試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

新京成N800形モハN838[N838F] 3次車 京成千葉線直通色 前期仕様 (行先表示類貼付,スカート位置調整試行)

2019-01-25 23:56:46 | 京成線
油断。

M2c車が竣工次第マイクロエース製新京成N800形N838F京成千葉線直通色前期仕様(3次車:N838F)は出場となる。
京成新3000形3010F現行仕様(3次車:3010F-2)の入場に関連しモハN838,モハN831は分解を経た。
双方ともライトユニットカバーは仮組立に留め直ちに整備へ取り掛かれる態勢を採っている。


新京成N800形モハN838 3次車 京成千葉線直通色 前期仕様(N838F)。

第二次整備の入口に立っているモハN838,モハN831だがN848F現行色(4次車:N848F)と同じくスカート位置が不安定だった。
モハN848,モハN841(N848F)での対策は床板一式を組み直す比較的手の込んだ方法を選択した。
しかし出場後にスカート下垂が再発してしまい根本的解決には至っていない。
1stLOT品から新3000形系列のスカート部品は一貫して台枠による1点支持が採用され続けている。
スカートの支持点を増やせば下垂防止に繋がると考えN838Fで試行へ踏み切る事にした。
入場は現行LOT表示器用プリズムを取り出す際に側面窓セル撤去式で分解を行ったモハN838を先発させる。


入工中のモハN838。

前面窓セル撤去式が採用されなかった理由は単に作業効率の比較
を行うためだけだった。
側面行先表示器部と車体内側嵌合爪の位置関係が厳しいと判りモハN831では前面窓セル撤去式に戻した。
後にモハN838は海側松戸寄側面窓の成形不良が明らかになったため返って都合は良くなっている。
流し込み接着剤で溶着されていた側面窓セルも仮嵌合とし着脱の手間を軽減してある。
側面窓セルの修正を第一工程としたが何れにせよライトユニットカバーは取り外さなければならない。
先ずは前照灯,表示器用プリズムケースを撤去し運行番号,行先表示ステッカー貼付の前段階まで進める。


殆ど溶着されていないに等しい前面窓セル。

前途の通りライトユニットカバーは前回入場当時のまま残されており容易に撤去できた。
モハN838の前面窓セルは車体外側から上端部を押し込むと同時に脱落している。
車体に残る溶着痕は前面窓セル下辺に該当する部分だけにしか見られなかった。
車体への取り付けは従来通りゴム系接着剤に変更し今後の整備性を確保する。
この程度の接着剤痕であれば特別な措置を加えずに復旧が可能であり整形は見送った。
前面窓セルの支持を失った表示器用プリズムケースは自然落下を待つのみで構わない。


下辺の整形を施した側面窓セル(海側)。

海側側面窓セルも確実な嵌合を行っておらず側面行先表示器部への注意は不要だった。
光源角度により一点が煌めく海側松戸寄側面窓はN800形独自の黒色窓枠からかなり浮き立って見える。
当初原因が掴めなかったが側面窓セル単体を仔細に見ると湯口痕の仕上げが非常に雑だと判った。
湯口痕に残るバリのようなものが乱反射を引き起こし側面見附の粗になったと思われる。
本来は凸形だった湯口痕は整形を進めているうちに全て消え失せてしまった。
修正を施した箇所は車体裾側であり車体と側面窓セルの嵌合には影響しない。


[33F],[普通 松戸]:マイクロエース製ステッカー+ジオマトリックス製ステッカー。

海側側面窓セルは修繕が終わり次第直ちに車体へ装着し行先表示類の整備に移った。
種別,行先表示ステッカーはN848Fに先を越されたジオマトリックス製を使用する。
計画では運行番号表示ステッカーもジオマトリックス製を貼付する方向だった。
しかし3色LED表示器編成では運行番号表示のみマイクロエース製ステッカーとする方針を思い出した。
先に出場したN848Fはこの原則から外れてしまったがせっかく貼付したステッカーを剥がすのは憚られる。
新京成形式では唯一の現行仕様であり離合編成もフルカラーLED表示器編成で占められる事から存置が決定した。


組み直し中の床板一式。

一方N838FはN818F京成千葉線直通色前期仕様(1次車:N818F)とプロトタイプが完全合致する。
外観の整合性を取るため運行番号表示ステッカーはマイクロエース製へ変更した。
なお使用したステッカーはN818F付属品より視認性の高いN848F付属品である。
今回は正確に切り出せたものの種別表示器に収まらない皮肉な結果となった。
再用策は採らず外周を一回り小さくした新たなステッカーが代替に充てられる。
これはスカート位置調整に時間を割くための止むを得ない措置でもあった。


