明日は明日の風が吹く

明日の事を今日悩んだって何にも解決しない
まぁ何とかなるさ!

あの夢をもう一度

2009-08-13 18:45:16 | 歴史
どんな落ちぶれた国家も過去に栄光の時代があれば、それを精神のよりどころにする。例えば流浪の民、ユダヤ人はティトゥス帝によってエルサレムを落とされ、ハドリアヌス帝によりトドメを刺されて世界を放浪するようになるが、彼らを支えたのはユダヤ教とダヴィド・ソロモンによる栄光の王国であったわけである。

ビザンツ帝国にしてもローマ帝国が東西に分かれた後に再び大帝国となった時代をよりどころとしている。その演出を行ったのはユスティニアヌス帝であった。

彼は古代ローマの復興を目指すべく、ゲルマン人が支配する旧西ローマ領を再征服していく。ローマはゴート族に制圧されるが、そのとき以上にユスティニアヌス帝の攻撃は激しくローマはほとんど廃墟になってしまう。そしてあちらこちらに戦争を仕掛けて旧領の回復を行ったのはいいが、制服にかかる戦費で国家は疲弊しきってしまう。

その後はローマはロンバルド族に制圧され、旧領のほとんどは喪失してしまう。

それでも、ビザンツ人の手でかつてのローマ帝国の旧領を再征服したという事実はビザンツ人の誇るべき精神のよりどころとなったのである。

そう、その後のビザンツ帝国がバシレイオス2世などによって再び興隆の時期を迎えるまで、ひたすら苦痛に耐える時代であったにもかかわらず・・・・
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