背に『好色一代女トゥデイ』なんて書いてありますが、まあ、そういう、「誰よりも深く恋に悩み、幸せを求め続けた」女の生涯。
女性の回想という形式をとりながら、なんかワザとヘタ、っていうかヘタウマ、に書いてる?とか思うんだけど、ときどきキラッと鋭い描写があって、すごく感心させられます。
最近、小説全体をとおして書かれてるテーマがどうこうとかいうよりも、そういう部分部分からうける印象のほうが強く感じられちゃって、ヘンな本の読み方してるかなって反省する。
(※3月21日付記 京都人のイジワルぶりな書き方が、個人的には妙にツボ刺激された。)
それはいいとして、出てくる男たちは、政財界の黒幕とか、暴力団組員とか、父が首相の慶大生(笑)とか、東京女子大の哲学教授とか、証券マンから政治家に転身した将来の首相候補とか、俳優志望のホストとか、いろいろ。
大学教授が出てくるあたりが、私にとっては、なんとなく島田雅彦らしいような気がしていいなあなんて思いますが。(深い根拠なし)
で、主人公は、「私に触れたら、あなたの人生は変わってしまうけど、それでもいい?」なんて、セリフを吐いてくれます。
ゾクゾクしますね。
ときどき、「おいおい、これは現代日本の『ファニー・ヒル』か」なんて思わされたりして、困ったもんだね、どうも。
でも、私としては、主人公とは世田谷のカソリックの私立女子中学のときからの親友である、もうひとりの主要登場人物である女性との、女同士の物語として読むのがいいとは思いましたが。
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はじまりのレーニン

2013-03-15 20:08:19 | 中沢新一
中沢新一 1994年 岩波書店
シリーズ「精神史発掘」全15冊のなかのひとつだっていうんだが、当然ほかのものを読むはずもなく。
当時は、書店で新刊をみかけると、フラフラと買っちゃうブランドだったんだよね、私にとって、中沢新一。
今回、あーこんな本も持ってたっけ、って感じで押し入れから発掘して、ひさしぶりに読み返したんだけどね。
前回読んだ記憶があんまりないや。もしかすっと途中で投げ出して最後まで読んでないかもしんない。
読んでみても、なにが書いてあるか、よくわかんないとこのほうが多い。困ったもんだ。
ただ、これを読めば、近代(なのか?)の哲学のおさらいというか、ガイドはぜんぶ入ってるんぢゃないかという気がする。
唯物論の話はもちろんなんだけど、マッハ主義とか、もちろんヘーゲルとか、古代ギリシャのことも、靴屋の親方ことヤコブ・ベーメも、グノーシス主義も、ハイデッガーもバタイユも、とにかくてんこ盛り。
んで、タイトルは、マルクス主義には三つの源泉として、フランス唯物論、ドイツ観念論、イギリス経済学があるけど、レーニン主義の三つの源泉は、古代唯物論、グノーシス主義、そして東方的三位一体論であって、レーニンの思想は、プラトン以前の哲学者たちの伝統に直結している、つまり「はじまりの哲学者」たちにつながってるってとこからきてる、と思う。(自信はあまりない)
むずかしい哲学の話はおいといて、レーニンは、よく笑うとか、動物をなでるのが好きだとか、そういう話のほうが印象に残るなあ。
第一章 ドリン・ドリン!
第二章 笑いと唯物論
第三章 ヘーゲルの再発見
第四章 はじまりの弁証法
第五章 聖霊による資本論
第六章 グノーシスとしての党
結び  恐がらずに墓へ行ったレーニン
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ディズニーから勝手に学んだ51の教訓

2013-03-12 20:06:50 | 堀井憲一郎
堀井憲一郎 平成25年1月 新潮文庫
私の好きなライター、ホリイ氏の新刊が文庫で出たんで、即買った。
氏には「東京ディズニーリゾート便利帖」って著書があるのは知ってたんだけど、私には必要ないと思って読まずにいたんだけど。
今回は、文庫のために書き下ろされたらしい。
まあ、冒頭の「家庭内とディズニーランド内では、女性の下知に従え」とかを読んでると、おいおい、そんなことかいと思ってしまうんだが、読み進むにつれて、面白くなってくんで安心した。
全編をとおして、ホリイワールドらしくて、読んでて楽しい。
最近、妙にマジメな感じの新書とか出てたんで、どうなることかと思ってたんだけど、これは、私が週刊誌で欄外コラム読んでてホレたころの、著者のノリが満載なので、めっちゃ面白い。
書下ろしなんで、分量決まってないはずなんだけど、話が脱線(日本語入力の誤変換からズンズン行ったり)するとことか、そーゆーのを含めて、話があっちゃこっちゃ行くスピード感あるし、メチャメチャ楽しい。
タイトルになってる「教訓」についても、ディズニーランドで生じた事象に直結しないものもあったりして、テキトーな感じが、いい。
リサーチ好きな著者のこと、いろんなデータを調べてんのは、予想の範囲内だったなけど。
今回、いちばん面白かったのは、待ち時間をツイートしたところ。
>本日ディズニーシーでオープンした『トイ・ストーリー・マニア!』は10時32分に待ち時間表示が『400分待ち』になってました。(略)
ってツイートの、リツイート件数が6323。
その3時間後の
>(略)400分待ちから3時間経って、13時過ぎに『130分待ち』となる。(略)夕方から並ぶのが賢明
のリツートは189件。
>リアルなディズニー情報を欲しがってる人はそれぐらいのもので、それよりも「ディズニーは混んでいる情報」を世に流したい人がいつもいっぱいいる、ということなんですね。つまり、みんな、リアルな話よりも、イメージとしてのすごさが好きなだけであって、だからどんどん噂は妙なふうに伝わってゆくわけですわ
って、とこは、ものすごく、現在の日本の本質を突いてるよね。
ちなみに、この節の教訓は、『人は自分に直接関係ない「大変な話」が大好きなだけ。』

どーでもいーけど、仕事に行く途中、京葉線に乗ったりすることもあるんだが。
土日の朝7時前に、舞浜駅で降りるひとがたくさんいることに、こんな時間に開いてるのかって驚いたんだけど。
本書を読んで、混んでる日には、入場制限をかけるから、当日券の発売を止めることがある、ってのを知って、そうか、だから開門前でも張り切って行くのか、と気づいた次第。
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