Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

土筆(132)

2018-07-17 10:11:09 | 日記

   僕がいなければあの子はこの時点でもう存在しなくなるんだ。もしこの世界に僕が存在していても、あの子と出会わずにいれば社会的な今の僕は無いんだ、多分ね。これが因縁というものなんだ。

「他の誰でも無い、僕達2人の因縁なんだよ。」

彼は何かしら悟った調子で感慨深く嘆息するのでした。

 「こうなったら仕様が無い、あっちは断るよ。」

いよいよ引導を渡す時期が来たんだ。本当に長かったけれど今が潮時だ。

「仕様が無い。」

彼はそう呟くと祖父を見やりました。

「こうと決めたら事を急ごう。」

そう祖父を促し、彼は何となく気の乗らな風な素振りの祖父を背後に従えると、2人道から姿を消し去ったのでした。

 「祖父ちゃんは自分に会ったのかい?」

孫の言葉に祖父はまあなぁと呟きます。「へぇ、どんなだった?」と彼が祖父に尋ねると、祖父はまぁなぁと繰り返し、気乗りしなさそうな声を発していましたが、「まぁ、存在はしていたんだよ。」と答えます。


土筆(131)

2018-07-17 10:06:37 | 日記

  「この世界はもう出よう。」

孫の言葉に祖父は頷きました。

「ここは此処で良い世界だったがなぁ。」

祖父の言葉に孫は答えます。

「最初から少し妙だと思っていたんだ。」

「此処は人も少なくて空気も綺麗だ。太陽も元気そうだし。前の所よりはよっぽどいいと思ったがなぁ。」

祖父はこの地が去りがたく、しみじみとこの時代を懐かしんでいる風でした。

「誰もじいちゃんに気付かなかったし、あの場面で僕の話も出なかっただろ。」

孫の言葉にああと祖父は相槌を打ちました。

「確かにな、他では皆私に気付いたし、あの時お前の事も話題にしていたな。」

多分と年若い方の男性は話します。

   多分、この世界では僕とあの子は出会ってないんだよ。もしかすると、僕自身も存在していない世界なのかもしれない。だとしたら、 僕とあの子が出会って関わり合いを持つのは、僕達の存在にとっては必然だったのかもしれない。そして僕がこの道に進む事になったのも、僕が存在していた世界では当然な事だったんだ。


都会

2018-07-17 10:01:05 | 日記

 都会ですね。高層ビル群、電車の路線図。地下鉄や各路線の電車。新宿駅、浅草、東京湾、東京ドーム、東京タワー。等々です。

 やはり大都会、アスファルト、公園、雑踏、満員電車、沢山の人の顔と顔。