付け焼き刃の覚え書き

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「奇想の江戸挿絵」 辻惟雄

2010-10-18 | エッセー・人文・科学
 「ライトノベル」というものの定義はいろいろあるのだけれど、僕は単純に「アニメやマンガのイラストを多用し、中高生を主なターゲットとした文庫の小説」くらいで充分だと思っています。ジャンルではなく「パルプフィクション」と同様、書籍の装幀の形式区分を表しているだけだし、それ以上の定義はできません。中身をあれこれ分析して区分しようったってできないじゃないですか。
 「ラノベ」とくくられても駄作もあれば傑作もあり、ミステリやSFもあれば学園ユーモアや戦記もある。ラノベとしてくくられた作品が装幀を変えて一般文芸として売られることも珍しくありません。主人公の特徴や物語の構造からパターンを読み取ろうとしても、例外はいくらでもあるのです。
 そんな話をしていた流れで「なら『化物語』みたいな講談社BOXはラノベにならないのか」と訊かれ「ならない」と断言しました。だって、あれをいれたら児童向け新書はもちろん江戸時代の絵付き貸本までラノベにいれなければいけなくなり、歯止めが利かなくなるからです。
 そんなこんなで確認するために『奇想の江戸挿絵』を買ってきました。

 おーおー、あるある。
 荒唐無稽でエログロ満載の読み物が、さまざまな工夫を凝らしたイラスト満載で刊行され、時にはエライ人たちからケシカランと弾圧されたりしています。
 まあ、萌えはないけどねえ……。

【奇想の江戸挿絵】【辻惟雄】【黄表紙】【合巻】【読本】【葛飾北斉】【妖怪】

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