
伐採工事の最中にご神木の下敷きになって死んだ男の前に現れた女神は、建築物を司る神さまと張り合っているので、スカイツリーより高くなったら人間に戻すことを考えてやらんでもない……とか言うと、彼を杉の木に転生させてしまった。異世界ではなく縄文時代転生である。
タイムリミットは4000年。鹿に食われて枯れちゃったり、脆弱な土壌や富士山噴火に苦しみながらも何度も転生し、なんとか200メートルまで大きくなったが、今度は平将門の乱に巻き込まれて焼失してしまう。おいおい、ダメなやつだな、仕方がないな、もう1回チャンスをやろうとまたまた縄文時代に巻き戻されてしまう。
今度はさすがに無理ゲーではクリアできないということで、なんとなくファンタジー能力を追加で授けてくれたのだが……。
異世界転生は世にあふれ、人外転生も山のようにあるけれど、これはちょっと異色の口。これに匹敵するのは畑転生か自販機転生かトラック転生か粘菌転生か豆腐転生かコアラ転生……って、挙げていくと種類は多いよね。それぞれほぼオンリーワンってだけで。
こういうネタの特色は、たいていほどよい長さでまとまっていること。同じ一発ネタでも、モンスター転生だとついつい大長篇になりがちなので、書き手に構成力と飽きられないストーリーテリングが必要となるのですが、ここまでイロモノだと最初から大長篇にしないでオチをつけるように書けるみたいです。
しかし、杉転生まで書籍化されるとは、このリハクの目をもってしても読めなかった!!……でも、まあ、まずいろんなヒロインがいっぱい活躍するのが大事で、主人公の見た目とかどうでもよくとか考えると、杉の大木でもなんにも困りませんね。
ウェブ連載時と比較してかなり書き直しされていて、とりあえず江戸時代の始まりまで。
【転生したら杉でした~目指せ樹高634m! 俺は歴史を眺めて育つ~】【石化】【乃希】【宝島社】【笑撃の転生歴史ファンタジー】【小説家になろう】【経絡秘孔】【大和杉】【平将門】【かぐや姫】【九尾の狐】【風魔忍軍】【ヤマトタケル】【北条早雲】【毘沙門天】