付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「リフトウォー・サーガ」 レイモンド・E・フィースト

2008-03-29 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
 フィーストのリフトウォーについては、そのうち個々の作品について書きたいけれど、まずは総括。
 年代記的な雰囲気があって、毎回主人公が違っているのだけれど、たしか、もとはTRPGのシナリオとかいってなかったっけか? ここらあたりからRPGテイストの強い小説が翻訳されたり執筆されるようになったのだけれど、訳者がゲームに馴染みがない/あるいは読者がゲームに馴染んでないと編集が判断したりすると変に説明的な訳になるので興が削がれるよね。
 この作品だと、山岳地帯に住む背が低い屈強な種族を「小人族」と訳しているけれど、ここは「ドワーフ族」にしてもらいたいなあ……と長年思っていて、最近新装復刊したんで期待してチェックしてみたら、訳文は変わってませんでした……。

 人間の帝国があって、その辺境には妖精族の郷があり、また山岳地帯には小人族も住んでいる。龍は魔法を使えるし力も強いが、数は少なくなり、どこか人知れぬ地にひっそり棲んでいるという。そんな帝国の辺境地帯に出現した謎の兵士は異次元からの侵略者だった……というのが第1作「魔術師の帝国」の話。
 異次元の侵略者といっても、同じ人間で、ただ個人の命より一族の名誉を重んじ、薄い木を貼り合わせて樹脂で強化した固くて軽い防具を身につけており、皇帝は存在するけれど実際はその周囲の有力貴族の一族間の政治的駆け引きで政が進むという……にっぽん、ちゃちゃちゃ☆な世界。
 これが本編3部作に外伝が2本。ところがこの外伝の1つである「王国を継ぐ者」だけ、いきなりハードカバーで刊行されちゃったりしたので泣いたぞ。いきなり高くなるし、本棚にはシリーズが並ばなくなるし。結局、文庫化されたときに買い直すという、まんまとハヤカワ商法にやられたシリーズ(んでもって、復刊でまたイラストがついて構成まで変わるという……)。

 ところで、最後の方のエピソードにお手玉の話が出てくる。
 お手玉2つは案外簡単にできる。4つは難しいけど、できないことはなさそうだ。10個となると名人芸だけれど、誰にも出来ない不思議な技とは思わない。魔法だってそれと同じ。誰にでもできるわけじゃないけれど、できるからって、特別に他の人より優れてるってことじゃない。
 そんな話が記憶に残る作品。とりあえず読むなら「魔術師の帝国」。続きが気になったら「シルバーソーン」「セサノンの暗黒」を一気読みする。これはスターウォーズのエピソード4.5.6と同じ関係。

【リフトウォー】【RPG】

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