古都探索日記

奈良や京都の散策日記

バッハのオルガン曲を楽しむ

2015-05-15 12:33:48 | 音楽
 5月13日、朝日カルチャーセンターにて受講。講師は吉田文先生、今回のテーマはオルガン小本 Orgelbucherlein BWV599-644。

 バッハは小さな帳面の各頁にキリスト教歴の順番に待降節からコラールを書き、そのコラールのオルガン編曲を作曲した。採用したコラールは164にのぼる。しかし作曲されたのは45曲のみで未完に終わるが現在でもオルガンの教材として使われている。一般にはオルガン小曲集と訳されているが本来は小本と言うべき。レプリカが回覧されたが横25㎝縦15㎝ほどの小さな本。

 画像をクリックしてください。テキスト(右)とバッハ自筆のタイトルページ。タイトルは礼拝の盃の形をあらわす。

 講義はBWV順に楽譜を見ながら試聴する形式で進む。天から音楽が下ることを表現するためにコラール旋律=定旋律(Cantus firmus)はソプラノに置かれるのがほとんどであり、バス(ペダル)とアルト、テノールの旋律はそのコラールの内容を表す。また各声部によってカノンやフゲッタが作られていることもある。

 たとえばbwv601のテノール声部の分散和音は生誕したイエスの輝きを、bwv603の半音階は受難の予見、bwv608のアルトとテノールの華やかな旋律は生誕を祝って天使が輪舞を踊る様をあらわす。例外的にbwv611では定旋律はアルト(左手)に置かれ表面上は聞こえない。神がキリストに姿を代えて地上に降りたという神秘性を表す。etc

 24曲進み時間となり次回へ。前回同様に五線譜を解剖して内臓されているエピソードを探しだすように進められる講義は大変面白く充実した内容だった。

 ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。

 コラール イエスは、わが喜び Jesu,meine Freude はモテットにも編曲されている。下の各々をクリックして聴き比べてください。

 BWV610 オルガン

 BWV227 モテット(合唱)

 

 

 
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