シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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高い倫理観が必要な職務は多い

2008年04月24日 | 経済あーだこーだ
証券/銀行/警察/自治体/マスコミなど 職務上限られた情報に接することのできる職に就いている人達は、その情報を利用して自分だけ利益をあげたり、その情報を他人やマスコミに漏洩させてはならない という高い倫理観が求められるのは当然です。
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「借金苦 元組員と共謀 資産家失踪 逮捕の元市職員」 (4月23日 産経新聞) _ 東京都あきる野市の不動産経営、大福康代さん (54) と同居の弟、広和さん (51) が行方不明となっている事件で、姉弟の口座から現金を引き出していた元同市職員、沖倉和雄容疑者 (60)=窃盗容疑で逮捕=が600万円を超える借金を抱えていたことが22日、分かった。

沖倉容疑者はあきる野市の税務課や福祉総務課などで勤務。 平成16年12月、保険年金課長補佐を最後に勧奨退職したが、このポストは「市民の資産状況の閲覧が可能」なため、沖倉容疑者が役所勤務時の記憶を頼りに姉弟に目をつけたとみられる (※追加Aへ続く)。
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「野村社員、知人口座から数百万円・転勤時、送金させる」(4月23日 日経 NET) _ 野村証券社員らによるインサイダー取引事件で、逮捕された同社社員の中国人、れい・ゆ容疑者 (30) =懲戒解雇=が昨年12月に企業情報部から香港のグループ会社に転勤した際、株売買に利用した知人名義の証券口座の残額数百万円を自らの銀行口座に送金させていたことが22日、分かった。 

証券取引等監視委員会は複数の証券口座は事実上はれい容疑者が持ち主で、内部情報を漏らしただけでなく、株売買も主導したとみて調べている (※追加1へ続く)。
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「東京地検、元野村証の中国人社員らをインサイダーで逮捕」(4月23日 ロイター/東京) _ 共同通信によると、東京地検特捜部は22日、株式交換情報などを入手してインサイダー取引をしたとして、容疑事実の当時に野村ホールディングス傘下の野村証券社員だった中国人の容疑者 (30) ら3人を証券取引法 (現金融商品取引法) 違反容疑で逮捕した。
 
また、関係者によると、証券取引等監視委員会は同日、3人の自宅など関係先の強制調査に入り、野村証券に任意の事情聴取を行った。 野村社員だった中国人容疑者は、証券監視委の調査に容疑を大筋で認めた。 野村証券は22日に中国人の容疑者を解雇した (※追加2へ続く)。
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以前 新聞関係社の社員が、またごく最近では 放送局社員が、公表前の企業情報に接し、その情報を利用して株取引で利益をあげました。 どちらの例も懲戒免職となっています。 それは当然でしょう。 そうでなかったら、ばれないようにうまくやったほうが得だということになり、社会の秩序が保てなくなるからです。

だからこそ、金融関係やマスコミ関係の人達は比較的高い年収を得ているのです。 警察/自治体関係者は高くはないと想像しますが、それは元々 高収入目的でその職に就いたわけではないはずですから、同列に論じることはできません。 高収入が目的なら別の職に就けばいいのです。

オカネを扱う、決済する職場にいる金融関係や自治体/官僚なども同様です。 取引業者は自分たちに有利な取り計らいをしてもらおうと、色んな口実で近寄ってきますから、それらの誘惑に負けない倫理観が必要です。

私がかつて取引していた顧客の資材部門でも、こういう事例がありました。
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ある製品を受注したのですが、注文書が到着、受注処理をしようとした矢先、その製品価格が30万円値下がりしました。 普通なら、資材担当者へ注文書を持参して、価格が下がったことを告げ、新価格で発注し直してもらう必要があるのですが、そのためには こちらから見積書を再発行、顧客も新注文書を再発行しなくてはいけません。

顧客の要求部署 (A) は旧価格で予算を獲得、その予算の範囲内で稟議を回し、内部決済を得たので資材部門 (B) に書類を回してきたのです。 資材も当社と値引き交渉し、ある程度の値引きになったので、資材内部でも決済を得て発注処理をし、注文書を送ってきたのです。

このまま黙って受注し納品すると、当社の利益が30万円増えることになります。 A も B も迷惑がかかることもなく、予算上も損が発生することもないのです。 後で顧客 A と B から、「価格が安くなったんだね」といわれても、「旧価格と新価格の狭間での発注受注ですから、そういうこともあります」で切り抜けることは容易でした。

そうしても良かったのですが、私自身としては B 担当者自身の値引き幅を増やす権限を与えようと、好意でありのままに伝えました_「価格が下がったのですが、どうしますか」

すると、B 担当者はこういいました_「新価格で発注するのはもう面倒だから、その差額分でパソコンの××を買って俺に持ってこいよ」

えっ と思いましたが、所属上司に相談し、承諾を得て秋葉原から××を調達、B 担当者に届けました。

厳密な意味で、これは賄賂/背任になりますね。 後日 私はこのことで B 担当者に何らかの圧力をかけることはしませんでしたが。
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これが 300万、3000万だったら、私も面倒でも見積もりを出し直し、注文書の再発行をしてもらって普通に処理したことでしょう。 30万という微妙な額だったから、相手の要求に応じたのです。 因に、買った××は30万を越えてしまい、 B 担当者のしたたかさも見せつけられてしまいました。

