Jun日記(さと さとみの世界)

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牧歌の郷

2017-10-08 21:08:18 | 日記

 さて1夜明けて19日です。前日、バスの中で現地ガイドさんから説明がありました。

「明日は早く出発します。ロンドンに入る時間を考えて、遡って計算するとホテルを早めに出発しなければならないのでそうなりました。」

という事でした。それに合わせて朝食も早めです。朝起きて朝食のテーブルの部屋に行く途中、ホテル内には電灯が点り、いかにもまだ明けやらぬ早朝の気配が漂っていました。室内にいてさえ外の朝靄が察しられるような雰囲気でした。朝食のテーブルに着くと、皆何だかシーンとして言葉も無く沈んだ雰囲気でした。長テーブルが長方形に繋げられた円卓のような感じのテーブルでしたから、ツアーの一行の雰囲気がよく伝わってきました。目の前には何種類かのジャムの小瓶などがバスケットなどに盛られて、パンに好きな物を塗って食べられるようになっていました。並んで座っていたAさんが、ジャムは持ち帰り自由だと教えてくださったので、私は喜んで嬉しいと言うと、子供のお土産にミルクジャムともう1個何かのジャムの小瓶を貰ってきました。

 部屋の上座と思われる場所に、同行添乗員さんと講師の先生が2人並んで座っていた場所なのでそう思ったのですが、大きな絵が掛けてありました。私は絵が好きでしたから、食事の合間に良くその絵を見上げていました。その割には何が描いてあったか今は全然思い出せないのですが、大きな額の絵であった事は記憶にあります。

 そんな朝の暗い雰囲気のテーブルで、添乗員さんと講師の先生が如何しましょうか、言いましょうかと相談する一言二言のやり取りの後に、

「実は、イタリアの軍の方が演習に来ていて、同宿されていまして。」

そんな話をされました。それで昨日の交流会が開かれたようでした。そうです、招待状は私に限らず全員に配られていたのです。私はそれをレクチャーの時にDさんから伺って知っていました。パーティに縁遠いのは私に限らず、一般的な日本人なら皆そうです。皆行きたかったのでしょうね、それで朝からの残念で気落ちした雰囲気が暗い朝食風景を醸し出していたのでしょう。

 そうだったのだ、確かに、一般の日本人が外国の軍隊の人と関わり合いに成りたくないのは当たり前かなと思うと、添乗員さんや講師の方の配慮が分かるのでした。でも、ツアーの人々の非日常的な華やかな事への憧れの気持ちも分かるのでした。夢が破れた失望感や残念に思う後悔の念など、先生達の説明の後も、皆の暗い雰囲気は改善しませんでした。

 そこで何となく私は、アルコールは取っていなかったので朝から酔っていたとも思えないのですが、壁にかかっていた絵を見つめて、

「イタリアに行ってみたい。」

と、手を上げて気楽に一言発言してみました。

 私にすると、皆の笑い声が起こってその場の雰囲気が明るくなるかしらと思ったのですが、予想に反して誰も何も言う人がいなくて、やはり皆の様子は変わりなくシーンとしたものでした。

 ?いったい何がこの沈んだ雰囲気の原因なのか、結局私には推し量ることは出来ませんでした。ラベンダー畑から1日目の朝の事です。まだ憂鬱感が出るには早いと思っていたのですが、皆そうだったのでしょうか。

(ラベンダー畑の写真だと思います。)


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