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付け焼き刃の覚え書き

 開設してからちょうど20年。はてなにお引っ越しです。https://postalmanase.hateblo.jp/

「10年ごしの引きニートを辞めて外出したら (4)」 坂東太郎

2018-06-27 | 異世界転移・召喚
 家の敷地を守る謎バリアに欠損が出始めたため、強化方法を求め、戦う行商人ケビンとともに王都へと旅立った。
 その道中、盗賊団に襲われるが、それはアリスたちの村を襲った盗賊団「泥鼠」だった。ユージとヨーコは異世界で初めての人殺しを経験する……。

 新刊で買ったまま1年寝かせていた本をやっと読了。ウェブ版と変わりすぎてしまって、読むのが辛かったのです。
 書籍版では世界から日本へ還る手がかりが見つかりそうな展開になったところで4巻おしまい。5巻完結とのことですが……。

【10年ごしの引きニートを辞めて外出したら (4)】【異世界でエルフに会いました】【坂東太郎】【紅緒】【オーバーラップ文庫】【快適環境で異世界交流する@ホームコメディ】【小説家になろう】【開拓】
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「くじ引き特賞:無双ハーレム権5」 三木なずな

2018-06-26 | 異世界転移・召喚
「おとーさん、すっぽんぽんだ」
 精神空間では、みんな素っ裸なのだ。

 王女イリスに結婚話が降ってわいた。アイギナ王国の王太子に輿入れし、入った者は二度と出ては来られない後宮に入るというのだが、それもこれもメルクーリ国王が秘宝クシフォスを手に入れたいがためだという。
 本人が望まぬ結婚話をぶち壊すには、とりあえず王太子を暗殺するのが一番穏便な方法なのだが……。

 周辺諸国の女王や王女が次々に寵愛の対象となり、質でも数でもハーレム拡充はとどまるところを知らず。そして彼女らが目標とする女性は、カケルと対等に渡り合う豪商デルフィナと、メイドのミウ・ミ・ミュー。最初から登場しているけれど、いちばん目立たないミウこそが、いちばんすごい女性と皆が認める展開に、「そっか、あの屋敷の采配は語り忘れじゃないんだ!」と目から鱗です。

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「くじ引き特賞:無双ハーレム権4」 三木なずな

2018-06-23 | 異世界転移・召喚
 蛮族によって滅んだシラクーザ王国を復刻させようと軍が起きる。旗頭になるのは王族の落胤、宿屋を切り盛りしていた2人の平民の少女。
 しかし、寄せ集めの決起軍はもろすぎて、顔なじみの姉妹を救うべく、カケルは自ら前線に飛んだ。どうせなら、姉妹まとめて女王にするために……。

「そうしたらどうなるんだ?」
(知らん。だから複雑なのだ。が、1つだけ言えることがある)
「なんだ?」
(楽しくなるぞ)


 時代劇とかで、水戸のご老公は最初から天下の副将軍で、剣の腕が立つ貧乏旗本の三男坊は暴れん坊な将軍で、遊び人の金さんは実はお奉行さまで、主人公に最初から武勇と権力が備わっているのは大前提というのは娯楽活劇の王道パターン。そういう意味では紛れもなく王道娯楽小説です。

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「くじ引き特賞:無双ハーレム権3」 三木なずな

2018-06-21 | 異世界転移・召喚

 777倍のチート能力で無双するカケルを取り込もうと周辺諸国が一斉に爵位を授け、カケルは五爵と呼ばれるようになるが、彼の戦いにその場で指揮に組み込まれた各国の部隊ではついていけるものではない。
 そんなカケルの悩みに、伝説の大賢者は中核となる兵士を自前で抱え込めば良いと教えた。今ならそれができると……。

 ということで、すれっからしの傭兵を再訓練するより、やる気と体力だけある奴隷を集めて訓練した方が効率が良いと、女奴隷をかき集め叩き上げる回。そして、突然始まる隣国への蛮族侵入と王家の滅亡。話がとんとんと勢いよく転がり続けます。

【くじ引き特賞:無双ハーレム権3】【三木なずな】【瑠奈璃亜】【GA文庫】【無双ハーレム】【チートハーレムストーリー】【奴隷兵部隊】【二人の女王】
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「くじ引き特賞:無双ハーレム権2」 三木なずな

2018-06-17 | 異世界転移・召喚
 あらゆる能力が777倍になるチート能力を手に入れたカケルだが、戦場で高ぶった777倍の性欲は周囲の女性だけでは収まらず、魔物に挑んで発散させようと魔剣を振り回しているうちに、魔剣エレノアを妊ませてしまう……。

 都合良すぎるチートハーレムも、ここまで来たら理屈を蹴り飛ばして「777倍だから仕方がないよね」と納得するしかありません。とりあえず、みんな幸せだったら、外野がとやかく言うことじゃないよね。

