
左から「入江のざわめき/スペイン・ピアノ名曲集」(LONDON 録音は1970年代)。「Virtuoso Guitar」(TELDEC 1988年)。 2CD Compact Classics - Spanische Gitarrenmusik by Yepes。
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スペインの名ピアニスト アリシア・デ・ラローチャの弾く『スペイン音楽名曲集』(冒頭左) を聴いていたら、何曲目かで なぜか違和感を感じ ギター演奏の方がピッタリだろうなと思いました。
この CD 『入江のざわめき』の中身は、I. アルベニス6曲 M. アルベニス1曲 グラナードス1曲 ファリャ11曲の合計19曲です。 1曲目「入江のざわめき」ではそれほど感じませんでしたが、次いで「マラゲーニャ」や、ファリャ『三角帽子』の3曲、ファリャ『恋は魔術師』7曲では 曲の雰囲気がギターにふさわしいと思えてしまいます。
2枚目の『ヴィルトゥオーソ・ギター』(冒頭中央) は、レンドル独奏、ヒルとウィルチンスキーのデュオのギター演奏曲が収められ、ファリャ3曲 スカルラッティ2曲 タルレガ3曲 ジュリアーニ8曲 アブシル3曲 ガンジ3曲他 アラール ヴィラルビ セゴヴィア J. ロドリゴ マザ トリョーバ I. アルベニスは各1曲の全二十数曲です。
3つ目 (冒頭右) は2枚組で、ギター奏者で最も有名なイェペスの独奏曲集です。 タルレガ5曲 ソル3曲 サンス9曲 I. アルベニス4曲 アセンシオ5曲 作曲者不明が3曲他 J. ロドリゴ グラナードス セゴヴィア ヴィラ=ロボス ピポー モンポウ各1曲の三十数曲です。 映画『禁じられた遊び』主題曲や『アルハンブラの思い出』も入ってます。 I. アルベニスの「マラゲーニャ」は上記のどれにも収録されています。
ラローチャ盤の解説にも「アルベニスの作品の大半はピアノ曲で、その “ギター的な手法” が大きな特徴となっている」(松山明人) ともあります。 2枚目と3つ目2枚組はギター独奏とデュオのギター演奏ですから、違和感なく そのまま すんなりと聴けました。
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というわけで、スペインの作曲家たちが作る曲というのは、ギターにふさわしいメロディ作りになっているのかも知れません。
あのギラギラと太陽が輝く 情熱の国 スペインには、ピアノや管弦楽よりも、ギター音楽が国の隅々や、作曲家たちのメロディに染み込んでいるのでしょう。
そう決め付ける必要もないのですが、フラメンコの伴奏もギターとお囃し (おはやし) だけと決まってますし、ピアノ伴奏のフラメンコなんて まず想像もできません。
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本場のスペイン マドリードで 浅黒い顔の踊り子たちとギター奏者、手拍子で掛け声や歌を歌う一座のフラメンコ・ショーを見た事があります。 小一時間ほどだったと記憶しますが、それなりにエキゾチックで本場の雰囲気を楽しめました。 ジプシーの一座だったと推理します。
終わって 妻が「踊り子の衣装の背中のジッパーが降りていたのを、一緒に踊っていた男の踊り手が踊りながらジッパーを上げて直していたのが見えたよね」というのですが、私は全然気が付きませんでした。
そういう事もあるでしょうし、その場で 何気なく取り繕って 中断なく興行を続けるのが真のプロなんでしょうね。
現地では 40°C を超えていましたが、日本とは違って湿度が低くカラッとしているので、体感的にそれほど暑くは感じませんでした。
でも やはり 暑いと体の動きも良くないのでしょう。 スペインでは「朝に行くよ」といって昼ごろ行っても、「昼ごろ行くよ」といって夕方に行っても咎められず、それが普通だとも聞きました。 暑いから そういう習慣になったんでしょうね。 あまり ビジネス向きじゃありませんが。
今日はここまでです。