試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成500形モハ502[502F] 更新車 晩年仕様 TOMYTEC製TM-05R動力ユニット搭載準備施工:TNカプラーSP後退取付

2018-12-05 21:47:58 | 京成線
欠落。

TOMYTEC製京成500形502F更新車晩年仕様(502F←200形206F:三代目)の第三次整備はモハ502(←モハ206:206F)へ移行した。
非動力車での竣工予定を変更し暫定動力ユニット搭載車に据える。
TOMYTEC製TM-05R動力ユニットのTNカプラーSP対応化はモハ208更新車晩年仕様(206F)に次ぐ2両目となる。


京成500形モハ502 更新車 晩年仕様(502F)。

17m級車体へTM-05R動力ユニットを組み込む際に使用するスペーサーはSサイズしか充てられない。
しかしSサイズスペーサーはアーノルトカプラー併用限定でTNカプラー取付部が無かった。
モハ208(←モハ206:初代)ではMサイズスペーサーを加工しSサイズスペーサー擬化している。
しかしこのままではTNカプラーSPと動力台車が競合してしまいまともな走行は絶望的だった。
そこでTNカプラーSPも大幅に手を加え後退取付にて対応した。
SサイズスペーサーへTNカプラーSP取付部を新設する技量は無い。
よってモハ502もモハ206と同一構造の採用が決定する。


入工中のモハ208,モハ502 (206F,502F)。

入場前にモハ208用動力ユニットに施した工程を確認した。
ところが記録は結果の記載に留まりTNカプラーSP対応化へ至るまでの過程が判らない。
せっかくの前例は全く用を成さずモハ502への動力ユニット搭載に暗雲が立ちこめた。
細工は台枠,Mサイズスペーサー,TNカプラーSPの3箇所だった。
各々現物合わせを行う必要があり工程はTM-05R動力ユニットの搭載準備までに留める。
最終形状の確認及び比較用にモハ208を同時入場させ作業に取り掛かった。


前端を整形した台枠 (上野寄:モハ502用,モハ208用)。

200形の前面窓セルは尾灯レンズが一体成形とされている。
TM-05R動力ユニットは尾灯レンズ部を往なせない構造であり原形では車体へ組み込めない。
支障する台枠前端角部を切り落とし尾灯レンズ部が当たらない経常へ改める。
切断箇所はスペーサー取付孔から外側となる。
モハ208用動力ユニットではクラフトナイフで切断面を整えた様子が伺えた。
大凡の位置を把握できたためモハ502用はニッパーで直接切り落としている。
この施工は上野寄だけで構わなかったが方向を誤り成田寄へ手を着けてしまった。
全ての台枠前端角部を失う結果になったものの車体との嵌合に不都合は無い。


前後で異なるスペーサーを取り付けたTM-05R動力ユニット(モハ502用)。

一旦モハ502の車体へ加工したTM-05R動力ユニットを組み込み問題が無い事を確認した。
次はMサイズスペーサーをSサイズスペーサー擬化する。
残念ながらモハ208でどの様な方法を採ったか記憶が無い。
取り敢えず上野寄:Mサイズスペーサー,成田寄:Sサイズスペーサーを装着し比較しながら整形を進めた。
丸妻と切妻の違いによりSサイズスペーサー擬は運転台側の掻き取り代が増える。
ひとまず双方とも同一形状へ切り出した後に追加施工を行う。


張り出し箇所の一部を切り落としたMサイズスペーサー(上野寄)。

Sサイズスペーサーに比べMサイズスペーサーは台枠端部から大きく迫り出す。
切除に当たってはTNカプラー取付用ボスを存置する必要があった。
始点を車端寄の凹形成形TNカプラー取付部に設け台枠と被らない箇所をニッパーで切り落とす。
山形に残った張り出し部は台枠前端に沿って切断しSサイズスペーサーと揃えた。
上野寄の整形ではSサイズスペーサーを参照したが要領を掴めたため成田寄は直接Sサイズスペーサー擬化している。
連結面側用Sサイズスペーサー擬はこれにて完成形に至った。