クッション付テープによるスペーサーを追設したスカート。

嵌合に手応えの無いライトユニットカバーはそのままに全く手を加えていない床板を試着した。
正規位置へ届かないスカート位置は折り込み済だったが返って症状が悪化する憂き目に遭う。
噛み合わせが悪いと予想していた座席部品や床板には瑕疵が見られずN848Fでの方式も通用しない。
このままでは回着当時よりも見附が悪化してしまうため車体側に設ける予定だったスカート支持点増加策を再考した。
車体裾内側は複雑な整形が成されている上にスカートとの接触部が限られ支持点を増やせない。
残る手段はスカートへの細工しか無くなりどの様に車体と接触させるか検討に入った。




モハN838 [33F 普通 松戸]:運行番号,種別・行先表示ステッカー貼付,スカート位置修正施工)。


モハN818 [17F 普通 千葉中央]:N818F(富士川車輌工業製種別・行先表示ステッカー貼付車)。

床板を車体へ挿入する際はLEDチップをライトユニットカバーのスリットに合わせる必要がある。
床板を斜めにした方が組み込み易いがスカートは前面車体裾に触れそうな位置まで上昇する。
この動きに着目しスカート部品が車体裾と重なる箇所へクッション付テープを貼り付けた。
圧縮されたクッションが車体内側とスカートを押し付ける役割を担い必要以上の下垂は生じなくなった。
但しモハN818(N818F)のスカート位置には達せず十分な対策とは言えない。
加えてクッションは経年劣化により反発力の低下が明らかで応急的な対処となった。


モハN838 点灯試験[33F 普通 松戸]:前照灯(表示器類簡易漏光対策未施工)。


モハN838 点灯試験[33F 普通 松戸]:尾灯(表示器類簡易漏光対策未施工)。


モハN818 点灯比較[17F 普通 千葉中央]:N818F(表示器類簡易漏光対策施工車)。


モハN848 点灯比較[03F 普通 千葉中央]:N848F(表示器類簡易漏光対策施工車)。

モハN838からは新3000形3010F前期仕様(3次車:3010F-1)以来続けてきた表示器用セルへの簡易漏光対策を取り止めた。
富士川車輌工業製,ジオマトリックス製に関わらずマッキーによる塗り潰しでは完全に漏光を抑えられない。
これ以上の対策は思い浮かばず表示器用セルの着脱も手間に感じており廃止となった。
漏光具合はモハN818,モハN848と大して変わっておらず影響は最小限に留まったと思う。
むしろ製品付属品を用いた運行番号表示ステッカーの判読性が劣る事に目が行く。
印刷状態から現行LOT品の起用へ至ったが透過が著しく[33F]表示は強力発光に負けてしまった。


モハN818京成千葉線直通色前期仕様(1次車:N818F)。

余りに差が現れたためジオマトリックス製運行番号表示ステッカーへの交換も検討した。
ただスカート下垂対策が不完全な状況で再びライトユニットカバーを外す気にはなれない。
モハN818は入場を繰り返した経歴を持つもののスカート位置に変化が無いまま現在に至っている。
そのため順次追加されたメーカーによる漏光対策に要因があると推測している。
確実な対策方法が得られるまでマイクロエース製[33F]表示の継続使用が確定した。
1stLOT表示器用プリズム化だけはN818Fに近い点灯色温度となり数少ない収穫になっている。


モハN818+モハN838 (N818F+N838F:1stLOT製品+6thLOT製品)。

なおN818FとN838FのM2c車は床下機器配置に違いがあり目立たないながらも差別化が図られている。
この床板は新3000形3051F現行仕様(7次車:3051F)から使用されており新規部品ではない。
基本的な構造に変更は無いはずだが側面車体裾とスカートの角度は明らかに異なる。
車体と平行に近いモハN818のスカートに対しモハ838は連結面側へ向け傾斜が付く。
モハN818との決定的な違いは通過標識灯,尾灯用プリズム導光部に貼付された遮光テープである。
これがスカート位置を狂わせる原因だと思われるが剥離して良いものか判断に苦しむ。




モハN838+モハN837 (N838F:M2c車+M1車)。

今工程で最初に施工した海側松戸寄側面窓セルの修正は見事な成功を収めた。
側面から整形痕が覗かせる事も無く編成見附を乱す要素は解消されている。
スカート位置調整や運行番号表示ステッカーの課題を抱えたままモハN838は竣工となった。
次に入場するモハN831はモハN838よりスカートの下垂が見られ手こずるに違いない。
モハN837の動力ユニット整備がN838Fに於ける山場との考えは少々甘かったらしい。
今一度構造の再確認を行い既存編成へ水平展開が図れる解決方法を見出したい。
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