シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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漫画と劇画コミックは永遠に

2021年10月10日 | コミック界を語る
さいとう・たかを氏の作品から
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『ゴルゴ13』などのコミック作品で知られる劇画作家、さいとう・たかを氏が9月24日に亡くなりました。

私が彼の作品を初めて読んだのが、半世紀以上前の貸本漫画誌です。 当時は描画技術が稚拙で、あまり印象に残りませんでした。 しかし その後 漫画を劇画と主張し、描写を細かく リアリティに近づけた描画技術は、手塚治虫に代表される ディズニー風のデフォルメされた漫画とは異なる路線で成功しました。

手塚漫画は、主人公が幼児なのか大人なのか はっきりしないところがあり、ある意味 その “あいまいさが売り” でもあったのです。 例えば『W3 (ワンダースリー)』の中では 両足を失った特殊工作員が、変装で主人公の兄 (大人) になったり、その両足を縮めると子供の主人公になったりというのは、漫画の世界でしか描けないですからね。
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さいとうの成功作『ゴルゴ13』『鬼平犯科帳』は面白く読みました。 前者は80巻以上の単行本を所有しています。

『ゴルゴ13』は今や 何人もの弟子たちが分業で描き、ストーリーは別人が提供しますから、原作者の死後も連載が続いていくことでしょう。 けれど 私は、射殺依頼を受けた主人公が困難を克服しながら依頼を遂行していく過程にはワクワクすると同時に、本来の進行過程には不測の事態が必ず発生し、計画通りには進まないのが普通だろうと想像しています。

ですから 当初の目的通り、任務を達成する主人公は安心して読み進めるのですが、読み終わって「現実は そんなに甘くないよね」という声も自分の頭の中で聞こえるのです。

この射殺依頼は当然 裏世界の話しですが、表世界での射殺も現実にあります。 数千人が死亡した2001年の米同時多発テロを計画した首謀者のビン・ラーディンを、2011年 15人の米軍特殊部隊がパキスタン国内の邸宅で射殺しました。 リアルタイムで作戦を見守る米政権中枢の面々のホワイトハウス内での写真が残されています。 右は邸宅の見取図です。



米政府がゴルゴ13に依頼したら、彼は “1人で遂行” するのでしょうが、米軍は15人の部隊が実行しました。 事前に探った家と同じモデル・ハウスで訓練後、隊長以下 幾つかの侵入路毎のグループに分け、それぞれのグループは突撃とカバーの役割に分けて実行したと推測します。 パキスタンには事後通告でしたから パキスタン政府は主権侵害と非難しましたが、世界からは非難の声は上がりませんでした。
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ところで こうしたコミック文化は、米国と日本が世界の中で特色がありますが、他の国ではあまり盛んではないようです。

なぜなのか と考えると、米国はディズニー映画やスーパーマンなどのコミック誌の影響が大きく、米国のウォルト・ディズニー、日本の手塚治虫という巨人作家の影響が大きいのではないかと思います。 手塚がいなかったら、日本の漫画文化はここまで興隆しなかったかも知れません。

手塚が出るまでは、漫画の世界は幼稚な筋のたわいない読み物で、どちらかというと すぐに忘れられるような、いってみれば 読み捨てにされるような類のものではなかったかと思います。

手塚漫画が出てからは、収集しても読み応えのある、1つのジャンルを確立したといってもいいでしょう。 それからは 多くの作家が漫画の世界に入ってきましたが、他の国には手塚がいないから、なかなか漫画の世界に入る人材が育たないと想像します。

そう、だから ある分野を確立するには、その分野を広く認めさせるような巨人が必要なんだろうと思いますね。 手塚治虫のあと 新たな巨人は出たのでしょうか?

劇画作家という分野を確立した さいとう・たかを氏は、その巨人の1人かも。

今日はここまでです。

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