試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

新京成8800形モハ8804-2[8804F] 京成千葉線直通仕様 動力ユニット整備(動力ユニット更新:台枠塗装劣化)

2017-09-13 21:34:14 | 京成線
計算外。

動力ユニット整備のためマイクロエース製新京成8800形8804F京成千葉線直通仕様(8804F)が入場した。
8800形は大幅な組成変更が行われ8両編成12本から6両編成16本体制へ改められた。
中でも8804Fは中間車の先頭車化改造やシングルアーム式パンタグラフ化がなされた6両B編成の第一陣である。


新京成8800形8804F 京成千葉線直通仕様。
8804F:8804_6-8804_5-8804_4-8804_3-8804_2-8804_1。

8804Fはモハ8804F-2を除き再入場している。
この製品は何故か非動力中間車の車体高が低く編成見附が悪かった。
モハ8804-5,サハ8804-4,モハ8804-3には金属ワッシャー式車体高嵩上を採用し段差を解消している。
クハ8804-6,クハ8804-1は運転台側TNカプラーSP化,スカート塗装,表示器類間接式減光処理等で幾度も分解した。
ライトレンズ紛失ライト基板不良にも見舞われどちらかと言えば外れを引き当てたと思う。


モハ8804-2 京成千葉線直通仕様(8804F)。

自作のライトレンズや強引に復旧させたライト基板はクハ8804-1へ集約した。
ライトレンズは製品仕様の外嵌式から内嵌式へ変更し紛失防止策を採った。
しかしライト基板は代替品が存在せず何時非点灯になるか判らない状態にある。
将来的な不安が拭えず単品中古製品やジャンク車両を探しているが一度を逃して以降機会に恵まれていない。
クハ8804-1の瑕疵が元で8804Fの走行機会は比較的抑え気味で推移している。


入工中のモハ8804-2。

モハ8804-2用動力ユニットは起動電流が高い他に盛大な騒音を撒き散らす弱点があった。
動力ユニット整備での解消を目指していたが分解前に台枠の異変を感じ取った。
台枠モーター落とし込み部底面の焼付塗装が嫌にべた付いていた。
確認すると既に斑点状の塗装剥離が始まっている。
他形式で見舞われた台枠塗装劣化に再度襲われるとは思わなかった。


塗装劣化の生じた台枠(山側)。

このままの状態では何れ台枠更新を行う羽目になる。
動力ユニットを分解すると底面以外の塗装剥離も明らかになった。
前例を鑑みて悪足掻きはせず台枠更新を即決した。
マイクロエース製18m級動力ユニットは京成3300形増備に備え予備品を確保してある。
このうちギアボックス側受が破損しているKS-131付動力ユニットをモハ8804-2へ転用する。
KS-131動力台車はギアボックス交換に目途が立たず現時点での再登板は厳しい。
よって台枠更新から一歩進め動力ユニット更新へと変更した。


更新される動力ユニット (元モハ3334用,モハ8804-2用)。

KS-131付動力ユニットは京成3300形モハ3334特急成田山号仕様(3344F-3)からの発生品である。
モハ3334現行色が種車であり実質現行LOT品に該当する。
3344F-3は動力ユニット未整備のまま出場した後に4T化された。
転用部品は台枠とモーター一式に限られ当然ながらFS-514動力台車関連は流用となる。
なおモハ8804-2用動力ユニットは恐れていたモーターストッパー未装着品だった。
動力ユニット更新によりモーターストッパー捻出問題は自然解消されている。
ちなみに8000形の動力ユニットは反転装着仕様だったが8800形では順方向に戻っていた。


比較的良好な状態に思えたFS-514動力台車。

3300形用動力ユニットは現行LOTだけありモーター軸の油脂付着は生じていなかった。
そのためモーター軸受部への注油だけで心臓部の整備を終えている。
動力ユニット更新先行によりFS-514動力台車は撤去されていた。
流れで動力台車の整備へ移行している。
FS-514動力台車は余り純正グリスが盛られていなかった。
しかし全体的に薄い膜の様な純正グリスで覆われている様に見える。


茶味を帯びるギアボックス一式。

この様な状態は初で作業の所要時間が全く読めず清掃はクリーナープール浸けを中心にした。
これまでは動力台車と別工程だったスパイラルギア周りの清掃も同時進行させる。
スパイラルギアカバー内側にも純正グリスの膜が目立ったため構わずクリーナープールへ投入した。
スパイラルギアカバー,ストッパー,ギアを分離しユニバーサルジョイントは接続したままにしている。


