Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

土筆(129)

2018-07-12 09:15:26 | 日記

 しかし結局、兄嫁は病院へ向かう途中、家の事が心配だから、自分の長男が風邪を引いているからと説明すると、別れ道で彼と別れて自分達の家へ1人帰って行きました。

 『他所の子より自分の子か。』

道に1人残った彼は少々苦々しく思いました。が、そうだなと考え直しました。結婚してそう年数が経たない自分には子供といっても娘まだ1人、でも、既に子沢山の兄の家では義姉さんもさぞや大変なんだろう、と思いやる事にしました。

 『そんな事より、…』と彼は思います、『如何したのだろうか。』再び我が子の身を案じると、彼はひたすら娘が運ばれた病院へと急ぐのでした。

 「遅かったよ。」

「そうなのかい。」

それでは残念な結果になったんだなぁと彼は言うと、いい子だったのになぁと連れの若い方の男性を慰めるように言葉を発しました。若い方の男性から様子を聞いた年配の男性は、意外な顔をして驚く風でしたが内心ほっとしたのは否めませんでした。実際彼にするとこれで厄介事が片付いたのです。

 その年配の男性の顔色を窺いながら年下の男性は言いました。

「あの子が居なくなってほっとしたんじゃないの?」

本とのところはそうなんでしょう。そう言う若い方の彼に年嵩の男性は案外すんなりと本音を言いました

「まぁ、正直そうだな。そう言うお前は?」

本当の所はお前もそうなんじゃないのか。年配の男性は長らく感じて来た疑問をこの機会にと考えると、若い方の男性にそう水を向けてみるのでした。


土筆(128)

2018-07-12 08:41:09 | 日記

 彼は引き戸に手を掛けました。が、施錠中で戸は固く閉まったままでした。『おかしいなぁ。』彼は屋内に向かっておーいと声を掛けました。「ただいま、今帰ったよ。」鍵を開けてくれ。そんな事を玄関先で怒鳴っていると、家の中に人の気配がしてがらりと玄関戸が開きました。

 「あら、…さん。今お帰り?遅い帰宅でしたね。」

そう言って出てきたのは先程彼が尋ねていった兄の家の兄嫁でした。彼は自分の家の鍵を開けて出てきた兄嫁の顔を見て驚きました。

「あら、一体どうしたんです?家の奴は?」

彼が義姉さんに聞くと、彼女は「さっき…さんが帰られてから、家に…さんの奥さんとお子さんが来られたんですよ。」と事の次第を話し始めました。

 家でお宅の…ちゃんが急に具合が悪くなって、そのまま医者に連れて行くからと、あなたの奥さんに、家にいてあなたを待っていてくれと頼まれたんです。という説明でした。成る程と彼は思いましたが、娘の容体が心配になりました。早速どんな具合だったのかと娘の容体を兄嫁に尋ねてみました。

 「具合と言っても、玄関を入った所で、帰宅した夫が見たらもう倒れていたという事で、そのまま急いで夫が抱えて病院に連れて行ったんですよ。多分、家のは食事もまだなんですよ。」というややむくれたような兄嫁の返事でした。

 兄と彼の妻が連立って病院へ付き添って行ったという事でしたから、兄さんが一緒なら大丈夫だと彼はやや安堵しましたが、彼も直ぐに病院へ行こうと思いました。彼が自分も病院へ行くと言うと、兄嫁も自分も一緒に行くという事になり、彼女は履物を履くと玄関前に出てこの家の鍵を彼に手渡しました。


ありません

2018-07-12 08:33:22 | 日記

 まだ受けた事がありません。精密にきちんとした健診結果が出そうですね。

 総合病院で受けている人を見たことはあります。公務員か大手企業の人の様でした。結構顔見知りの人同士が検診で出会うようでした。今日にされたんですかとか、初めてなんですとか、言葉のやり取りが聞こえて来ました。受診する人を見ているのは物珍しくて新鮮な気がしました。そう言う私も待合にいたのですから、勿論病院で受診中でした。人間ドックではありません。