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じゅんむし日記

心は急いでいる。それなのに、何も思い通りの形にはなっていかない。がまんがまん。とにかく、今できることから始めよう。

作家的時評集~高村薫~

2008-05-31 | 
話題の本というには時期を逸してしまった感があるけれど、紹介します~^^

新聞や雑誌に掲載された文を集めて本にしたものです。

日本における社会問題を、高村さん独自の観点で批評していきます。
なるほど!と思わず手を叩いてしまうような見解があったり、
私の、もや~っとした漠然とした思いを、スパッと言葉にしてくれてあったり・・・
高村さんてすばらしいですね。

わが県の地方新聞に「月曜評論」という欄があり、何年か前まで高村薫さんの評論が載っていました。
読みやすい!わかりやすい!
読者の興味を引き出す書き出しの一文から、展開の仕方…まとまった文章というのはこういうことなんだなぁと感嘆しまくり!月1回の掲載(?)をとても楽しみにしていたものでした!

いつの間にか高村さんの評論が載らなくなり、寂しいなぁと思っていたらこの本を見つけたのでした。

らっきぃー(^^)v



作家的時評集2000-2007 高村薫 朝日文庫2007.10.30第1刷

ここ数年、社会や時代への違和感が年々大きくなり、一つひとつ挙げていくと切りがないほどだが、最近そうしたわたくしの違和感の周りには「嘘」という一語が浮かんでいる。
長年政治の嘘にはすっかり慣れ、薬害や公害をめぐる行政の嘘に慣れ、・・・
(慣れすぎてしまった「嘘」冒頭部分)


わたくしってのが、またいいじゃありませんか。

美しき人生のために~リルケの言葉~

2008-05-16 | 
昔、私の心の奥深く入り込んでいった言葉・・・
20年(?)経った今もまだ、心に浸みわたってくるものなのですね。

もう20年以上前に読んだ本「美しき人生のために」。
印象に残った言葉を書き留めておいたのを、何かのきっかけで読み返した時のことでした。


感性というのは、年々衰えていくものなのかもしれませんが、
人間形成された芯の部分は変わってないためかもしれません…。

どうしてもまたその本を読みたくなりました。

でも、その本は私の本棚にはありません…。
リサイクルに出すはずも捨てるはずもありません。
いったいどこで読んだんでしょうねー(・・?

ま、ともかく絶対読みたくなったので買うことにしましたが、
何せ昔の本です!もう絶版になっていました。

ところがところが、こういう人生の指針を示す素晴らしい言葉は受け継がれるものです。
違う方の訳で同じような本が出ています。

さっそく買って読んでみました(^^)v
が・・・読み進めていっても・・・なんと心に浸みわたってきません。おかしいです(・・?

訳が変わると頭に入ってこない…
頭が固くなってきているのかもぉ~(ーー;)


 ←で、執念で手に入れた本!
「美しき人生のために~リルケの言葉~」秋山秀夫(訳編)
1992年新装版(1984年初版)

重いものの中には好意ある力があります。私たちを材料にして仕事をしてくれる手があります。
重いもののただ中にこそ、私たちは私たちの喜び、私たちの幸福、私たちの夢をもつべきです。
そういう背景の深みを前にしてこそ、幸福もよろこびもくっきりと浮びあがり、それらがどんなに美しいかが始めてわかるのです。
重いものの暗闇のなかでこそ、私たちの貴重な微笑みはある意味を持ちます。
そこでのみ、それは深い夢みるような光に輝き、そしてそれが一瞬くりひろげる明るさのなかで、私たちは私たちをとりまいている奇跡と宝を見るのです。
(書簡 1904年 11月20日 若い少女にあてて)


ワイルド・スワンを読んで

2007-04-17 | 


この本は、著者の祖母が15歳で軍閥将軍の妾になるところから物語が始まります。
とてつもない物語が始まるような予感です。

その祖母の暮らし、日本が占領した満州国での話、
母の時代になり、父や母の共産党員としての仕事、
著者が生まれてからの、文化大革命の悲惨…。

ここであらすじを書くのは避けますが、
(と言っても、書けと言われても私の思考回路ではまとまらなくて書けないけど…(-_-;)
日中戦争のわずかな知識はあっても、中国内での文化大革命など、無知なことに多くを知りませんでした。

人間とは、こんなにも残酷になれるのでしょうか。
人間とは、残酷なものなのでしょうか。

集団心理を巧みに利用した、暴力的な大衆運動…。
とは言え、なぜ約1000万人といわれる大量虐殺にまで及んでしまうのか…。

資本家層、知識人、その後は中国共産党員が弾圧の対象になった訳は?…確かに少し触れられていますが、がっくりしつつ、なるほどと納得するだけの理由がわかりませんでした。
文化財の被害についてもそうです。なぜ重要な文化財が壊されなければならなかったのか…。

この本からは数々の刺激的な内容が伝わってはくるけれど、文化大革命の何故?が伝わってきませんでした。
文化大革命の核心部分に突込みがなく、著者の個人的感情だけで綴られている感じがしました。
ノンフィクションではなく、手記として読めばすごい作品だと思いますが。
淡々と、次々と事件が語られていきます。

著者と家族だけが、美しく勇敢で優れているように書かれているのもちょっとうんざりでした…。


ワイルド・スワン

2007-04-14 | 


ついこの間、やっと読み終わった本です。

単行本が出版され話題を呼んだころ、もー読みたくて読みたくてしょうがなかったんですよね。
だけど、上中下と3冊でしょ?
文庫本がどうせ出るからと、待ちました~~。

で、文庫本が出たとき、やったー(^o^)/と思って買いましたよ。
で、どうでしょう。

興味が薄れてしまっていたのでした~(^^ゞ
読まれることのないまま何年も本棚に…。

こういう本て、ないですか?
私は、あと本棚1通りくらい^^;(もっとか?)あります^^;

何年も読まれることのなかった本を開くのは、ちょっとした勇気が要ります。
なんかもう、めんどくせーなー、みたいな…。
手に取り、本棚に戻し…手に取り、本棚に戻し…。
やはり読むしかないだろ!と決心し、読み進めることとなります。

中国の慣れない漢字(固有名詞なんか)に手こずりはしましたが、次々とそこには刺激的な内容が!
毎日少しずつですが読み進め、やっと読み終わりました。

感想は次回へ。


緑の風の吹く国で

2007-04-07 | 


高校時代の恩師が出版された本です。
「緑の風の吹く国で」
先生からいただいてしまいましたぁ(^o^)/

(こういうのって、どこまで公開していいんでしょうかね?お名前とか、いいんでしょうかね?)

教員退職後も、イギリスに留学し(英語の先生でした)、マスターを取られました。

そのイギリス留学中にご経験されたことや、またイギリスの風景などもいろいろなエピソードとともに語られています。

私はイメージでしかイギリスを知りません。
ジェントルマンのイギリス…
エリザベス女王のイギリス…
ローリングストーンズ、ビートルズ…
イングリッシュガーデン…
差別のイギリス…

この本からは、イギリスの生活の匂いがします。
いろいろなエピソードに、私までもが遭遇していたような気になってしまいました。

まだまだご活躍されている先生のように、私も、年を重ねても生き生きと何かをしていたいなあと思うのでした。

もちろん、先生の真似は到底出来ません。
私の中で、精一杯出来ることは何かを考え、やっていきたいです。

とは言っても、なまけ者の私ですので、自己嫌悪に陥ってはまた奮い立つ、という繰り返しかもしれませんけど…(^_^;)

先生は近くにお住まいなので、同級生の友達らと近々押しかけちゃおうと思います~(^.^)