試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

新京成N800形モハN831[N838F] 3次車 京成千葉線直通色 前期仕様 (表示器用プリズムケース遮光テープ廃止試行)

2019-01-26 22:18:31 | 京成線
英断。

マイクロエース製新京成N800形N838F京成千葉線直通色前期仕様(3次車:N838F)の最終入場車となるモハN831を迎えた。
モハN838(N838F)でのスカート下垂対策は今ひとつ冴えない結果に終わった。
そこでモハN848,モハN841現行色(4次車:N848F)以来疑いを掛け続けてきたライトユニットカバーの嵌合精度改善に目を付けている。


新京成N800形モハN831 3次車 京成千葉線直通色 前期仕様(N838F)。

モハN838が竣工した後にモハN818京成千葉線直通色前期仕様(1次車:N818F)との床板振替を試行した。
するとモハN838車体(6thLOT製品)+モハN818用床板(1stLOT製品)でもスカート下垂が発症する。
この切り分けでスカート位置が落ち着かない要因は車体側にあると判明している。
新3000形系列6thLOT製品ではN848Fが先発入場したがこの時からライトユニットカバーの嵌まり具合に手応えを得られなかった。
諸悪の根源はここにあると読みモハN831の第二次整備で各種対策を試行に移す。
行先表示類へのステッカー貼付まではモハN838と同一手順で進行させライトユニットカバーの嵌合対策に時間を割く。


入工中のモハN831。

モハN831もモハN838と同じく表示器用プリズム捻出入場に伴い仮組立で留めていた。
そのためライトユニットカバーは労する事無く撤去できた。
分解も前面窓セル撤去式にて行われており前照灯,表示器用プリズムケースの取り外しまでは順調に進む。
但しモハN831の受信用誘導無線アンテナはぐらつきが見られ今にも抜け落ちそうだった。
誘導無線アンテナは京成3600形3608F朱帯色後期仕様(1次車:3608F)を引き継ぐ焼き潰しの様な固定方式が採用されている。
現状での溶着は難しくクハ3601(3608F)の送信用誘導無線アンテナの修繕例に倣った。


流し込み接着剤で埋め戻した受信用誘導無線アンテナ取付孔。

車体内側からは2脚嵌合式の誘導無線アンテナ取付孔痕がはっきりと判る。
ここへニードルを刺し込み薄いプラスチックの被膜に微細な孔を貫通させた。
取付孔は漏光と縁遠い箇所に思えたが念のため流し込み接着剤で取付脚もろとも溶着している。
よって受信用誘導無線アンテナへ加工した痕跡は殆ど伺えない仕上がりとなった。
参考までに送信用誘導無線アンテナ取付孔は溶着のみであり万が一の脱落に対応出来る。
続いて前照灯,表示器用セルを車体に残したまま行先表示器類の貼付へ取り掛かる。


マッキーでの塗り潰しが廃止された表示器モールド周囲。

N848Fまでは簡易漏光対策施工のため前照灯,表示器用セルを取り外していた。
この措置はモハN841を以て中止となりモハN838から一項目だけ作業が削減されている。
但しステッカーの切り出し失敗等を考慮し固定化は行っていない。
新3000形系列では表貼りを採用し続けており採寸を誤ると前照灯,表示器用セルの撤去に迫られる。
更にステッカー貼付は圧着を要する事から車体内側のセル支持も欠かせない。
よって分解しての行先表示器類整備は今後も続くと思われる。
運行番号,種別・行先表示ステッカーの貼付は早急に終わらせた。


遮光テープが剥がされた前照灯,表示器用プリズムケース。

窓セルを取り付け即ライトユニットカバーの嵌合精度改善に取り掛かった。
京成新3000形3002F中期仕様(1次車:3002F)との大きな違いは表示器用プリズムケースに貼付された遮光テープである。
遮光テープの厚みがライトユニットカバーを頼りない挿入感にさせていると考えていた。
そこで遮光テープを剥がし3002Fと同様の構造へ戻す。
物理的に押し込み代が増大されライトユニットカバーは奥まで嵌められるばずである。
代わりに乗務員室内への漏光対策が新たな課題に挙がった。
この漏光は3002F以前にリリースされた新3000形系列の弱点であり汎用性の利く手法を検討する。


