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付け焼き刃の覚え書き

 開設してからちょうど20年。はてなにお引っ越しです。https://postalmanase.hateblo.jp/

「15×24~せめて明日まで、と彼女は言った」 新城カズマ

2009-09-26 | ミステリー・推理小説
「わたしは、わたしだ。
 運命がわたしを思考させる。わたしの思考が運命を選択していく。
 動かないわたしの脚が、活発で行動的なわたしをつくり、今のわたしを突き動かしている」

 自殺しようなんて考えるバカ者は、2回や3回轢いてやろうと西満里衣。

 大晦日の朝、インターネットの自殺志願者の掲示板で知り合った2人が、心中をするために落ち合おうと移動を開始する。だが、1人の少年の携帯電話がスラれたことから、遺言めいたメールが発信されてしまい、それはカーボンコピーされて瞬く間に広がっていく。
 それを受け取った者たちは、それぞれの立場で動いたり動かなかったり。本気で止めようと奔走したり、止める気がないまま騒ぎを煽り立てたり。15人の17歳たちが死に直面する24時間の物語。

 不十分な情報だけが拡散し、恣意的な嘘やサボタージュも加わって混沌としていくだけに見える情報を、交通整理し組織化していく者、ネットの奥深くに侵入してさらなる情報を掘り出す者、当たるを幸いなぎ倒していく者。ほぼ携帯電話とメールだけが情報源という混沌の中から秩序を構築し、矛盾を発見していく手法はまさに安楽椅子探偵型のミステリー。ただし本当にミステリーとなるか、青春小説になるのか、もしかしたらSFやパニック小説になるかはまだまだ予断を許しません。あの何も考えていないけれど勘だけは良いという三橋翔太あたりが台風の目になりそうですが、とにかく続きを期待して……って、もう出てるの? まさか同時発売? 本屋ではまだ商品出しの最中なところから買ってきたけれど、もしかしたらあの箱にlink2も入ってた……?
 
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