昨日のオリックス・巨人戦(6月12日、京セラドーム)は、同点で迎えた8回裏、2アウトから5番指名打者の北川がツーランを放って試合が決まった。
巨人は阿部選手がキャッチャーだったが、北川への配球には首を傾げたくなった。
次打者のイ・スンヨプは連続三振を更新中で全く当たっていない。おそらく北川も勝負して貰えるとは思っていなかっただろう。実際、初球のストライクゾーンに入るストレートをピクリともせず見逃している。
ところが、外角のスライダーを挟んで、再び2球続けてストライクゾーン近辺にストレートが来るに及んで、北川は完全にスイッチが入って、打つ気満々になってきた。しかも、ツーストライクながら、ストレートに的を絞って、球を思い切りぶっ叩こうという雰囲気が濃厚だった。
当然、バッテリーとしては、最後の決め球として、変化球を選択するのが普通で、次のバッターを考えれば、ストライクを投げる必要すらない。
しかし、阿部の要求は高めのストレート。これが運悪くど真ん中に入ってきて、特大のホームランとなった。
確かに、あの球は沢村の失投で、もう少し高めにコントロールされていたら外野フライだったかもしれない。だが、同点のゲーム終盤、ストレートを待っている長距離バッターに、注文通りの球を投げるのは、危険すぎる選択だろう。
実は、先週木曜日のソフトバンク戦でも同じような場面があった。
ソフトバンク1点リードで迎えた8回裏、1アウト、ランナー1塁3塁でバッター内川。内角にまともなボールは来ないと読んでいた内川は、外角へのボールになるスライダーに手を出すなど、流し打ちの意図が見え見えだった。犠牲フライで1点取れば十分という発想である。
しかし、ここでも阿部捕手は外角のストレートを要求。東野のストレートが高めに浮いたところを内川に捉えられて、ライトフライ。3塁走者がホームインして、試合を決める決定的な1点が入ってしまった。
終盤の大事な場面で、北川や内川といった強打者に対して、敢えて注文通りのボールで勝負するのは、ピッチャーの力を信じた強気の作戦かもしれないが、勝ちにこだわるのであれば避けるべき配球ではないかと思う。
これまで阿部のリードが気になったことはあまり無かったので、この二つの打席はとくに印象に残った。怪我で開幕に出遅れたことが、何か影響しているんだろうか。
一方、原監督の采配は、昨日も凄かった。
8回表、フェンス直撃の二塁打を放った谷が、さらに藤村の内野安打で3塁へ。ここで、なんと谷をベンチに下げて鈴木が代走。
ランナーが3塁まで進んでいるのに代走を出すのには驚いた。谷も特別足が遅いわけではないので、ひょっとしてホームスチールでも仕掛けるのかと思った(笑)。
しかし、鈴木は次打者・亀井のボテボテの内野ゴロで飛び出し、3塁線上で挟まれてアウト。こういう走塁ミスが嫌だから代走を出したはずなのだが、ホームでのクロスプレーすらなく終わってしまった。
ところが、7回表の攻撃では、ラミレスがフォアボールを選んでノーアウトから出塁した場面、次の高橋由伸に送りバントのサインを出したのに、代走はなし。
結局、ラミレスは2塁でアウトにされ、送りバントは失敗となった。
高橋のバントが拙かったといえばそれまでだが、ここが勝負所とみて5番にバントさせているのだから、足の遅いラミレスに代走を出して、相手バッテリーにプレッシャーを掛けるのが、まあ普通の采配である。
そしてとどめは、2点を追う9回表、ツーアウトからフェンス直撃の二塁打を放った高橋に代えて松本。高橋はむしろ足が速い方で、しかも同点や逆転のランナーでもないのに代走。
次の長野がセンター前にタイムリーを打って、松本は見事な走りで生還するが、案の定、オリックス守備陣は松本には目もくれず、長野の二進を阻止することのみに専念。
全然、高橋で良かったと思うぞ(笑)。
原監督の「迷」采配も、昨年までなら、ラミレス、小笠原、阿部あたりがばんばんホームランを打って、結局試合に勝ってしまうので、ご愛嬌で済んでいたが、貧打に喘ぐ今年は、シャレにならなくなっている。
少ないヒットで効率的に点を取るためには、やはり野球常識に沿った采配が一番のはずだが、原監督からすれば、それでは仕事をした気にならないのかもしれない。
<関連ブログ>
ブラゼル二塁打のビデオ判定は「賢明」な対応 (2011/05/25)