完成したSサイズスペーサー擬(成田寄)。

一方上野寄Sサイズスペーサー擬は更にTNカプラー取付部の整形が加わる。
妻板側TNカプラー取付用ボスから先が車体内側と当たってしまい同一形状には出来なかった。
削り取る箇所は存置した凹形成形TNカプラー取付部である。
しかも後退取付の採用によりTNカプラー取付用ボスを残さなければならない。
目視を頼りに平滑面だけをクラフトナイフで削る。
車体との都度嵌合を行いながら台枠が差し障りなく収まるまで繰り返し削ぎ続けた。
上野寄Sサイズスペーサー擬が仕上がったのは施工開始から約35分後であった。
現物合わせにしては順調に進んでいる。
しかしTM-05R動力ユニットのTNカプラーSP対応化はこれからが本番となる。


後退取付対応化させたTNカプラーSP(成田寄)。

動力台車の形状が災いし単なる後退取付対応施工ではTNカプラーSPの取付まで至らない。
17m級車体にTNカプラーSPが取り付けられない主因は動力台車の形状にあった。
物理的にTNカプラーSPフレーム底面と動力台車上部が干渉する事態を防げずメーカーも諦めたと思われる。
Sサイズスペーサー擬でTNカプラーSPの取り付けは可能になったが動力台車との猶予は皆無である。
これの解消にはSPフレームの整形が必要であり大幅な細工は避けて通れない道となった。
先ず後退取付を実現させるためTNカプラーSPの取付部をコ字形に改めた。
存置箇所は前進取付対応施工とは逆の車端寄となる。


手当たり次第に削り取ったTNカプラーSPフレーム底面(上野寄)。

モハ208の装着するTNカプラーSPは車体中央寄を中心にフレーム底面が大きく削り取られていた。
そこで当初からモハ208用TNカプラーSPに近い形状まで持ち込み現物合わせ機会の減少を狙う。
動力台車との干渉対策はフレーム底面に加え復心スプリング支持部周囲まで及んでいた。
ここを薄くしない限り動力台車天面に当たってしまうらしい。
水平方向から見て復心スプリングが約1/5程度覗かせるまで薄型化している。
その他支障すると思われる箇所を削り取った。


モハ502用TNカプラーSP (上野寄,成田寄)。

フレームの他にカバーも凸形部を切断した。
理由は不明だがとにかくモハ208用TNカプラーSPに従うしかない。
整形で不安定になったカバーは嵌合爪に微量のゴム系接着剤を塗布し固定している。
約55分を掛けモハ502用TNカプラーSPが仕上がった。
見てくれこそ悪いが仮装着では動力台車及び車体裾との接触も見られず特に問題無さそうである。
TNカプラーSPの固定は全面的にゴム系接着剤頼みとなる。
台枠への接着剤付着は破損対応を困難にさせるためスペーサー単体での撤去も要求された。
一旦Sサイズスペーサー擬を取り外し底面へゴム系接着剤接着剤を塗布する。
仮合わせを済ませていたTNカプラーSPを貼り付け台枠に戻す。
これで台枠への接着剤進出は防げるはずである。


成功したTNカプラーSP後退取付(上野寄)。

TNカプラーSPはコ字形整形部を車端寄TNカプラー取付用ボスに密着させた。
ゴム系接着剤による固定であるが前進取付の考え方と同一であり耐久性に問題は無いと考えている。
装着は前面車体裾との競合が不暗視された上野寄から行った。
第一次整備時にジャンパ連結器モールド上段を削り取ったTNカプラーSPを流用したお陰でモハ208と同等に収まってくれた。
勢いに乗り成田寄のTNカプラーSP後退取付へと移る。
モハ208では連結器突き出し長が若干不足してしまった。
この結果を踏まえTNカプラーSP取付部のコ字形整形立ち上がりを更に細くした。
切断や開削は危険でありクラフトナイフで削っている。


