日本橋に残る古い地名

　　ひょんなことから面白い小冊子が手に入って、、、
　　「江戸薫る地名を訪ねて」・・・非売品かと思ったら定価が入っていたけど。
　　これは行かなくちゃ、歩かなくちゃなるまいて、
　　花にかまけて遅くなったけどやっと載せられた。


　　

　　　　　始まりは地下鉄日比谷線人形町駅から、
　　　　　私は一つ手前の小伝馬町から歩いて行きました。
　　　　　途中で一つ調べることがあったので。

　　　　　江戸の頃は芝居小屋、人形芝居、そして元・吉原があったところ、
　　　　　日に千両の金が動くと言われた江戸きっての繁華街でした。
　　　　　後に奢侈に過ぎると芝居小屋も吉原も浅草に移されたけど
　　　　　それまでは江戸の歓楽街として絶対の地位を誇っていました。
　　　　　人形町は俗称だったけど大正時代に正式な町名として誕生しました。




　　

　　　　　甘酒横丁の通りを明治座と反対方向へ行くと
　　　　　突然クジラの姿が。
　　　　　当時の人形はバネとかゼンマイにクジラのヒゲを使っていた、
　　　　　今でも人形にはクジラのヒゲを使っているとか。
　　　　　この辺は人形使いとか人形職人などが多かったようです。




　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　水天宮の通りを挟んで二つのからくり時計。
　　　　　　　　　　これは火消の衆、反対側には落語家、
　　　　　　　　　　それぞれ毎正時に窓が開いて演技をします。
　　　　　　　　　　下の窓に火消し衆がチラと見える。




　　

　　　　　少し小伝馬町の方へ戻って「堀留」、
　　　　　江戸の街にあった堀の一つがここで終わった所ですね。
　　　　　大きな堀だったみたい、今は埋められ児童公園になっていました。




　　

　　　　　そのまま日本橋の方へ歩いて「按針」通り、
　　　　　狭い通りだけどここに三浦按針の屋敷があった。




　　

　　　　　すぐそこに「三浦按針屋敷跡」。
　　　　　家康の頃イギリス人のウィリアム・アダムス、日本名「三浦按針」の
　　　　　拝領屋敷があった所で「按針町」と言われたが
　　　　　町名は昭和初期に消え今は按針通りだけが残る。




　　

　　　　　そのまま中央通りに出て振り返ると"あの"スルガ銀行、
　　　　　左の赤いビルのところに出てきます。
　　　　　スルガ、スルガ、、、そうだ駿河にも行かなくちゃ。




　　

　　　　　左三越、右三井本館、江戸の頃この通りは三井呉服店の暖簾で埋め尽くされていた。
　　　　　この通りの正面に富士山がくっきりと見られ富士と言えば駿河、「駿河町」と呼ばれた。
　　　　　富士を望むその風景はたくさんの浮世絵でお馴染みですね。




　　

　　　　　新装なった真っ赤な鳥居は「福徳神社」、COREDO室町2の端っこ。
　　　　　この辺りは「瀬戸物町」、江戸の頃は商売の名がそのまま町名に
　　　　　なることも多かった、この辺は瀬戸物屋さんが多かったんだね。

　　　　　傑作は「照降町」で江戸橋の近くにあったけど
　　　　　何を商っていたかというと、下駄屋と傘屋が多かったとか。
　　　　　クイズというかダジャレというか、はたまた江戸の粋というか・・・。




　　

　　　　　ご存知日銀ですが工事中で思うように撮れません。
　　　　　この辺りは「本両替町」、金貨鋳造所の「金座」があり
　　　　　近辺に両替商がたくさんあった。
　　　　　銀座の「新両替町」と区別するため「本」を入れた。




　　

　　　　　さて何を隠そう我が社が入居する雑居ビル！ここも只今工事中。
　　　　　「日本橋本石町」ですね、米穀商が多かったので「石町」としたが
　　　　　神田にも「石町」が出来たので日本橋の方は「本石町」とした。
　　　　　本石町は広いです、周りみんな本石町ですわ。




　　

　　　　　その「石町」の方、時の鐘で有名ですね。
　　　　　江戸城で打ち出す太鼓の音を聞いて時の鐘を打つ、
　　　　　その音を聞いた上野とか浅草などで同じように鐘を打つ
　　　　　リレー式に江戸じゅうで鐘を打ったんですね。
　　　　　その鐘の音が聞こえる範囲の住民はいくばくかのお金を払う
　　　　　それが鐘を打つ人の給金となったようです。

　　　　　さて、小伝馬町から出発したんだけど小伝馬町へ帰ってきました、
　　　　　江戸って狭い？、まあ日本橋界隈を廻っただけなんですけどね。
　　　　　次回は私なりの日本橋、
　　　　　いつもと同じ日本橋の風景などをね。

　　　　　　　　　　data:　EOS5DmarkⅡ/EF17-40 1:4 L USM。　撮影 2月18日　古き日本橋を歩く