中国人にとっての「医療目的訪日ツアー」の必要性とその理由

2009-06-26 07:54:50 | Weblog
中国人にとっての「医療目的訪日ツアー」の必要性

平成21年6月26日 金曜日
「東京通訳アカデミー=T.I.A.」事務局・岡村寛三郎

この度,日本旅行が中国人向けに「早期がん発見(訪日)ツアー」を企画して人気を獲得しているというニュースをお知らせしましたが、その理由が分かりました。
「中国は人口が多い他、胃がんの死亡率が世界最悪の日本に次いで高いため、胃がんの早期発見の必要性とその需要が高まっている」からなのです。
オリンパスで内視鏡など医療事業を統括するオリンパスメデイカルシステムズの森社長は、中国市場の成長に大きな期待を寄せておられるそうです。なぜなら、上記のような客観的状況の上に、中国ではまだまだ内視鏡による定期的な健康診断が定着していないため、胃がんの早期発見例が少ない。そこで、自覚症状が出てから医者にかかる人も多く、中国での内視鏡の普及率は未だ僅かに2~3割にとどまると推定されているからです。
そこで、オリンパスでは、内視鏡の輸出だけではなく、中国人医師向けに中国全土で約20箇所に及ぶ研修施設を使って、その使用法についての研修指導も合わせて行ってきているそうです。さらに、日本の医師と協力し中国の医師に知識や技術を学ぶ機会も提供していて、中国開催の交流会には、中国人医師が数百人規模で参加しているそうで、交流会の事務局を務めた田坂記念クリニック(東京の渋谷)の佐竹院長は「中国での内視鏡拡大に日本人医師と日本企業が果たした貢献は大きい」と指摘されておられるとのことです。
(以上は、6/27日本経済新聞・第15面「新興国で稼ぐ」を編集しました。)


倒産・廃業よりも転業・副業拡大を

上記のオリンパスでも、日米欧に次ぐ第4のマーケットとして中国を重視し始めているそうですが、理由は、伸びが鈍化している先進国市場をよそに、アジアや中南米ではその成長性が2~3割と高いからです。世界同時不況の中で、新興国市場が日本企業の収益回復の鍵を握るとの見方が広がっています。
同様に、本業が不振でも、相対的に有望な関連分野あるいは新分野への取り組みに積極的に向かうことが(東レや旭化成では転換に成功するのに長い期間を要したとはいえ)、経営者や従業員のモラールなどを維持しつつ、経済全体としての活力をも向上させていく良い結果に繋がるでしょう。(6/27日本経済新聞・第17面「大機小機」より