
生贄として召喚された異世界で、水の大精霊アイザンの後継者となったことで、ソーマは最強の水属性魔導士となった。彼が文字通りの魔王とならなかったのは、アイザンの贖罪とアリスの暖かさに救われたからにすぎない。
自分と親しくする者を害するというのであれば、ソーマは一国を相手に戦い、滅ぼすことも厭わない。それが「戦争をなくし、不幸な子供たちを救いたい」というアリスの夢を叶えることに繋がり、「この世界から召喚魔法を消し去る」というソーマの目的達成のためになるのなら、なおさら躊躇う理由もないし、それを可能とする力もあった……。
この世界から戦争をなくす!といって戦う主人公の物語は過去にもいろいろありましたが、中途半端に高い能力しかないとグダグダになってしまって「わざわざ戦争を泥沼にしなくても」とか「やはり個人でできることには限界が」という展開になりそうなものですが、そこは有無をも言わせない精霊力で立ちふさがる不逞の輩を蹂躙していきます。
そして、最後のウォルの街造りパートは、竜と接触する順番が変わったこともあって、かなりダイジェスト。うーん。ここが楽しいとこなんだけどな、ホワイトクローに仕事を押しつけたり報酬を支払うくだりも端折られているのは、本の構成としては正しいけれど寂しくもあるので、3巻以降、挿話みたいに語られると嬉しいかな。
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