付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

★アラン・ドロン

2022-03-07 | 雑談・覚え書き
 フランスの俳優アラン・ドロンといえば70年代の美青年の代名詞で代表作は1960年の『太陽がいっぱい』ですが、当時は平日夜9時からは毎晩のように地上波で洋画劇場が2時間枠(CM抜くと約90分)あったので、特に映画好きでなくても名前とか映画のタイトルは知ってましたね。
 そのアラン・ドロンの1975年主演作が『アラン・ドロンのゾロ』。つまりマッカレーの冒険ロマン活劇、弱きを助け強きを挫く正体不明の覆面ヒーローの正体は!?……という『快傑ゾロ』の映画化です。
 ところで、それに先立つこと10年ほど昔の1964年作品、弱きを助け強きを挫く正体不明の覆面ヒーローの正体は!?……という『黒いチューリップ』なんて作品もありました。

 フランス革命勃発前。剣の達人でもあるギヨーム伯爵は、亡命を企てる貴族から金品を奪う義賊「黒いチューリップ」として裏で活躍していたが、世間との評判とは裏腹に自分の私腹を肥やすのが目的だった。ところがある日、ギヨームは宿敵である憲兵隊長ラ・ムーシュと戦って顔に傷を負ってしまう。このままでは正体が露見してしまうと彼は外観が瓜二つな弟ジュリアンを身代わりにするのだが、ジュリアンはギヨームのお題目を真面目に信じて民衆のために戦い始めた……。

 この話、公式にはアレクサンドル・デュマの同名小説を原作として、ちょいと脚色して使っていることになってます……って、どこが脚色やねん!?
 映画『黒いチューリップ』は、フランス革命前夜、義賊の名を借りて私腹を肥やしていたギヨームが始めた仮面の男「黒いチューリップ」が弟ジュリアンによって真の民衆の味方となるまでの冒険活劇。
 小説『黒いチューリップ』は、オランダ戦争当時、黒いチューリップの品種改良に没頭する青年コルネリウスが罠にはまって死刑判決を受けてしまい、牢番の娘ローザが彼の命を救わんと行方不明の球根を探して陰謀の渦に飛び込む冒険叙事詩。
 ストーリーも、登場人物も、舞台も時代も違うじゃないですか! 黒いチューリップの意味すら違う。
 酷いなー。
 ところで、1975年の日本アニメ『ラ・セーヌの星』には主人公ラ・セーヌの星を助けて謎の覆面剣士「黒いチューリップ」が登場するわけですが、『美少女戦士セーラームーン』のタキシード仮面の原型ともいうべきこのキャラは、明らかに映画版『黒いチューリップ』の方が元ネタだったのでした。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「出遅れテイマーのその日暮... | トップ | 「コワルスキーの大冒険」 高... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

雑談・覚え書き」カテゴリの最新記事