人間はおろか精霊や神々とすら戦い、滅ぼしていた暴虐の魔王アノスは、ついに戦いに終止符を打つことにした。戦いの記憶が人々の中に残っているうちは憎しみが憎しみを生み、停戦も和解もありえない。ならば、一度世界を人間界、魔界、精霊界、神界の4つに分け、1000年間閉ざしてしまおう。1000年もすれば、戦いの記憶を持たない世代が育って、互いへの怨恨も消え失せているだろう。
魔王は自らの命を触媒に大魔法を敢行。2000年後の転生を試みた。
アノスの計画は成功した。2000年後の未来では、世界を分けた大戦も歴史上の出来事。けれども、平和なのはいいけれど魔法の技術は衰退し、魔王から見れば赤子にも劣る魔力の者ばかり。しかも始祖たる魔王アノス・ヴォルディゴートの名前が間違って伝わっていた……。
「死んでもギブアップしないと言っていたが、まさか死ぬのが一生で一度きりとでも思っていたか?」
「たかだか心臓を潰したくらいで俺が死ぬと思ったか?」
魔王学院に入学しても規格外と勘違いから不適合者の烙印を押されてしまうところから始まる魔王無双。強すぎる主人公の活躍は加減を間違えると鼻持ちならないマンネリになりかねませんが、ここはストーリー運びの巧さで時代劇にも通じる爽快なお約束パターンに持ち込みました。「××ぐらいで、○○するとでも思ったか?」のくだりは、「この紋所が目に入らぬか?」「この桜吹雪、散らせるもんなら散らしてみろ!」みたいな、お約束の決め台詞ですよね。それを思うと「子煩悩すぎる勘違い母さん」「本音が出すぎるうっかり父さん」も、どちらかといえば時代劇の三枚目ポジですよね。
【魔王学院の不適合者~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う】【秋】【しずまよしのり】【電撃文庫】【小説家になろう】【3秒ルール】【兄弟仲良く】【キノコのグラタン】