
それが慎之介の考える大人の定義。
昔は妖怪と呼ばれていた幻獣は、今もときおり発生しては「幻獣災害」をもたらす。それは銃や戦車をしても対応は難しく、異能の力を持つ「侍」によって討伐されているが、その手が回らないことも多い。
毎年恒例の大災害からの復興記念祭に妹の陽茉莉と参加していた尾張名古屋の下級藩士、設楽慎之介は目前で発生した幻獣災害に巻き込まれてしまう。妹を守るために慎之介は刀を取って戦うことになるが、それは平凡なサラリーマンにすぎない慎之介には使えないはずの士魂の技であった……。
平凡な公務員(藩士)だったアラサー青年が、幻獣対策の特務に所属する幼馴染に頼まれて多額の報酬と引き換えに手助けすることになる話。これにやはり回復の異能を隠していた妹や上司の娘が絡み、気がつけば尾張藩内の隠されていた秘密に巻き込まれることとなります。
作者は『デモンルーラー』の人。幻獣/妖怪が出没する現代日本(ただし幕藩体制)、舞台は尾張藩名古屋。パッとしないサラリーマン(下級藩士)が実は剣の達人、だけどシスコンをこじらせて台無しという話。「半ドン」が生きている世界だ!? 娘可愛さに自重していない自覚のある筆頭家老の鳴瀬様とのやりとりや、日常の仕事での懸案となっている問題が幻獣退治のどさくさでうやむやのまま消えてしまうお約束展開あたりはかなりコメディ調。
『デモンルーラー』と同じ下っ端役人が主人公で、状況はシリアスなのに主人公周辺だけなんかコメディっぽくなるのはその性格ゆえ。気軽に愉しく読める現代剣劇ファンタジー。
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