付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「宇宙人相場」 芝村裕吏

2015-01-16 | 時間SF・次元・平行宇宙
「つまり、なるようになる。どうなるかは分からないが、どうにかはなる」
 高野信念の父はそう言った。収入に不安があろうが、家庭を築いて家族を養えないことはない。
 これは、オタク趣味で生きてきた男が、ホーミングレーザーのような嫁をもらうまでの物語。

 日本経済がリーマンショックの影響を受けようとしている中、オタクな会社の社長をしていた高野信念は、偶然に知り合った女性の父親から「契約電流量を最大まで上げておけ」と告げられた……。

 2008年9月に始まるボーイ・ミーツ・ガールな金融工学SFで、ファースト(?)コンタクトもの。鍵となるのはオカマバー。
 作者がもともと重要な情報をさらりと書き流すタイプで行間、言葉の意味をしっかり深読みしないと見過ごす箇所が多い人なのですが、今回は主人公が嫁第一なのでそれが加速。大きなネタも「そんな面白いもの、拡散しないでどうする!?」ではなく、「それよりも今は嫁が大事」でいろいろスルーされてしまっているような。「仕事のチェンジは出来ても、嫁のチェンジはできない」のです。

「金融は人類の発展そのものだよ」
 妙の父がそう言った。 

 でも「脱税を税理士に勧められた」とか言われると悲しい。誰だ、そいつは!?

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