
2006年7月20日投稿分を再編集 __
左から コロとサラータの「微笑みの国」ハイライト CD、ビデオ盤、「ジュディッタ」CD 2種 (上がギューデンとクメントのデッカ盤・下がゲスツィとショックのオイロディスク盤)、右はコロのオペレッタ集とドミンゴのポップス集で「君こそわが心の総て」を含む。
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レハールの代表オペレッタ作品『メリー・ウィドウ』に次いで知名度が高いのが、『微笑みの国』と『ジュディッタ』でしょう。
『微笑みの国』からの「君こそわが心の総て Dein ist mein ganzes Herz 」や、『ジュディッタ』からの「唇は熱く燃えて Meine Lippen, sie küssen so heiß 」「愛の海の中で In einem Meer von Liebe 」「友よ 人生は生きる価値がある Freunde, das Leben ist lebenswert 」などは単独でもよく歌われる曲です。
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1929年にベルリンで初演された『微笑みの国 Das Land des Lächelns・Land of Smiles 』は、中国外交官スー・チョン殿下と伯爵令嬢リーザの恋物語で、劇中スー・チョン殿下が四人の妻を娶らされる話は中国をイスラム教国と間違えているなど、東洋の認識は大雑把ですが メロディは素晴しい。
コロ (スーチョン)、サラータ (リーザ) 主演、エーベルト指揮シュトゥットガルト放管によるハイライト盤は、女性陣の歌唱力が低く (特にサラータ)、管弦楽の構成も小さい。 録音も低音を強調するなど不自然で、映像ものの流用ですね (75年 PHILIPS)。
冒頭ジャケ写真にはありませんが、「レハール・ガラ Lehar Gala 」で使われたジャケデザインではタイ風と思われる帽子と容貌の人物画が使われたりして、ヨーロッパ人の感覚が分かります (70年 DECCA 制作)。 早くいうと “なんちゃって異国風” の雰囲気です。
でも この盤に収められた メリー・ウィドウ/世界は美しい/微笑みの国/パガニーニ/ロシアの皇太子/フリーデリケ/ルクセンブルグ伯爵/エヴァ/ジプシーの恋 などからの代表ナンバーを聴くと、レハールの甘いメロディーが実に魅力的なのが納得できます。
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そして レハールの最後のオペレッタ『ジュディッタ Giuditta 』は、地中海沿岸の港町と北アフリカを舞台に、外人部隊の大尉オクターヴィオと彼が駐屯する地中海沿岸の港町の人妻ジュディッタの恋の顛末を描いた五幕もの。
ハイライト盤は、モラルト指揮ウィーン国立歌劇場管、ギューデン (題名役)、クメント (オクタヴィオ陸軍大尉) らによるものや (57年 DECCA)、ベルケ指揮ベルリン響、ゲスツィ (題名役)、ショック (オクタヴィオ) らによるもの (60~70年代 EURODISC) があります。
デッカ盤を制作したプロデューサーのカルショーが述べています __「ソプラノの有名な「唇は熱く燃えて」とテノールの2つのアリアと二重唱1曲を1面に収め、片面にはレハールの他のオペレッタから選んだ曲を入れるなら、かなりの成功になるかも知れないが、全曲となるとギューデンのような歌手が歌ってさえ 長すぎた」(81年刊 カルショー著『レコードはまっすぐに』210p)
私の手持ち CD は抜粋盤ですが 75分も詰め込んであり、かなり退屈に聴こえます。 これに対し オイロディスク盤は 45分ですが面白く聴けました。 但し かなり入れ込んで歌っているショックの声が時々お爺ちゃんぽくて、年齢的に厳しいものも感じます。
今日はここまでです。