付け焼き刃の覚え書き

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「サラリーマン流 高貴な幼女の護りかた 1」 逆波

2019-06-18 | 超能力・超人・サイボーグ
「人の価値観、その大半は親や周囲の環境によって決まるのよ」
 だから、自らの犠牲すら幸福と感じるように、人の幸せを願うように育てるのだと裂海優呼。そういう価値観の者が、1億を超える国民の中で何百かいてもいいじゃないかと。

 毎週刊行される膨大な本をすべて買って読む資金も時間もあるわけじゃなく、特に分厚い本をしっかり読む気力はなくなったので、昨今はライトなノベルが中心です。そして、そのほとんどがウェブ小説発なので、新刊情報を見たらまずウェブでチェックして中身を確認。それ以外でも、日間・週間ランキングあたりの上位は一通りブックマークをつけて読み続けます。それで自分には合わないとか、読んでいるうちに他の作品と区別がつかなくなるものは省きます。悪役令嬢転生ものとか、バーチャルゲームものとか、同じようなのが多いので、よほどキャラが立つとかストーリーが面白くないと読んでいて「これ、どの話だっけ?」となっちゃうんですね。

 趣味は株式投資という金と出世のことしか楽しみがないサラリーマン、出世街道をひた走る榊平蔵はある夜、通り魔に襲われるが、それによって何故か能力が覚醒。命は助かったものの、一般社会では死亡扱いとなり、この国を守る能力者集団『近衛』に放り込まれてしまう。最初は反発する榊だったが、莫大な報酬に目がくらみ了承。
 ところが死者扱いの榊では株式投資も先物買いもできず、億という貯金も現金ではさしたる使い道もなく、彼の生きがいは任務となった高貴な立場にある幼女の護衛と身の回りの世話だけだった……。

 イメージとしてはマンガ『BLEACH』の護廷十三隊みたいな世界にぶち込まれた、武術の経験はないけれどネゴやプレゼンなどビジネススキルだけはやたら高い青年が、甘えることを知らない幼女の世話をし、意識高い幼女に諭され、政治的に危険な立ち位置にある幼女を大陸のスパイやらテロリストから護る話。ボディガードと王女様ものって、小説や映画のジャンルとしては普通にあるけれど、ウェブ小説では珍しいかな。レディース方面ではそれなりにありそう。
 守銭奴にして出世欲の亡者みたいな主人公の転落と再生劇として始まり、そこから11歳ながら国家の象徴として帝の代理としてがんばる幼女との交流が軸となったアクション劇が盛り上がります。1エピソードが切りよく1冊で終わるのも読みやすく嬉しいですね。イラストも内容に合って、かつ手抜きのない仕事ぶりです。

【サラリーマン流 高貴な幼女の護りかた 1】【逆波】【Bou】【オーバーラップ文庫】【異能剣戟アクション】【膝枕】

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