
これは改訂4版目の内容にダグラス・アンダーソンによる注釈をぎっちり詰め込み、世界各国版の挿絵を転載した山本史郎訳。岩波版との最大の違いは、岩波の瀬田貞二訳では「いとしいしと」と訳していた「my precious」を「僕チン」としているところ。ちょっと訳者が自分の個性を出し過ぎている気がします。
さて、夫婦で再読しての感想は、「ソーリンはやっぱりつき合いにくいドワーフだから、今ひとつ感情移入しにくくても仕方がない」「そうそうスマウグ戦の後には五軍の戦いが控えていたっけ」「やっぱり原作ではあそこで戦闘は起きてないよね」とかあれこれ。
そして各国のドワーフやホビットの挿絵を見ると、描き方はさまざまながら基本的には昔ながらの童話に出てくるこびとたち。映画以後ではまたイメージが変わってくるでしょうね。
【ホビット】【ゆきてかえりし物語】【第4版注釈版】【J・R・R・トールキン】【原書房】【ルーン文字】