再び登場した動軸ギア用クリーナープール。

モハ8036京成千葉線直通仕様(8518F)で初登場した動軸ギア用クリーナープールも活用した。
クリーナープール引き上げ後の仕上げに時間が掛からなくなり積極的に用いる方向である。
薄い膜状の純正グリスにも対応できるかが今回の確認項目になった。
なお動軸ギア用クリーナープールは念のためオーバーフロー防止孔を残していた。
前回試用で埋めた方が純正グリス溶解には有利と判断しゴム系接着剤で塞いでいる。


純正グリス除去をクリーナープールに頼った部品群。

今までよりクリーナープール浸けにされる部品が大幅に増えた。
これらの純正グリス溶解を待つ間にギアボックスの清掃を進める。
スパイラルギアカバーとの嵌合部には粘度を保つ純正グリスが残っていた。
ギアボックス内部の清掃に用いた綿棒は茶色い物質が付着した。
やはり膜状に見えたのは劣化した純正グリスだったと思う。
純正グリス除去には然程時間を要しておらず清掃終了と同時に部品群をクリーナープールから引き上げた。


各部の純正グリスを除去したFS-514動力台車一式。

引き上げた部品群はクリーナーを拭き上げた後に歯ブラシで仕上げている。
同時に清掃する部品数が増えたものの歯ブラシを都度持ち替える必要が無くなった。
FS-514動力台車構成品の嵌合順に各部品を仕上げ組立に至る時間短縮を図った。
モハ8804-2では動力ユニット更新を行っているため比較は難しいが更なる整備作業の効率化に繋がっていると思う。
今後の動力ユニット整備入場時には再びクリーナープール中心で整備を進めその効果を確かめたい。


整備を終えたFS-514動力台車。

FS-514動力台車は松戸寄,千葉中央寄を同時進行で整備した。
残る作業は導電板研磨だけになる。
導電板の酸化状況は8000形と同程度だった。
その代わり油脂付着が殆ど無くラプロス#4000で磨き上げた。
研磨粉の除去はクリーナー頼みである。


標準的な酸化度合だった導電板。

工程上最後に廻った導電板磨きだが数少ない弱点はクリーナーの揮発待ちを要する事である。
従来は第一工程だったため動力台車の整備中にクリーナーは乾燥してくれた。
短絡の危険性を含むため入念に拭き上げ暫く放置した後に動力ユニットを組み立てている。
どの時点で導電板研磨を組み入れるかが今後の課題になるだろう。


全清掃工程を終えた動力ユニット。

津川洋行製ホイールクリーナーでの踏面清掃を施し動力ユニットの整備が完了した。
3300形用動力ユニットに交換した効果で撒き散らされていた騒音は収まった。
踏面清掃中に静音化の手応えを得られており原因はモーター軸一式部品にあったのかもしれない。
起動電流も低く変わり性能は間違い無く向上した。
モハ8804-2は現行LOT動力ユニットへの更新へ変更したため従来の性能回復とは理由が異なると思う。


爪嵌合式だったクーラーキセ。

車体嵌合前に松戸寄が浮き気味だったクーラーキセの修正を行った。
8800形のクーラーキセは流し込み接着剤に頼らないマイクロエース製品では珍しい爪嵌合式だった。
残念な事に屋根板厚と嵌合爪長が合っていない模様でクーラーキセが浮き上がったらしい。
分解には有利な爪嵌合式だが8800形に限っては裏目に出たと思う。
修正はクーラーキセ嵌合爪をやや広げ車体に取り付け天井部を押し爪か噛むようにしている。




モハ8804-2(動力ユニット更新,クーラーキセ嵌合修正)。

クーラーキセの浮きは今の所モハ8804-2だけで生じていた。
他車両への波及も有り得るため今後は走行の都度確認を行いたい。
モハ8804-2の動力ユニット更新は終了したが最後の確認項目がある。
8804Fは8804Fは非動力中間車だけ車体高嵩上を施している。
動力ユニット更新によりモハ8804-2の車体高の変化が懸念された。


モハ8804-3+モハ8804-2 (8804F:車体高嵩上施工車+動力ユニット更新車)。

その結果モハ8804-3との差は殆ど生じなかった。
ほぼ入場前と変わらずモハ8804-2の動力ユニット更新は吉と出た。
念のため車体高嵩上が不要だったクハ8804-1とも比較したが答は同じだった。
台枠塗装劣化の不安が解消されモハ8804-2が竣工した。

モハ8804-2の動力ユニットはまさかの台枠塗装劣化を起こしていた。
18m級動力ユニット予備品は京成3300形ではなく8800形で起用の場を得た。
モーターストッパーの手持ちが無く壁に当たるところだったが予備品で回避出来た。
しかし8804Fはクハ8804-1に数々の問題を抱えている。
引き続き単品中古車両やジャンク車両を探し続けようと思う。

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