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熱力学の基礎

2021-04-30 20:16:44 | 電験2種への遠い道のり


電験の参考書を開く前の基本的な知識の最後に熱力学について触れておきましょう。
とは言っても高校で習うようなボイル・シャルルの法則から気体の状態方程式を使うような難しいことは必要ありません。

まず最初に1【g】の水を1℃上げるのに必要な熱を1【cal】と表します。これはエネルギーの単位でジュール【J】と単純に変換できます。
栄養分でカロリーってのはその食物を燃やして発生する熱エネルギーを指しています。力学的エネルギーが運動エネルギーとじっとしているだけで潜在的に持っている位置エネルギーがあるように、栄養分あるいは化学物質も最外殻電子をつなぎとめる科学的エネルギーと分子自体の運動による熱エネルギーの間を相互に変換しているわけです。

ちなみに温度の単位としてケルビン【K】で表しますが、1℃=1【K】です。

温度ってのは際限なく低い温度があるわけでなく-273℃が温度の底でそれより低い温度は存在しません。これを絶対零度といい、絶対零度からの温度差を絶対温度と言います。

覚えておくべきは1【cal】=4.2【J】であるということです。そして物質によって同じ熱量を加えても温度上昇は違います。ある物質1gを1K上げるのに必要な熱量を比熱と言います。金属などは比熱が低いので熱しやすく冷めやすいのです。これだけ押さえておけば温度上昇を求める問題は何とかなります。

そして電気・機械・熱・化学エネルギーの間で変換が行われてもエネルギーの総和は一定になります。これを熱力学の第一法則と言います。

熱力学の第二法則は熱エネルギーをすべてほかのエネルギーに変換することはできないということです。これが原因で永久機関を作ることはできないわけです。熱力学第二法則を別の表現を用いると、不可逆変化を起こした閉ざされた系のエントロピーの総和は必ず増大するということです。なんじゃそりゃ?って思われるのは無理のない話で、イメージとしてはホイッスルが鳴るたびに座席の増える椅子取りゲームのように個々の粒子の状態が不規則になっていくということです。

この二つの法則から電験では機械科目でよくよく機械のエネルギー効率が問われます。動力と電力の変換は必ず熱的なロスを伴うんです。

さて、もう一つ押さえておきたいのは圧力ですね。1【m^2】に1【N】の力がまんべんなくかかっている状態を1【Pa】の圧力がかかっているといいます。1【Pa】の圧力の流体(気体・液体など流れることが出来る物体)が体積1【m^3】あれば1【J】の内部エネルギーを持っているわけです。

電験の参考書を開くために必要な素養はこんなところで十分でしょう。

次回は参考書に書かれている電界に触れる前に、私が説明するスタンスと学習法について述べておきましょう。
参考書をなぞるだけならこんなことをいちいちブログに書く必要もないのです。
ですから、説明するときは「私ならこう理解する」、演習にあたっては「この問題私ならこのように解く」という視点で述べていきます。基本的に参考書とはかけ離れた解法が多いですが、これを習得できるなら電験3種の計算問題は基本的に1分以内に解けるようになり1発合格が現実的な目標に据えることが出来るようになります。そのために必要な素養をここまで述べてきたわけです。


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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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CCSCモデルファン (ストライベック)
2025-06-10 08:38:35
最近はChatGPT(LLM)や生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術とは違った日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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