こういうことを経験すると、資材部門というのは誘惑が多いところということが分かりますし、人柄も普通の感覚とは違ったものが形成され易いとも感じました。

実際、資材部門の人達は、仕事柄「値引きを要求」「納期を督促」が多いですから、段々と自社中心主義になっていきます__モノが不足してくると、「他社に回さずにウチだけに持って来い」と平気で要求します。 受注に応じて公平に顧客に割り当てようとしてもです。

ある意味、社外に対し そういう強引さが資材部門内部で求められているのでしょうから、そんな人達の集まる一種 異様な集団となります。 逆に平均的な倫理観を持った人には、いずらい職場になるのかも知れません。
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どの職に就いている人も、平均的倫理観と金銭欲を持っていますが、殆どの人は犯罪に至らない範囲で「倫理と欲のバランス」を保っています。

あきる野市事件と、元野村社員はこのバランスを崩して、犯罪に走ってしまったのですね。

以上

※追加A_沖倉容疑者は姉弟の行方不明後に一部を返済、「明日から毎日、ATM (現金自動預払機) で50万円ずつ引き出して返せる」と周囲に話していたことも判明。 共犯の伊丸岡頼明容疑者 (64) は元暴力団員で同じように借金を抱えていた。 2人はマージャン店で知り合ったといい、警視庁は借金苦で姉弟に目をつけたとみている。
 
五日市署捜査本部の調べや関係者によると、姉弟はあきる野市と土地取引を繰り返して億単位の利益を得ており、「役所内で有名な存在だった」という。

沖倉容疑者はあきる野市を退職後、スナックを経営したが失敗。 知人に貸した1000万円も焦げ付き、借金を繰り返すようになったという。 最近では借金は少なくとも600万円に上り、返済のめどもなかったが、3カ月ほど前から「姉が不動産を売るので借りて返せる」と話すようになったといい、この時期から犯行を計画していたとみられる。

伊丸岡容疑者もやはり借金を抱え、最近、経営していたスナックを閉店。沖倉容疑者とはマージャン店で知り合ったという。
 
沖倉容疑者らは姉弟の口座から計15回で500万円余りを引き出していたとされる。 いずれも ATMを使って、上限額 (大半が50万円) を下ろしていた。
 
姉弟は今月10日から行方不明となり、沖倉容疑者は同14日まで借金の一部を知人らに返済していたが、翌日には「返済を待ってほしい」と話すようになった。 警視庁が捜査を始めたことが明らかとなり、現金を下ろせなくなったためとみられる。
 
また、沖倉容疑者は同19日に知人らと近県に旅行に出かけたが、宿泊代を全額払えず、このころには引き出した現金が底をついたとみられるという。
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※追加1_ 調べによると、れい容疑者と知人で中国人兄弟の蘇春光容疑者 (37) と蘇春成容疑者 (25) は07年5月、野村証券が扱った富士通が富士通デバイスを株式交換で完全子会社とする重要情報を入手し、公表前に7000株を購入した疑い。 3人は同様に内部情報に基づいて計21銘柄を売買し、4000万円前後の利益を得たとされる。
 
兄弟名義の証券口座で行われた株売買は、れい容疑者が昨年12月に企業情報部から香港のグループ会社に転勤した直後にストップした。 同容疑者が企業情報部の内部情報を入手できなくなったことが原因とみられる。
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※追加2_ 関係者によると、東京地検が逮捕したのは、野村証券社員だったリーユ容疑者 (30) のほか、その知人のソシュンコウ容疑者 (37)、ソシュンセイ容疑者 (25) ら3人。 リーユ容疑者とソシュンコウ容疑者は同期間に京都大学に留学しており、ソシュンコウ容疑者とソシュンセイ容疑者は兄弟。
 
リーユ容疑者は、京都大を02年に卒業後、野村証券に06年2月に入社。  M & A (買収・合併) や TOB (株式公開化付け) を手掛ける企業情報部に所属し、07月12月から香港に転勤していた。

証券監視委の調査容疑は、企業情報部でアドバイザー契約を結んでいた富士通デバイスのインサイダー取引。 リーユ容疑者は、富士通が株式交換で完全子会社化することを発表日 (07年5月24日) より前の4月20日ごろに知り、3人で共謀して、5月8日から24日までの間、富士通デバイス株7000株を1170万円で買い付けて6月15日に全株を売却し、約500万円の利益を得た。
 
証券監視委は、3人が富士通デバイスのほか20銘柄についても、06年6月から07年末までにインサイダー取引を繰り返し、5000万円弱の利益を得た疑いを持って調査を進めている。 リーユ容疑者は香港に転勤する直前まで、インサイダー取引を実施していたとみている。 証券監視委は3人の容疑事実を固め、刑事告発する方針。

以上

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