シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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劇画コミックの政治ものがウケるには?

2021年10月23日 | コミック界を語る
弘兼憲史氏の『加治隆介の議』から。
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弘兼憲史の漫画で『加治隆介の議』20巻を一気に読みました。 珍しい政治ものコミックで それなりに面白いですが、細かな説明は飛ばして読みました。 細かい政治説明部分が多くあり、詳細は状況説明に必要でしょうが読みきれません。
 
なお 大人向けコミック誌の連載漫画ですから、不倫と○○○ス、暴力は “お約束ごと” のようにちりばめられています (これらがないと 政治談義ばかりで のっぺりとした起伏の少ない 退屈なものになったか、編集部からも要求があったのかも知れません)。
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「ミスターマガジン」1991年1号より1998年23号に掲載。 一介のサラリーマンが政界に進出し、地元利益還元ではなく日本、ひいては世界から物事を考える政治家となるストーリー。 作中のテーマがそれぞれ当時の世相を反映した内容となっている。 難関へ次々と挑む主人公を描いてみせる一方で、密室政治による首相選出を厳しく批判する主人公が自ら密室政治を運んで首相を選ぶ場面、主人公やその妻が不倫している場面などもある (ウィキペディアから)。
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読んでいて 私が “おやっ?” と思ったのは、次の内容です。
 
議員辞職して浪人時代 秘書と韓国視察に出向くのですが、そこで知り合いの韓国人の手引きで竹島にヘリで訪問する場面がありました。 これは 韓国が一方的に占拠し、実効支配を続けている現状を “一般人” という立場とはいえ、認めている事になります。
 
いずれ国会議員に復帰しようという人物が、そのような行動に出るべきではありません。 コミックには書いてありませんが、こうした “引っ掛け” かも知れない韓国人の誘いには注意すべきですよね。
 
ただ 韓国人は “引っ掛けがうまい” ようで、こういう話しを昔 記事で読んだ事も __ 当時 (90年頃?) 世界で DRAM 製造の最先端を走っていた東芝の重役が韓国サムスン電子を訪問した際、予定されていなかったサムスンの DRAM 工場視察をサムスン側がスケジュールに勝手に組み込み、お返しに日本国内の東芝 DRAM 工場視察を要求されても断れなかったという。 その視察でサムスン電子は東芝 DRAM 製造の秘密・ノウハウを取得できたことで、その後のサムスン電子の DRAM 飛躍に繋がったという。
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ウィキペディアから反応・批評 __ 劇中、再処理核燃料を積んだタンカーが北朝鮮の工作員によりシージャックされる話があったが、米軍は自国の兵士を撃墜されたヘリも含め何人も殺されたのに北朝鮮に報復することもなかったばかりか、日本においては北朝鮮の兵士を射殺した警官を殺人罪に問うというありさまで、あまりのリアルさの無さに飽きれる声が当時コンバットコミックに掲載された。
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弘兼憲史の劇画は描写が細かく、韓国人の顔も特徴がよく出ています。 角形の顔・小さい眼などです。 また 多くの “老人の描写が醜い” とも思えるもので、個人的にはもう少し醜さを弱めてもよかったのではと思います。
 
主人公を際立たせる “悪役” が最初から最後まで登場し続けます。 風貌も性格も主人公と対照的に描かれ、しぶとさも兼ね備えています。 同じ選挙区の対立候補 (後述※) です。
 
また 登場するヒロインは、最初から最後まで自分を犠牲にして “日陰の女” として主人公に尽くしますが、徹頭徹尾 “主人公に都合の良い” 設定だと思います。 現実的にはあり得ず、必ず本妻を追い出し、男を独占する羽目になるのが現実の愛人女性の本性でしょう。
 
20巻総数 2500ページ以上もあり 登場人物が多すぎて、名前などの管理が不十分だったようで、人物の名前が前後で変わってしまうというミスも幾つかあります。 その辺のいい加減さは、漫画のテキトーさ・ご都合主義でもあります。
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ウィキペディアから登場人物などの変化 __ 登場人物の選挙区(具体的には浅海恒太郎(長野2区 → 和歌山1区)、青杉幹二(茨城県 → 兵庫1区))
 
渦上三郎の経歴(加治の外務政務次官時代に「俺も20年前に外務政務次官を経験した」と語っているが、初登場時の経歴にはこの事実は存在しない)
 
民政党の大物議員の氏名(鳩村謙三 → 鳩村尚三、森本敏夫 → 森村敏夫)
金烈申韓国外相の容姿(黒髪で細長い顔 → 白髪でふっくらした顔)
 
日本平和党に合流したはずの民主進歩連合と共立党が後のエピソードでは「自由と責任党」に合流したことになっており、その経緯が作中で示されていない (ただし 共立党については日本平和党に参加していたことを具体的に示すエピソードが存在する)。
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それと 何十人もの登場人物の顔は、本人が自作するだけでなく、多くの公開写真を参考にしていると推測します。 というのは、登場する北朝鮮書記長の顔が私の “元同僚に似ている” からです。 漫画中の書記長は暗殺されますが、元同僚は健在です (が、会社員時代から年月が経って 髪の毛が無くなりました)。
 
主人公の兄に睡眠誘導剤を飲ませて主人公の父を死に追いやった犯人 (主人公の妻の不倫相手) をジャーナリストたちが追い詰めますが、その犯人が拳銃自殺します。 そこでのやりとりが論理的すぎて現実味がありません。 論理的な話しをする人が犯罪を犯すでしょうか? これも作者が “犯人に説明させている” 設定と想像します。
 
建物や兵器・艦船の描写はうまいです。 写真を参考にしているのでしょうが、それをうまく漫画に落とし込んでいます。 これも画力の1つですね。
 
そして冒頭右に挙げた番外編『加治隆介の青春』ですが、よくもこんな単純な内容を数十ページに膨らませて読ませるものに仕上げているなと感心してしまいます。 いかにも この “モテ男” の大学時代 あっただろうというエピソードを具体化する、漫画家 弘兼憲史の企画構想力・画力というものでしょう。 単純な内容ですから、雑誌掲載を読んだ人からは読み捨てにされたと想像します。 私も連載当時の「ミスターマガジン」で読んだ記憶があります。 扉絵はカラーでした。
 
また 主人公が暴力団とのヤムを得ぬ付き合いを悪役 (※) に暴露され、それが元で外務政務次官・議員を辞職しますが、それらを盛んに取り上げるマスコミ内部の話し __「加治隆介を叩けば 今は視聴率が上がる。 どこもおいしいネタなんだ。 他に大事件が起きれば それに移るから、このネタは終わる」という会話内容があります。
 
これを読んで 今月 結婚を控える “小室 圭さんのネタ” が今の旬 (しゅん) だから、マスコミや週刊誌が盛んに取り上げるのかと連想してしまいました。
 
今日はここまでです。

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