狭幅化したTNカプラーSPコ字形整形部(成田寄)。

Sサイズスペーサー擬への固定は上野寄に倣った。
上野寄のTNカプラーSPに注意を払い再び車体と動力ユニットを嵌合させる。
コ字形整形部の再整形は上手く行った模様で妻板に対し平行を維持出来た。
なお成田寄は切妻でありジャンパ連結器モールドへの加工は必要としない。
動力ユニットを取り外すと両側のTNカプラーSPは車端寄TNカプラー取付用ボスで押さえられていた。
この位置であれば不意な移動を心配しなくて済む。
後はゴム系接着剤の固着を待つのみとなった。


動力ユニット上側から見える復心スプリング(上野寄)。

TNカプラーSPの取り付けまでに約120分が経過していた。
台枠及びSサイズスペーサー擬への加工を差し引くと約85分がTNカプラーSP関連の細工に充てられている。
TNカプラーSP化されたTM-05R動力ユニットを見直すと無駄な施工も垣間見えた。
闇雲に整形を進めたTNカプラーSPフレーム底面は大雑把過ぎた。
その結果不要な箇所まで削り取られており見直しが求められる。
またカバーの凸形成形部切除も全く意味が無かった。
モハ208では早期に復心スプリング支持部モールドと動力台車の競合が掴めたと予想される。
その前段階としてカバーを整形したのだろう。
フレーム天面は未加工でありカバー凸形成形部との段差も無い。
台枠から復心スプリングが見える構造はモハ208,モハ502を以て打ち切られる可能性が高いと思う。


モハ502への搭載準備が完了したTM-05R動力ユニット (モハ208用,モハ502用)。

ゴム系接着剤が固着し後退取付を施したTNカプラーSPは微動だにしなくなった。
TNカプラーSPの復心スプリング支持部は各方面から手が加えられている。
連結器部品の動作は未加工品と変わらず性能を維持できたと思う。
モハ208用動力ユニットの仕様をほぼ踏襲したモハ502用TM-05R動力ユニットがお目見えした。
半ば仕切り直しの作業となりようやく辿り着いた感が強い。
まだ床下機器部品移設,FS-28(TS-310)動力台車枠取付,ウエイト黒色化が残る。
ひとまず準備加工を区切りとし作業を打ち切った。


モハ502用TM-05R動力ユニットを装着させたモハ208。

モハ502は暫定動力ユニット搭載車であり将来的には非動力車へ復帰する。
何れはモハ500(←モハ206:四代目)に足廻りを譲る予定である。
TM-05R動力ユニットの現物合わせはモハ502でしか行っていない。
個体差が転用時の壁となる可能性が否めなかった。
事前試験としてモハ208へモハ502用動力ユニットを搭載させ嵌合具合を確認している。
その結果モハ208では車体裾とTNカプラーSPの競合等問題点は浮かび上がらなかった。
上手く行けば追加施工無しにモハ500へ転用出来るかもしれない。




モハ502(TOMYTEC製TM-05R動力ユニット搭載準備施工)。


200形モハ208更新車晩年仕様(206F:TOMYTEC製TM-05R動力ユニット搭載車)。

そしてモハ502へTM-05R動力ユニットを仮装着した。
現物合わせを繰り返しただけあり台枠は前面窓セルや車体裾に当たらず組み込めた。
車体不等沈下は発症しておらず現状のまま作業を続行しても支障は無いと思える。
今後台枠に掛かる負荷は床下機器部品移設とウエイト黒色化の2項目となる。
何れも撓ませずに作業を進められるため変形はしないと思われる。
ただ慎重さを忘れず丁寧に加工を行いたい。


モハ502+モハ501 (502F:非動力車+非動力車)。

動力ユニット搭載と引き換えに非動力車用台枠とFS-28(TS-310)非動力車が押し出される。
床下機器部品は流用する方向で座席部品と台枠の溶着は行えない。
加えて加工済の運転台側用TNカプラーSPまで充当してしまった。
従って再非動力車化も手間が掛かる工程と化すのは間違い無い。
502Fを自走可能にするためには致し方ない手段であり先の課題は考えないようにする。
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