Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

土筆(61)

2018-05-02 12:03:30 | 日記

 「親戚の事だから。」「親戚のした事だから。」

彼女はよくこの言葉を父や伯父、彼等の親である祖父から聞いていました。何か親戚と揉め事があった時があるのでしょう、父に連れられて父の実家へ行くと、本家で親類の大人が集まって会合していました。身内のした事だからと、大目に見ておこう、許そうというような話をしているのを、数回彼女は小耳にはさんだ事がありました。それで、彼女にすると親戚は庇い合うものだ、許し合うものだという観念が、既にこの時迄に彼女の意識の根底に出来上がっていました。これは、損得抜きの経済観念以前に出来上がっていたものでした。

 『親戚の事を悪く言うなんて、従姉妹とは思えない。』彼女は俯いて様々に考えを巡らせる内に、彼女なりの倫理観で従姉妹に対して無性に腹が立ってきました。容姿の見栄えがしない点は確かに真実だと自分でも思いましたが、似ていないと思う相手に準えられるのは納得がいかず、また、親戚に根拠の無い暴言をぶつけたという従姉妹の態度を考えると、祖父や父親の今迄の態度から考え合わせて、自分の一族の親戚には許されない行為だと思うのでした。彼女は顔を上げると、険悪な目で従妹を睨み、本当に父方の血が繋がる親戚なのだろうかと不審そうに眺めるのでした。そして、『今後の付き合いについて考えた方が良いのかもしれない。』と頭の中で考え始めました。

 年上の彼女の方は、相手が飛び掛かって来るのを今か今かと待ち構えていましたが、何時まで経っても喧嘩をし掛けてくる気配がありません。それで、ちらっと横目で相手の様子を窺ってみました。相手は何やら視線を落として考え込んでいるようです。戦闘体制に無いのでちょっと安心しました。それでも、用心しながら徐々に顔を正面に戻すと、その時です、キッとした感じで年下の従姉妹がこちらを見るのです。これは、いよいよだなと感じました。彼女は先ほどより更に顔を相手から背けると、拳を握る手に力を込めて腕を上方に掲げました。そして、慌てて利き足を軸にしてもう一方の足を膝の所迄持ち上げました。


土筆(60)

2018-05-02 11:45:30 | 日記

 確かに、元々、彼女が今まで可愛いと言われた事はそう多くありません。それでも、幼い女の子の事、「可愛い」「べっぴんさん」等は、お愛想として言われない訳は無い言葉です。不思議な事に、こんなに幼くしても彼女自身は自分の事を美人だと判断してはいませんでした。それでも鏡を見ながら「可愛いよね。」等と呟いてみたり、時には全然可愛くさえも無いと自己評価したりもしていました。彼女は自分の周りの大人の反応から、既に自分はそう器量が良くないという事を悟っていました。見目の良い容姿に関する言葉は、彼女の頭上をはるかに超えて行きかいしていました。彼女はその事にも既に気付いていました。彼女は最近、

「頬を膨らませるとおかめみたいになるよ、可愛い顔が台無しになるから止めなさい。」

そんな事を、父方の祖母から微笑んで言われた事を思い出しました。その極新しい記憶を加えてでさえ、生来から考えると、彼女には容姿に関して受けた唯一無二とも言える、嬉しい記憶の一つでしかないのでした。これは言葉の端にでも一応は可愛いと言われた事になるのですから。

 『おかめなら分かるけど、ひょっとこなんて…』似ているだろうか、あんな口をとんがらした顔に?何方かというとお祖母ちゃんが言ったように、おかめに似ていると言われたなら分かるのに…。どう考えても彼女は従姉妹が自分の顔をひょっとこに似ていると言った事に納得がならないのでした。先程怒って頬を膨らませていた事は、客観的にみて自分にも分かっていました。ここで、『妙ね』と彼女は首をひねりました。決して口は尖らせてはいなかったのに…。

 『おかめなら分かるのに…。』再度どう考えてみても、彼女は自分の顔がひょっとこに似ているとは決して思えませんでした。しかも、と彼女は考えました。おかめもひょっとこも不細工な人の顔なのに。彼女には幾らなんでもそこまで自分の顔が酷いとはどうしても思えませんでした。また、そんな酷い言葉を、何故従姉妹は親戚の私に言ったんだろう?彼女にはそれがどうにも不思議で腑に落ちないのでした。


家の事で

2018-05-02 11:13:08 | 日記

 家の事をして過ごす、家事、という事で、ショッピング、庭整理、掃除、家の補修ですね。母の面倒も見てきました。

 細かく言うと、花壇に花を植えたり、スイレン池に金魚の彩を加えたり、雑草を抜いたり、倒れそうな枝には支柱を立てたり、剪定したりです。

 掃除は勿論掃除機を掛けるのですが、廊下にワックス掛け迄出来るとよいなと思います。家の補修もしました。雪で傷んだ外壁の補修、自転車が強風で倒れて当たり壊れた壁、子供が補修してくれました。助かりました。

 ショッピングも何回か出かけました。食品は勿論ですが、衣類や身の回りの小物、ゆっくり見る事が出来る休日です。

 最後は母の面倒、病院へ行って、良くなっていたのでほっとしました。これから暖かくなる時期です。ゆっくりと養生しながら過ごしてくれるとよいですね。病院の帰りに、ソフトクリームを食べようかとファミリーレストランへ。ミニパフェを食べました。白玉や小倉、抹茶アイスなど美味しかったです。パフェの中に入っていたシリアルには、口触りが悪かったらしく母は嫌そうな顔をしていました。ジョリジョリ感が昔の人には馴染みが薄いのでしょうね、口の中にあるザラザラが何か分からない様子です。2年ほど前は美味しいと言ってバリバリと雑穀のシリアルも食べていたのですが、食べ物と思えなかったのかもしれません。お店の人に嫌がらせをされたと思ったのか涙ぐんでいました。この辺り、近年の事はすっかり記憶にないボケ具合です。昔の人に、10年~20年の新商品は対応できないのですね、今回漸く私も気付きました。次回からはシリアル系は抜かしてもらいます。

 さて、連休の後半は衣類系のショッピングをもう少ししたいですね、洗濯機で洗濯が利くTシャツなどを母の為に、私はスカートかパンツ類の新しい物が欲しいです。ブラウスも欲しいですね。また、余裕があって、行けたら温泉も行きたいです。