「妾たちがある程度消費しないと下々に金が届かないであろう？ 浪費で家を傾けるのは論外じゃが、ある程度の消費は下々のためなのじゃ」テレーゼの言うのは、いわゆるシャンパンタワーのトリクルダウン理論。ただし、現実世界でなかなか巧くいかないのは、政府が大企業に内部留保を吐き出させようと限度額を設けたり、大企業における賃上げ・投資促進税制を導入しても動きが鈍く、非正規雇用や期間工がなかなか減らず、下請けへの手当てが悪いままという見ての通り。
貴族としての義務というか、紛争を平和裏に解決するため、結局ヴェルとカチヤは結婚することとなり、その式がオイレンベルク領で挙げられた。とはいえ、今回の式典は実家が貧乏貴族の集まりだったので、パーティーもどちらかというとハチミツやマロイモなど特産品の物産展の様相を呈している。
それはともかく、遠征中で結婚式には出席できなかったカチヤの師匠、もうすぐ三十路の魔法使い、ブリザードのリサがやってきた。
大人げないことに、彼女は弟子に先に結婚されてしまって、非常に不機嫌であった……。
２巻続けて、近視眼的に乱入してくるお騒がせキャラの新登場で、ちょっと中だるみ。
他のキャラと違って、あまりストーリーを動かさないんですよね。なんというか、レギャラーメンバー産休による穴埋め要員的な位置づけなので、単に迷惑キャラとしか印象に残らないのです。
【八男って、それはないでしょう！13】【Ｙ.Ａ】【藤ちょこ】【ＭＦブックス】【郵便制度】【生まれたての子鹿】
