シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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『大地の歌』でコロが定番だった ‘70年代

2020年11月24日 | 独オペラあれこれ
上左はマーラー『大地の歌』LP、その右はそれに添付する解説書表紙。 その右は第5交響曲と『大地の歌』CD。 並べると LP に比べ CD が小さく見える。 その下はコロとルートヴィヒ。 中央右上はシカゴ響、その下はイスラエル・フィルの『大地の歌』。 右上は『リエンツィ』、右下はバーンスタイン VPO 第九で歌うコロ (https://www.youtube.com/watch?v=6A8DNUTNEOc)。 この YouTube 動画は ’79年と古いせいか暗い色調です。
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カラヤンの初マーラーが第5交響曲 (‘73年) で、次いで『大地の歌』(歌はコロとルートヴィヒ ‘73) を録音しました。 私は最初 輸入盤 LP 2枚組の『大地の歌』を購入しました。

LP 3面をたっぷり使い、第4面はリュッケルト歌曲集 (ルートヴィヒ歌) がフィルアップされていました。 演奏・音質とも極上の LP でした。 70年代前半 カラヤンとコロの仲は良好でしたね。 コロについて録音歴を見ると __
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コロは『大地の歌』をバーンスタイン/イスラエル・フィル (ルートヴィヒ歌 CBS ソニー ’72)、ショルティ/シカゴ響 (ミントン歌 DECCA ’72) と録音しています。 この頃のコロは『大地の歌』で引っ張りだこのテノール歌手でした。 CBS ソニー LP 盤は期待ほどの音質ではなかったです。 DECCA 盤は未聴です。

70年 コロは『マイスタージンガー』録音 (カラヤン/ドレスデン管 EMI ‘70) に登場、一躍ヘルデンテノール歌手として活躍し始めます。 次いでショルティ VPO と『タンホイザー』(’70)『パルシファル』(’71~72)『マイスタージンガー』(’75) を録音、更にショルティ/シカゴ響とは『オランダ人』を録音します (’76)。

60年前後に活躍し、その後 黄昏れていったヘルデン・テノール ヴィントガッセンの穴を埋める活躍ぶりだったと思います。 ポップス出身のコロはオペレッタにも意欲的で、カラヤン BPO とは『メリー・ウィドゥ』録音 (‘72) に参加し、第九ビデオも録画 (’77)、バーンスタイン VPO とは『フィデリオ』(’78) や第九 (’79) を録音、と3人の人気指揮者と相次いで録音して、華々しく活躍しました。 以上は全て保有しています。

余勢を駆ってか ワグナー初期作の『リエンツィ』(ホルライザー/ドレスデン管 EMI ’74~76) まで録音しています。 ライヴ盤 (サヴァリッシュ/バイエルン管 Orfeo ’83) も出ています。

ところが 70年代中頃の『ローエングリン』(EMI ’75~’81) でカラヤン BPO とのザルツブルクでの共演で一時 対立し、録音完成も数年伸びてしまい、発売されたのは、80年代になってからです。 ある意味 “話題作” ですが、もちろん 手抜きなど感じさせません。

80年代に入って ようやく『トリスタン』に挑戦し、録音 (クライバー/ドレスデン管 DG ’80~82) とビデオ (バレンボイム/バイロイト管 PHILIPS/DG ’83) を残しています。

また指輪シリーズの『ジークフリート』(ヤノフスキ/ドレスデン管 DENON ’82)・『神々の黄昏』(同 DENON ’83)、『ジークフリート』『神々の黄昏』(サヴァリッシュ/バイエルン管 EMI ’89) にもジークフリート役で出演しています。

オペレッタ全曲録音も多数あり、変わり種 (?) では コルンゴルト『死の都』(ラインスドルフ/ミュンヘン放送管 RCA ’75)、スメタナ『売られた花嫁』(クロンプホルツ/ミュンヘン放送管 Eurodisk ’76 ※)、ウェーバー『魔弾の射手』(クーベリック/バイエルン放響 DECCA ’79)、ヴァイル『三文オペラ』(モーチェリー/RIASベルリン シンフォニエッタ DECCA’88) などがあります。 ※は良かったですよ。

声が衰えた歌手は、オペラからリートに活躍の場を移すケースが多いともいわれますが、コロも『冬の旅』(’04) やシューマン歌曲集『詩人の恋』(EMI ‘92) などを出しました。 聴いてみて、残念ながら違和感を感じました (あまり売れなかったと推測します)。
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私の印象では コロの30代、つまり70年台が脂が乗っていた時期と想像します。 その軽い声質は、いわゆるヘルデンテノールとは違うかも知れませんが、1つの時代を形作ったのではないでしょうか。
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ルネ・コロ(René Kollo, 本名:René Kollodzieyski, 1937~)は、20世紀後半の四半世紀のドイツオペラ界を代表するテノール歌手。

ドイツ、ベルリン生まれ。 祖父ヴァルター・コロ、父ヴィリー・コロは、ともにオペレッタ作曲家というオペレッタ一家に生まれる。 ルネ・コロ自身も当初はオペレッタやミュージカル、ポップスを歌い活躍していたが、後にオペラ歌手への転向を決意し、本格的に声楽を習う。

転機が訪れたのは1969年のバイロイト音楽祭デビュー以降であろう。「さまよえるオランダ人」の舵手という端役で登場するが、一躍注目されレコード録音にも起用される。その後次第に「ローエングリン」のタイトルロールや「マイスタージンガー」のヴァルターなど重要な役を歌い頭角を現していく。

1976年には「ニーベルングの指環」のジークフリート、1981年「トリスタンとイゾルデ」のトリスタンと重量級の役にもレパートリーに広げ、欧米の一流劇場の重要なワーグナー上演の多くで主役を歌い、当代最高のヘルデンテノールとしての名声を不動なものとしていく。

コロの声は従来のヘルデンテノールらしい力強さや量感にはやや物足りなかったが、その叙情的な美声と高い音楽性で旧来の歌手と一線を画していた。 オペレッタで鍛えた演技力もあいまって、新世代のテノールとして人気を博す。 特にドイツオペラのテノールパートにおける最大の難役であるジークフリートとトリスタンにおいては、現役時代他の歌手の追随を許さなかった。

1998年にベルリン・ドイツ・オペラとともに来日した際、路上でナイフを持った少年数名に取り囲まれ、財布の金を奪われる被害に遭った。 当時は「オヤジ狩り」が社会問題化し始めた時期であったため、週刊誌やスポーツ新聞に「世界的オペラ歌手がオヤジ狩りに遭遇」などと報道された (ウィキペディアから)。
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今日はここまでです。

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