折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

それぞれの5月5日 By空俱楽部

2024-05-09 | 三国港 エッセル堤

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


空倶楽部、5月のお題は「5月5日の空」。

どこでどんな空を撮ろうか、前日まで特に考えていなかったが、

3日間続いた晴天が5日の夕刻から崩れ始めると知って

それなら海で大きな空を撮ろうと思い立った。

というのも、天気の変わり目には雲が赤く染まりながら次々と変化するなど

躍動感あふれる空が現れることが多いからだ。

そんな空を広角レンズで撮ろうと、陽が傾く頃を目がけ三国港エッセル堤へ向かったのだが...。

堤には高い金網が張り巡らされ、その中には重機も置かれている。

昨年秋の高波で堤の一部が倒壊したのだが、その復旧工事が始まったのだ。

砂浜から海に向かって大きな弧を描いて伸びるエッセル堤と

その上に広がるドラマチックな空を当てにしていたのだが

これでは風景にならない。

「それなら!」と港の対岸に渡り、海に沈む夕日を望遠レンズで狙うことにしたのだが...。

これまた目論見が外れた。水平線近くに厚い雲が張り出し、せっかくの落陽を包み込んでいたからだ。

「今日は運がなかったか」と三脚を撤収しようとしたのだが、すぐに手を止めた。

テレ端にした望遠レンズに映し出される釣り人たちの姿に目を見張ったのだが、

思いそれぞれの人たちの姿がオレンジ色の空を背景に

まるで影絵物語のように見えたのだ。

 

家に戻ってからのこと。

後処理で暗い人影の明度を持ち上げて見たところ

釣り人たちが群像劇でも見るように生き生きと現れた。

そのとき、「そうだ、それぞれの5月5日を楽しむこの人たちを主題にしよう」と思いついたのだ。


自宅から三国港までは車で片道1時間半の道のり。

その帰り道。夕焼け空の余韻を思い返しながらこの人の歌声を沁々と聴いていた。

 
James Taylor - Fire and Rain

 

 

 

 

 

 

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2024金沢・春 ④ 世界で最も美しい駅

2024-05-06 | 抒情的金沢

金沢駅。

鉄とガラスの大屋根が『もてなしドーム』そして、その先の木造モニュメントが『鼓門』だ。

 

この駅舎ができた当時、「なんだこれは?!」といった金沢市民感情だったが

アメリカの旅行情報誌の企画で「世界で最も美しい駅・14選」の6位に選ばれたと報道されるや否や

その反応は「やっぱり!」となり、今や市民の誰もがこの駅を自慢に思っている。

そして、その鼓門を下から眺めて見たのだが...

複雑な構造と建築意匠性はともかく

本音のところでは未だに「なんだこれは?」なのである。

ところで、今回も鼓門が撮影会の起点。

「鼓門の下で待ってます!」とメンバーにLINEしたものの観光客でいっぱい。

「駅を背にして右側の足の下」とか、具体的な待ち合わせ場所を

指定することをオススメする。

 

 

 

 

 

 

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2024金沢・春 ③ 番外編  By空俱楽部

2024-04-29 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


金沢での写真ではないが、撮影会でのひとコマ。

この日、混みあう金沢を早々に切り上げ、撮影メンバーと加賀に向かった。

ふだん、私が四季折々に訪れる場所で、特に名の知れた撮影地があるわけでもないが

そこはコンテスト入選の猛者たちのこと。

それぞれの工夫で個性的な写真を仕上げてくれるだろう、と思ったのだ。

 

そして最後の撮影地。

日本海といえば夕陽とばかりに加佐の岬へ案内したのだが...

天気が良すぎた。そして日没の位置がシンボルとなる灯台から遠すぎた。

本来なら灯台近くに落ちる夕陽を望遠で引き寄せて景色を圧縮し、

灯台の背景として夕陽を大きく表現したいところだ。

だが、この状況では両方の被写体を収めるには標準レンズを使うしかなく

構図的にも色彩的にも平凡なシーンにしかならなかった。

メンバー方々には申し訳なく、「想い出」としてとらえていただきたいと

ご容赦いただいた次第だ。

 

 

 

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2024金沢・春 ②

2024-04-27 | 抒情的金沢

金沢の観光名所、東山の茶屋街を案内するときには金沢駅からの徒歩をお奨めする。

バスの混雑を思うと歩いても20分。ついでに道中の古い街並みも楽しんでもらえればと思うからだ。

ということで『2024金沢・春』の2回目。

金沢駅から近江町市場を横目に尾張町の裏道に入る。

泉鏡花記念館を過ぎたあたり、久保市さん(久保市乙剣宮)の境内を横切ると

旅行雑誌などで紹介されることが多い「くらがり坂」の坂上に出る。

そして、坂を下ったところがこの風景。

「ひがし」、「にし」と並ぶ金沢の茶屋街のひとつ主計町だ。

右の建物はかつて「検番」と呼ばれたところで

芸妓の管理、風紀取り締まりのために置かれたということだが、今は芸妓の稽古場として使われている。

観光案内などには、「運がいいと稽古の三味線や鼓の音が聞こえてくる」とあるが

ちょうどその時、その運に出会うことができた。

同行の撮影メンバーの方々にも大いに面目が立った次第である。(実をいうと私も初めての経験でした)

 

そして、浅野川沿いに出てそぞろ歩き。

 

桜を眺めながら、ひがし茶屋街までは歩いて5分程度。

 

一見、観光客はまばらかに見えるかもしれないが

それは広角レンズの為せるところで実のところはたいへんな人出。

よく雑誌などで紹介される落ち着いた佇まいをお望みであれば早朝か夜間をお奨めする。

 

次に続く。

 

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2024金沢・春 ① By空俱楽部

2024-04-19 | 抒情的金沢

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


空倶楽部のchacha〇さん、lunayaさん、そして二科会会員のD師匠による5年ぶりの金沢オフ会。

前回と同じく満開の桜が出迎えてくれた。


  主計町(金沢市)   2024.04.13 Sony α7S2   FE24-70㎜/f2.8 GM2

 

満開の桜に申し訳ないが。。。

折り重なってたわわに咲くソメイヨシノよりも

枝の数や見事さは乏しくても、景色に溶け込む桜に惹かれる。

その理由をいちいち考えながら撮っているわけではないが、

この景色に限るなら、写真の出来はさておき、

大正時代に遡る主計町の歴史やそこに往来した人々の営みを感じたのかもしれない。

それを「心象風景と呼ぶのかな」と思いつつ、浅野川にかかる桜に目を向ける。


    主計町(金沢市)   2024.04.13 Sony α7S2   FE24-70㎜/f2.8 GM2

 

ちらほらと葉がのぞき始め、そしてはらはらと散った花びらが川面に浮かぶ。

明るい日差しの中、そして楽しい時間が流れる中ながら、

どこか寂しげな春の風景に思えるのも、過ぎ行く季節の心象操作かもしれない、と思ったりもした。

 

 

 

 

 

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