付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「おひとりさま自衛隊」 岡田真理

2010-08-26 | 戦記・戦史・軍事
「武力放棄を謳っている政党本部にも警備員はいる」
 教官の言葉。
 戦争のない世界は理想だけれど、武力放棄をするというなら、何かあったときに自分や家族の身に何が起きても我慢する覚悟が必要だよね。

 日本の自衛隊にも予備役制度があって「予備自衛官補」というのだけれど、著者は酔った勢いで予備自衛官補に応募してしまい、応募した翌日には説明書類が届いてしまいます。
 本職の自衛官の訓練に比べれば簡単で易しいというけれど、それでも訓練はハード。捧げ銃で持つ銃の重さは半端ではありません。本人の意欲はもちろんですが、本来の勤めを休んで訓練を受けることになるので、職場の理解が無くては続けられません。
 重い装備を背負っての行進はあるし、簡単そうに見える匍匐前進も素人には至難の業で、空包射撃だって目の前に置いた雑誌がズタボロになるくらいの威力はあり……と、勢いに任せて飛び込んでしまった、そんなトータル50日の訓練過程の日々を素人女性の目線で書きつづった体験談。
 ここでも、自衛隊の災害出動が年間600件超あり、かつては災害の非常時でも独自の判断で動くことができなかったという記述がありましたが、ぼくも思わず阪神淡路大震災のときのことを思い出しました。
 当時のコミュニケーションの主流はインターネット以前のパソコン通信。よく覗いていたパソコン通信の掲示板にも、朝から各地の被害状況や友人知人の安否情報が交錯していましたが、その中の自衛隊関連情報では「まだ出動命令が出ません!」という現場の声が何度も上がっていました。ちょうど社会党の連立政権時代。
 助けを求めている人がいくらでもいて、助ける力があるのに動くことができないというのは、さぞや悔しかったことと思います。

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