試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

新京成N800形モハN848[N848F] 4次車 現行色 (運行番号・行先表示器ステッカー貼付,スカート位置調整施工)

2019-01-07 22:20:00 | 京成線
初登場。

マイクロエース製新京成N800形N848F現行色(4次車:N848F)の第二次整備はM2c車を残すのみとなった。
京成新3000形を初めとする京成標準車体形式のM2c車はLOT毎に小変更が繰り返されている。
そのためモハN848は第一次整備に続き構造解析を含む工程とした。


新京成N800形モハN848 4次車 現行色(N848F)。

モハN848の整備は行先表示器類へのステッカー貼付が中心となる。
各ステッカーは表貼りとしながらも表示器用セルへささやかな漏光対策を施す。
表示器用セルを撤去するには3pcs構造のプリズムケースを取り外さなければならない。
第一次整備にて京成新3000形3002F現行仕様(1次車:3002F)から基本構造に変更は無いと確認された。
構成部品もこれまでと変わらないように見える。
よってプリズムケース取り出しは従来方式の踏襲が決定した。


入工中のモハN848。

床板を取り外すと最初の変更点が現れる。
ライトユニットカバーは後端部の把手のようなものが切除された形状に戻されていた。
新3000形3001F中期仕様(1次車:3001F)から採り入れられた把手付ライトユニットカバーは便利な様で余り用を成さなかった。
続く3026F現行仕様(8次車:3026F)で一旦廃止となるが3002Fにて復活を果たす。
これで定着するかと思われたがN848Fでは再び姿を消した。
ただ把手の成形痕は残されており今後も変更が繰り返されるかもしれない。


プリズムケースを撤去したモハN848。

3002Fまでプリズムケースの撤去は労さない工程だった。
しかしモハN848のプリズムケースは嵌合が非常に固くなかなか浮き上がらない。
廃止されたライトユニットカバーの把手は取り外しが行い易かったため不要に感じていた。
N848Fこそ把手を残すべきだったと思う。
車体天井とプリズムケース天面は空間が広いため作用点を設けられず梃子の原理が通用しなかった。
止むを得ず指力で後端部天面を起こしライトユニットカバーを通過標識灯,尾灯用プリズムケースごと取り外した。


表示器周囲だけに施した遮光処理。

プリズムケースは前面窓セルで支持されるお馴染みの方式である。
簡便な構造を逆手に取り前面窓セル撤去式でプリズムケースを取り出してきた。
前面窓セルは上部を押し込むだけで脱落するはずだったが傾斜したところで全く動かなくなった。
プリズムケース底面にはバリのようなものがあり前面窓セルの移動代を縮小させている。
車体内側よりバリを避けながら前面窓セルを引き抜いた。
バリのようなものは設計変更か成形不良か区別が付かずモハN841での確認項目となる。


視認性が良いとは言えない製品付属ステッカー。

プリズムケースは嵌合部を持たない落とし込み式であっさりと取り外せた。
前照灯レンズ部と一体成形された表示器用セルは固定されておらず容易く押し出せている。
運行番号,行先表示器モールド周囲をマッキーで塗り潰し強力発光への対抗手段とした。
ただ薄いインク被膜では遮光効果が低く既存編成と仕様を揃えたに過ぎない。
N848Fは3色LED表示器編成であり製品付属ステッカーの発色に不安を抱いていた。
念のため確認したが見難さは変わっていないように思える。


試験用[八柱]表示ステッカーを貼付したモハN848。

これまで3色LED表示器編成には富士川車輌工業製ステッカーを愛用してきた。
しかしN818F京成千葉線直通色(1次車:N818F)で[千葉中央]表示を採用している。
そのためプロトタイプの近いN838F京成千葉線直通色(3次車:N838F)は[松戸]表示にしたかった。
よって富士川車輌工業製ステッカーは起用出来なくなる。
新たにジオマトリックス製新京成線用ステッカーを投入し[松戸]表示の再現に結び付ける算段とした。
本来はN838F用ステッカーだったが入場順都合によりN848Fでの先行採用となった。


