おバカは散々バカをした
ある日眠りにつけず
家族がそろった
何度も浅い眠りを繰り返した
何度もそのつど何世紀も立っている感覚がした
そして自分自身もすでに死んでいて
この存在はチップがそう感じさせていると錯覚した
何度目かの時
起きたときに家族が優しかった
そのときはじめて大粒の涙が落ちた
壁に名前の文字が浮かび上がり
何人の人が亡くなったと浮かび上がった
静かにねむりについた
壁の文様に監視されているようだった
朝起きて眠るまでの言葉は
全部ひらがなにして解釈を得ると
さまざまな見方ができて
自分の願望を知ることができると
教わった
自分の今から過去が事実で
知ることのできない未来は
確定できないから
地獄の沙汰のとき
時間は逆回転されていく
また出会う人事物はカルマであると教わった
一期一会というが
そうでなくすべてがカルマゆえ業をとかなかったら
それなりの結果になる
あるとき自分の耳だけに
鼓膜が破れるかと思われるほどの
大きな音がはいってきた
実家からどうやって自宅に戻り
どうやって入院したのか記憶がない
なぜこの部屋の何かを知らなければならないのか
歴史の哀しい感覚を味わった
涙がとめどなくあふれそして恐怖した
自死者には宿題がある
それは己のようなものを出さないための
この世界は何重にもなって反映されている
そして現実に何重もの世界もある
この今だけを見ていると
気づかないけど気をつけると
あちらの世界からのメッセージが見える
注意して聴くとメッセージがあり
注意してみるとメッセージがある
いまさかい