ちょっと野球の話 ~ 原監督の強攻策とかハーパーの守備とか (2011/05/23)
巨人は阿部選手がキャッチャーだったが、北川への配球には首を傾げたくなった。
次打者のイ・スンヨプは連続三振を更新中で全く当たっていない。おそらく北川も勝負して貰えるとは思っていなかっただろう。実際、初球のストライクゾーンに入るストレートをピクリともせず見逃している。
ところが、外角のスライダーを挟んで、再び2球続けてストライクゾーン近辺にストレートが来るに及んで、北川は完全にスイッチが入って、打つ気満々になってきた。しかも、ツーストライクながら、ストレートに的を絞って、球を思い切りぶっ叩こうという雰囲気が濃厚だった。
当然、バッテリーとしては、最後の決め球として、変化球を選択するのが普通で、次のバッターを考えれば、ストライクを投げる必要すらない。
しかし、阿部の要求は高めのストレート。これが運悪くど真ん中に入ってきて、特大のホームランとなった。
確かに、あの球は沢村の失投で、もう少し高めにコントロールされていたら外野フライだったかもしれない。だが、同点のゲーム終盤、ストレートを待っている長距離バッターに、注文通りの球を投げるのは、危険すぎる選択だろう。
実は、先週木曜日のソフトバンク戦でも同じような場面があった。
ソフトバンク1点リードで迎えた8回裏、1アウト、ランナー1塁3塁でバッター内川。内角にまともなボールは来ないと読んでいた内川は、外角へのボールになるスライダーに手を出すなど、流し打ちの意図が見え見えだった。犠牲フライで1点取れば十分という発想である。
しかし、ここでも阿部捕手は外角のストレートを要求。東野のストレートが高めに浮いたところを内川に捉えられて、ライトフライ。3塁走者がホームインして、試合を決める決定的な1点が入ってしまった。
終盤の大事な場面で、北川や内川といった強打者に対して、敢えて注文通りのボールで勝負するのは、ピッチャーの力を信じた強気の作戦かもしれないが、勝ちにこだわるのであれば避けるべき配球ではないかと思う。
これまで阿部のリードが気になったことはあまり無かったので、この二つの打席はとくに印象に残った。怪我で開幕に出遅れたことが、何か影響しているんだろうか。
一方、原監督の采配は、昨日も凄かった。
8回表、フェンス直撃の二塁打を放った谷が、さらに藤村の内野安打で3塁へ。ここで、なんと谷をベンチに下げて鈴木が代走。
ランナーが3塁まで進んでいるのに代走を出すのには驚いた。谷も特別足が遅いわけではないので、ひょっとしてホームスチールでも仕掛けるのかと思った(笑)。
しかし、鈴木は次打者・亀井のボテボテの内野ゴロで飛び出し、3塁線上で挟まれてアウト。こういう走塁ミスが嫌だから代走を出したはずなのだが、ホームでのクロスプレーすらなく終わってしまった。
ところが、7回表の攻撃では、ラミレスがフォアボールを選んでノーアウトから出塁した場面、次の高橋由伸に送りバントのサインを出したのに、代走はなし。
結局、ラミレスは2塁でアウトにされ、送りバントは失敗となった。
高橋のバントが拙かったといえばそれまでだが、ここが勝負所とみて5番にバントさせているのだから、足の遅いラミレスに代走を出して、相手バッテリーにプレッシャーを掛けるのが、まあ普通の采配である。
そしてとどめは、2点を追う9回表、ツーアウトからフェンス直撃の二塁打を放った高橋に代えて松本。高橋はむしろ足が速い方で、しかも同点や逆転のランナーでもないのに代走。
次の長野がセンター前にタイムリーを打って、松本は見事な走りで生還するが、案の定、オリックス守備陣は松本には目もくれず、長野の二進を阻止することのみに専念。
全然、高橋で良かったと思うぞ(笑)。
原監督の「迷」采配も、昨年までなら、ラミレス、小笠原、阿部あたりがばんばんホームランを打って、結局試合に勝ってしまうので、ご愛嬌で済んでいたが、貧打に喘ぐ今年は、シャレにならなくなっている。
少ないヒットで効率的に点を取るためには、やはり野球常識に沿った采配が一番のはずだが、原監督からすれば、それでは仕事をした気にならないのかもしれない。
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