ゴム系接着剤で固定した前面窓セル。

京成標準車体形式でのジオマトリックス製運行番号,行先表示器ステッカーは初採用だった。
試験貼付用行先表示ステッカーには使用見込みが無い新京成線内運用の[八柱]表示を用いている。
縦横共に目安線外側を基準としたところ無難な表示に至った。
これに従い[普通 千葉中央]表示を貼付する。
運行番号表示ステッカーは試験貼付を行わず行先表示ステッカーと同様に切り抜いた。
行先表示類の整備が一段落し前面窓セル下部へ微量のゴム系接着剤を塗布してから車体に固定した。


装着感の薄いライトユニットカバー。

後は何時も通りの手順で組み立てを行えば良いと思っていた。
ところがライトユニットカバーを挿入してもいまいち手応えが感じられない。
沈むように収まるライトユニットカバーは正規に取り付けられているか判断に苦しむ程であった。
この何とも言えない嵌まり具合はプリズムケースに追加された遮光テープが原因だと思われる。
僅かな偏位代は分離構造に戻された通過標識灯,尾灯用プリズムケースの挿入をも難しくした。


座席部品との位置関係を修正した台枠。

従来から通過標識灯,尾灯用レンズは車体に嵌まっているかが識別し難かった。
プリズムケースの偏位は通過標識灯,尾灯用プリズムケースまで及んでおり強引に押し込む手法とした。
この方式が拙かったらしく床板を組み付けたところ前面車体裾とスカートには大きな空間が生じてしまった。
床板を頼りにプリズムケースを押し戻す作業も追い討ちを掛け座席部品は台枠に対し斜めになった。
結局床板を分解して修正せざるを得なくなり無理な進行は裏目に出ている。
N848F,N838Fは余り手を広げない方が得策かもしれない。


入場前の位置に近付いたスカート。

幸いウエイト,座席部品,台枠に歪みは見られなかった。
座席部品と台枠は嵌合猶予がありこの範囲内で噛み合わせが崩れたのみに留められていた。
組み直しに当たり先ず何かと暴れ易いウエイトをゴム系接着剤で固定した。
そして座席部品と台枠を挟み付けながら徐々にビスを締める。
取り敢えず床板単体に於ける撓みは解消され座席部品から傾斜が消え失せた。
再度車体へ嵌合させると車体裾とスカートの間隔は製品仕様に近い位置まで戻っていた。




モハN848 [03F 普通 千葉中央]:運行番号,行先表示ステッカー貼付,スカート位置調整施工)。

改善されたとは言えスカートは回着当時に比べ若干車体裾から離れてしまった。
ただ修正前のモハN841ほど酷くはなく十分な前面見附を取り返せたと思う。
むしろモハN848を基準に据えるとモハN841のスカート位置調整は敷居が低くなる。
調整方法もモハN848での施工例が参考になった。
恐らくモハN841用台枠には撓みが残ると予想されこれを乗り越えれば両車の差異は気にならなくなると思われる。
強引な作業が引き起こした余波は丸く収まりそうな気がする。




モハN848 点灯試験[03F 普通 千葉中央]:前照灯(表示器類簡易漏光対策施工,通過標識灯消灯)。


モハN848 点灯試験[03F 普通 千葉中央]:尾灯(表示器類簡易漏光対策施工)。

モハN848は京成形式では初となるジオマトリックス製ステッカー貼付車となった。
視認性は申し分なく3色LED表示器も十二分に再現されている。
ただ繊細な印刷面は注意が必要で予め判っていながら[普通 葉中央]上部の黒色再現を剥がしてしまった。
皮肉にもマッキーでの誤魔化しは強力発光に助けられる。
簡易的な対策では表示器周囲からの漏光を抑えられない。
しかしこれがステッカー断面の乱反射を呼び補修箇所を目立たなくしてくれた。

なお通過標識灯スイッチはスカート位置調整中にOFF位置へと切り替えている。
組み立てた状態より遥かに操作が行い易く同様のスイッチが採用される形式では標準化すると思う。
モハN848の正式竣工を迎えたが作業の進め方は大いに反省しなければならない。
一応仕様変更箇所を把握できたためモハN841の第二次整備は壁が低くなった。
癖を有するライトユニットカバーの取り付けが課題になるだろう。
手応えの無さは仕様であり当初の嵌合位置を確認してから作業を開始する。
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