
読み終わって最初の感想は、「これ、『遠すぎた橋』と同じじゃない?」。
ちゃんとしたギルドがあり、依頼内容が事前に精査される冒険者たちと異なり、組織を持たないワーカーと呼ばれる者たちがいた。依頼内容の真偽の確認や予備調査を誰かがしてくれるわけではないけれど、良くも悪くも法やきまりに縛られない者たちだ。
そんなワーカーの集団に高額報酬の依頼が舞い込んだ。降って湧いたように出現した未知なる遺跡を探索し、内部を確認してこいというのだ。
不審に思いつつも4つのワーカーの有力グループが集結したのだが、彼らが挑む地下墳墓こそナザリック大墳墓だったのだ……。
見開きのカラーイラストには少数精鋭のワーカーグループ“フォーサイト”のメンバーの活躍シーンと彼らの戦績。そして本文では、歴戦の戦士ばかりの“ヘビーマッシャー”、伝説の老冒険者率いる“グリーンリーフ”、エルフ奴隷をゴミのように扱う不敗剣士のワンマンなグループ“天武”と、それぞれの強さや曲者ぶり、あるいはフォーサイトのメンバーの、ここで一稼ぎしなければいけない理由等が延々と語られるわけですが、すべてが死亡フラグ。
そして予想通り……というか予定通り、後半は大墳墓の守護者たちとの戦いらしきものが始まります。『遠すぎた橋』というか『遠すぎた出口』。南無。
「……世界征服?」
アインズだけが理解していなかったらしいのだけれど、ナザリック大墳墓のNPCや召喚されたモンスター(シモベ)たちの間では、世界を征服することこそアインズに与えられた使命だという共通認識がすっかりできあがっていたのだ。
ウェブ小説版をベースに話が展開しますが、あちらに比べると主人公の間抜けさが激減し、その代わりに黒さと情け容赦無さぶりが増量。でも、会社員時代に身につけた苦労人スキルは健在。勇者モモンの出番も増えました。
【オーバーロード7】【大墳墓の侵入者】【丸山くがね】【so-bin】【エンターブレイン】【WEB小説】【MMORPG】