【くじ引き特賞:無双ハーレム権2】【三木なずな】【瑠奈璃亜】【GA文庫】【無双ハーレム】【戦姫】【聖女】【籠の鳥】
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「異世界落語(3)」 朱雀新吾

2018-06-15 | 異世界転移・召喚
「失敗することが失態ではない。失敗した後に功を焦り、周りが見えなくなる事こそ、最も愚かな失態なのだ」
 サイトピア軍エルフドワーフ特別同盟部隊の総隊長イリスの教え。

 一福はただ異世界の風俗や種族に合わせて翻案した落語を演じるだけだ。しかし、それによって長い名前が流行り、伝説の老騎士が復活し、エルフとドワーフが手を組んだのだ。
 イップクの落語は本人の意図しないところで世界を大きく動かし始めていた……。

 ただ、落語を語り演じるだけで、周囲に影響を与え続けるという、天然アジテーター。翻案がうまくいったところも、ちょっと失敗したところも含め、全部ストーリーになっているので、落語とファンタジーを同時に愉しめるお得な1冊です。

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「くじ引き特賞:無双ハーレム権」 三木なずな

2018-06-14 | 異世界転移・召喚
 商店街のふくびきを引いたら特賞が当たってしまった。
 訳の分からないまま異世界へと転移させられることになったカケルだったが、異世界転移の特典を選ぶために引いたクジ引きの結果が「自分のすべての能力が777倍になる」というものだった。
 パワーも777倍、魔力も777倍、性欲も777倍。これは最早ハーレムルートを突き進むしかない……。

 なぜ、どうして異世界転移なのか、なぜ異世界でもクジが引けるのか、気にしなければ愉しめる、努力しないで強くなれるチート系主人公の異世界冒険譚。ランスだって、もうちょい努力する。節目節目に「××がおれの女になった。」みたいな感じで繰り返されるのは、簡単だなーとは思いますが、へんに癖になるんですよね。

【くじ引き特賞:無双ハーレム権 】【三木なずな】【瑠奈璃亜】【GA文庫】【無双ハーレム】【チートハーレムストーリー】【777】
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「ニートだけどハロワにいったら異世界につれてかれた9」 桂かすが

2018-05-28 | 異世界転移・召喚
「善行を積んでおくといいことがあるんだよ。具体的に言うとモテるんだ」
 難民居留地を助けるために私財をなげうったのも、道中の村を無報酬で助けて回ったのも、エルフの国を救った対価を求めなかったのも、決して自分が高潔だったからではないとマサルは反論する。

 人より魔力はあるものの、さすがに使いすぎは不味かったらしく、熱を出したマサルは担ぎ込まれるようにビエルスに到着。
 マサルを休ませて別行動をすることにしたエリザベスは、サティを連れて出奔以来の帰郷をして兄夫婦と再開していたのだが、どうにもこれまでの話を信用してもらえない。1年もしない間に、ドラゴンを倒して、大きな戦争で何度も活躍して、村を開墾して既に経営が軌道に乗っていて、剣闘士大会で優勝して、爵位を手に入れることが内定していて……どう考えても、ホラだかウソとしか思ってもらえないのだ……。

 まだ9巻。でも9巻。巻数はそこそこで、のんびり話が流れているように見えながら、意外に起伏に富んだストーリーがぐいぐいと進んでます。
 主人公が異世界でチート能力で無双する話ではあるけれど、だいたいストーリー内の時間で1ヶ月、巻数にして1巻ごとに1回は死にかけていて、けっこうぎりぎりの戦いやってます。
 使命感もなく、無責任で勝手に生きているようでいて、みんな基本的に真摯で謙虚。
 そして、ついに登場、剣聖バルナバーシュ・ヘイダ。フランチェスカ視点でマサルを視る短編もあって、いよいよ修行編です。

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「異世界道楽に飽きたら2」 三文烏札矢

2018-05-27 | 異世界転移・召喚
「男が女に対して暴力を振るうのは、女を道具だと思っているからじゃないかな。ほら、使い慣れた道具は乱暴に扱うだろう?」
 自分は興味が無くなったら放置するタイプだがと“旦那”。

 異世界に迷い込み、人類の枠を逸脱した力を手に入れた冴えない中年男は、魔人3人娘を使い魔にして気ままに遊び歩いていた。
 彼のもとめるものは「余裕」。のんびりと、好き勝手に放蕩生活を送る男にとって、疫病に冒された村を救うも滅ぼすも、都市に襲いかかる狂信者の前に立ちふさがるも、運河を往く小舟の上で昼寝するのも道楽の1つに過ぎなかった……。