ライトユニットカバー開口部前端天面に貼付したビニールテープ。

表示器用プリズムケースとライトユニットカバーは車体へ組み込むと密着しなくなる。
この隙間を剥がした遮光テープで埋めれれば都合が良かった。
しかし遮光テープは折り込まれた癖が付いている上にライトユニットカバー開口部を塞ぐだけの長さが足りなかった。
そこで別用途で購入した100円ショップの極薄ビニールテープを持ち出した。
ライトユニットカバー天面の肉厚は僅かしかない。
貼付箇所は運転台側に限られるが裁断と粘着力低下が壁となった。
ビニールテープとライトユニットカバーの材質はいまいち相性が良くない模様でなかなか安定しなかった。
最後は圧着で決着させ車体の組み立てに戻る。


短命に終わったスペーサー追設。

ライトユニットカバーは通過標識灯,尾灯用プリズムケースを撤去して挿入した。
手応えは向上した上に車体から脱落もせず嵌合精度が高まったとの感覚を得ている。
別途取り付けた通過標識灯,尾灯用レンズはスリットに収まるクリック感が伴った。
ここで前照灯,表示器用プリズム導光部へ試験照射を行ったところ漏光は全く起きていなかった。
極細に切り出したビニールテープを貼付しただけの簡便な対策ながら効果は抜群だと思われた。
この施工方法は後に単なる偶然だったと判明し更なる対応を求められる事になる。



モハN831 [33F 普通 松戸]:運行番号,種別・行先表示ステッカー貼付施工。


モハN841 [03F 普通 千葉中央]:N848F(スカート位置修正施工車)。

床板一式は歪み等の問題が見られず組み直したのみとなった。
強いて挙げるならば座席部品と台枠の平行を保つよう心掛けビス締めした程度である。
早速車体と嵌合させスカート位置を確認した。
モハN831は回着当時から車体裾とスカートが離れ気味だったが解消に至った。
まだモハN811(N818F)には及ばないもののモハN841と肩を並べたように映る。
やはり表示器用プリズムケースに追加された遮光テープがスカート下垂に繋がっていたらしい。
この結果を受けモハN838で施工したスカート前部へのクッション付テープ貼付は取り止めている。




モハN831 点灯試験[33F 普通 松戸]:前照灯(表示器類簡易漏光対策未施工)。


モハN831 点灯試験[33F 普通 松戸]:尾灯(表示器類簡易漏光対策未施工)。


モハN838 点灯比較[33F 普通 松戸]:N838F(表示器類簡易漏光対策未施工車)。


モハN811 点灯比較[17F 普通 千葉中央]:N818F(表示器類簡易漏光対策施工車)。

点灯試験は先ず乗務員室内の漏光確認から入った。
結果は満足の行くものとなりビニールテープでの漏光対策施工中と同じ答に至っている。
表示器類に採用したステッカーは[33F]:マイクロエース製,[普通 松戸]ジオマトリックス製である。
なお[33F]表示はモハN838で正規寸法に切り出せたステッカーを縮小の上再用している。
組み合わせは変更していないが何故か運行番号表示器が判読可能になった。
また左右で光束が異なっていた前照灯点灯具合も均等化された。
遮光テープの廃止により前照灯,表示器用プリズムケースへの加重が変わったのかもしれない。
モハN838との差異が薄れ全体の雰囲気は向上したと思う。




モハN838 [33F 普通 松戸]:前照灯,表示器用プリズムケース遮光テープ,スカートスペーサー廃止施工。

思い切って遮光方式を変更した策は吉と出た。
副作用は無くスカート位置調整工程の廃止にも繋がっている。
モハN831の竣工後にN838Fでの漏光対策仕様統一のためモハN838を再入場させた。
ところがモハN838は乗務員室内での漏光を引き起こす。
急遽モハN831を分解したところ貼付したビニールテープはあっさりと剥がれ落ちてしまった。
復旧も上手く行かず極細ビニールテープ式は放棄される。
改めて5mm幅に裁断したビニールテープをライトユニットカバー運転台側前端部へ貼り付けた。
上側2mm程だけ張り出させ表示器用プリズムとの境を覆わせる。
これによりビニールテープの安定性と遮光性能が確保された。
作業簡略化も果たし他編成への波及を計画している。

N838Fで第二次整備を行った車両は何かと手間が掛かった。
モハN837の動力ユニット整備は覚悟して臨めた。
しかしモハN838,モハN831は当初の計画と全く異なる方向へ進んでしまった。
最終的には良い着地点を迎えられたと考えている。
新京成形式の現行仕様はN848Fだけの1編成体制でありN838Fの方が幅広い活躍を見込めると思う。
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