付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「くずばこに箒星」 石原宙

2011-12-28 | 学園小説(不思議や超科学あり)
「ポイ捨てをする人はね、ごみと一緒に何か大切なものも捨ててるの」
 水川小花の言葉。

 グレードチェア制度という序列を活かした独特の教育システムを持ち、専門大学さえしのぐ科学技術の桃源郷である了星学園は、廃業した山奥の遊園地跡にある。
 2ndチェアである福山英知は、主席の生徒会長と取り引きし、おそうじ部への潜入調査をすることになったが、おそうじ部は学園の屑と揶揄される変わり者の集団。その一員となった英知の評価ランキングは見る間にぐんぐん降下し始めて……。

 成績だけでなく、生徒相互の人気投票的なものも含めてランキングがつき、それによって校内での優遇措置が変わるというグレードチェア制度……というだけなら他にもありそうな話だけれど、この作品では上位者に与えられる椅子が本当にびっくりドッキリメカになっているというのがポイント。万能椅子ってやつかな?(ナゾーかゴリのやつね)
 総じて、異名がつくようなヤツにろくなのはいないけれど、よく知り合ってみればそんなに悪くもないのかなという話。

「マイナスにマイナスをかけたらプラスになる。穴があるならさらに掘れ。間違って埋めようものなら、出来上がるのは只の凡人だ」
 福山英知の言葉。欠点なんて克服するものではなく、長所にするべきものなのだ。

「未来予測は簡単よ。どんな未来だって自分の力でそれを実現すればいいだけ」
 福山昏(ふくやま・くらん)の言葉。

 いろいろツッコミどころはあるけれど、変態的にペシミスティックなヒロインの言動になれてしまえば愉しめました。

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