 書籍化の際にウェブ版ストーリーを3人娘の出番を増やして再構成したあおりを受けて、娼婦の姉妹の出番激減。3人娘が表紙に見開きカラーイラスト2枚、モノクロ1枚と露出が多いのに、ネネ姉妹は0というのはあまりに気の毒。次巻以降に期待します。
 この話のポイントは、三十路越えの放蕩男の魔神ぶり。『神にも悪魔にもなれる力』というやつですね。そのどちらに転ぶか、享楽的で極めて不確かな男を、誰がどうやって(意識的にか無意識にかは別として)悪魔にしないよう誘導していくさまが、この作品の面白さの1つかと思います。

【異世界道楽に飽きたら2】【三文烏札矢】【ともぞ】【プライムノベルス】【主婦の友社】【ルービックキューブ】【孤児院】【文通】
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「素材採取家の異世界旅行記4」 木乃子増緒

2018-04-17 | 異世界転移・召喚
 エルフの郷のトラブルに巻き込まれた神城タケルは、封印の祠の調査に赴くことになった。
 しかし、いつの間にかその周辺は魔素が濃厚になりすぎていて、エルフですら一瞬で昏倒する有様。周囲には魔素にあたったか、白骨化した魔物の死骸がごろごろとしていて……。

 女神さま、激オコ!
 今回は特に登場人物紹介に笑い処はなく残念。でも、カニ好きなのは相変わらずで、もう素材採取家ではなく、単なるカニ道楽ですね!

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「トカゲといっしょ(2)」 岩舘野良猫

2018-04-13 | 異世界転移・召喚
「ここでの戦は国内の経済を活性化する立派な公共事業なのです」
 ブラズニア公の戦争観。

 異世界に紛れ込んでしまったハザマは、話の流れで行き場のない攫われてきた娘たちの面倒を見る羽目になってしまい、洞窟衆と呼ばれる徒党を立ち上げることになる。
 盗賊の捕虜にされていた商人や職人の力を借りて、宿場町ドン・デラに商会を開く傍ら、エルフの技術で通信網の整備に着手したハザマだったが、近々勃発するであろう戦争について双方の勢力から加勢を申し込まれてしまう。どちらを受けても断っても角が立つ状況に、開き直ったハザマは、とんでもない作戦を実行に移すことにした……。

 ヒロイン・ポジにつけそうな美女美少女がいっぱい出てくるのに、結局ヒロインの座が空位のまま、そのうちトカゲすらタイトルを見返さないと存在を忘れそうになりますが……面白いは面白いんです。個人の武勇やヒロインの可愛さではなく、ひたすら内政と外交の面白さ難しさを堪能する話になっちゃってます。
 その分、カラーイラストの肌色比率はむちゃくちゃ高いですよね。

【トカゲといっしょ(2)】【岩舘野良猫】【ぴず】【モンスター文庫】【新感覚ダークファンタジー】【小説家になろう】【マッチポンプ】
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「ミリオタJK妹!」 内田弘樹

2018-03-14 | 異世界転移・召喚
「異世界に来てまで女子高生らしさなんて保ってられないですよ」

 その世界では人間の版図は小さな1国に留まっており、それも風前の灯火だった。国王以下重鎮は誰一人戦場から戻らず、王都を竜人族の大軍団に包囲され陥落寸前だったのだ。そこで、王族の最後の生き残りである王女エクレアは、ついに異世界から勇者を召喚する禁断の魔術に手を出してしまったのだが、呼び出されたのは着の身着のままの現代日本の高校生兄妹だった。
 だが、宗也とみぐの兄妹はこの逆境を好機と喜んだ。
 現実世界に居場所のなかった2人には、この敵包囲下に孤立した状況こそ、願ってもない世界だったのだ……。

 冒頭から末期戦が始まる異世界ファンタジー。ミリオタJK妹というけれど、ミリオタなのは兄貴の方であって、妹は単なるワンマン・アーミーだよね? スターリングラードのような戦場を縦横無尽に走り回る女子高生は、まさに水を得た魚。
 末端の戦術的勝利が全体の勝敗に結びつかないというのは常識で、1人の英雄が戦場の片隅で常勝不敗を誇っていても戦争に負けてしまうのはよくある話。それで勝ってしまうと話に説得力とかリアリティがなくなってしまうのだけれど、この話では実戦派ミリオタ妹の戦術的勝利を、頭脳派ミリオタ兄が戦略的勝利に結びつけるという役割分担ができてますが、これ、意外に目新しい気がします。妹は肉体労働、兄は頭脳労働。これでいただくものは同じでございます……って。
 あとは、キャラクター的に潤いが欲しいかなあ。ヘタにコメディリリーフが登場しても浮くばかりだろうけれど、癒やしがないよね。脇を固めるキャラあたりに、もう1枚か2枚か剥けるのが出てくると、もっと面白くなるかと思います。

