
『それが「脚は飾りで必要なんです!」「えらい人にはそれがわからないんですよ!」なんて、舞依が』
英二は長官にそう説明したが、正直自信はない。
藍川英二は37歳のサラリーマン。ダンジョン観光を主催する零細企業の現場主任として、ダンジョン浅層で日々観光客の相手をしている。昔はダンジョンにも年齢制限結界や重火器制限結界などがあり、動員された少年少女が刀剣片手にダンジョンに挑んでは死んでいったものだが、ダンジョンマスターが倒されて年齢制限結界も消え、トラップなども解除された結果、低層にはダンジョン素材や魔素を利用した企業の工場や研究所が建ち並び、観光客がおっかなびっくり物見遊山する光景が普通に見られる。
そんな中、お嬢様学校に通っている英二の姪っ子、朝霧未衣がダンジョン探索の指導をしてくれと言い出した。彼女の通う私立鳳雛女学院はお嬢様学校。ダンジョン部を作ろうと友だちと頑張っているけれど、中学校には指導役を務めるレンジャー資格を持つ教師がいなく、実績を作ろうにも作れないのだ。
しかしその頃、大企業の開発が進むダンジョンで異変が起こりつつあった……。
ダンジョンマスターを倒し、今日の大・ダンジョン時代をもたらした3人の英雄の3人目は誰なのか? 知る者もいないまま20年。ダンジョン探索をになう新しい世代を育てるために中年男が重い腰を上げる話です。つまり、地味なおっさんのカッコいいダンジョン冒険譚。伏線っぽいネタはいろいろあるけれど、一応1巻完結ものとして面白く読めました。
掲示板が世界を救う話でもありますね。
現代ダンジョンものも、冒険者たちの活躍を配信してリスナーが感想を書き込む話も多々あり、この配信を見るリスナーの立ち位置も単なる状況説明役にとどまるものと積極的に物語を動かすものに別れますがこちらは後者。最初は未衣と相棒の月島氷芽を応援する中学生の同級生たちのかしましいやりとりが、やがて世界を救う力になろうとは!?
【『無刀』のおっさん、実はラスダン攻略済み】【末松燈】【叶世べんち】【電撃の新文芸】【カクヨム】【ダンジョン探索者】【レンジャー資格】【ネチケット】
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