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「異世界クイーンメーカー」 漂月

2018-03-11 | 異世界転移・召喚
「金貨を貸す者には銅の加護が、銅貨を与える者には金の加護が与えられよう。1枚の銅貨しか持たぬ者が差し出した銅貨こそが、神の門を開く黄金の鍵である」

 塾講師の黒津遥都は深夜の帰宅途中に、気がつけば異世界に迷い込んでいた。
 言葉も分からないまま途方に暮れていた黒津だが、たまたま話のわかるロイツェン大公と知り合ったことから、異邦人のクロツハルトとしてそのまま宮廷で雑用係として働かせてもらうことになった。現代人として基礎教養ができているクロツハルトは順調に新生活に馴染み、紋章官として登用されるようになったが、周囲からの信頼を得たクロツハルトは大公の一人娘マリシェ姫の宮廷教師に抜擢される。
 マリシェは政治も外交も勉強しないわがまま姫様だったが、彼には塾講師で培った現代的な教育方法と「生徒第一」の信念があった……。

 宮廷謀略劇までもいかない暴発が挿話で入ってくるけれど、基本は異色の宮廷教師とわがまま姫様の師弟コンビの教育もの。ひとことでいうと、情けは人のためならず。

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「勇者を辞めた勇者の物語」 ウメ種

2018-03-02 | 異世界転移・召喚
「生きたければ生きるがいい。生きたいなら、護ってやる」

 勇者として異世界に召喚されたユウヤ・シンドウは、常に最前線で戦い続け、この世界に召喚された100人ほどの勇者の中でもっとも魔族や魔物を多く倒した勇者として知られるようになった。
 だが、ユウヤはふいに勇者を辞めてしまった。
 街の片隅でメイドのカルティナと共に何でも屋を開き、食うや食わずの生活が早15年ほど続いていたのだが……。

 勇者の仕事を他の勇者に任せてリタイアし、人外のパートナーを相棒にのらくら暮らしをしていた元勇者が、騎士見習いの女子学生を助けたことからなし崩しに現役復帰に駆り立てられる……という、前作『神殺しの英雄と七つの誓約』によく似た出だしですが、こちらの方がやや軽めかな。

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「ひとりぼっちの異世界攻略」 五示正司

2018-02-27 | 異世界転移・召喚
「普通に無理に決まってるじゃん。どこの世界に森の中でサバイバルして生きていける高校生がいるの? いたとしても、そいつを普通って言わないよね? できることができればいいんだよっ、できないことまで全部やろうとするから無理なんだよ。オタたちのことで怒ってるかって? 怒ってるよ。全部なんてできないのにやろうとするオタたちにも、全員を救うなんてできもしないのにやろうとする委員長にも、できることすらしなかった屑にも怒ってるよ、呆れるのを一周回って怒ってるよ、できないものはできないに決まってんだろ?」

 突然光り、教室に浮かび上がる魔法陣。これはヤバイと咄嗟に逃げ出した遙だが、結局逃げ切ることはできず異世界転移するはめに。
 けれど、転移直前に教室から逃げ出していたために異世界で生きるためのスキル獲得競争に出遅れ、チートスキルは売り切れ。残り物の「ぼっち」「ひきこもり」「にーと」「木偶の坊」「器用貧乏」など不良スキルや称号をまとめて押しつけられ、魔物が跋扈する森の奥へと放り出されてしまう。
 その頃、チートスキルを手に入れて異世界転移したクラスメイト41人の中では、初っぱなから不協和音が鳴り響いていた……。

 最近多いクラス丸ごと異世界転移で、その中でも「強奪」「魅了」スキルとかあってクラスが仲違いする系統の話で、主人公は最弱でどん底に落ちるとこから始まる話なんだけれど、陰鬱とか重いとか殺伐としているという雰囲気があまりないのは、その負の部分を主人公が一手に引き受けて、しかもそれを語りの地の部分でほとんど見せないから。
 だから、一見能天気な異世界チート冒険譚に見えるのだけれど、客観的な委員長あたりの第三者視点になると「なんてことしてるのよ!」になっちゃうのだけれど、そのときには書かれていなかったデメリット、悲惨で陰惨な要素がすべてボケとツッコミに昇華されちゃうので、読む方はストレスフリーで受け止められるのです。
 そんな感じの最弱にして無敵のぼっちの冒険譚。連載している「小説家になろう」では、ついに注意をくらってノクターンに追い出されていますが、書籍版ではどこまでいくか(内容的にも刊行ペースでも)楽しみです。
 書籍化にあたって文章にもかなり手が入っていて「無い」とか「出来る」とか、つい変換しちゃうような言葉も「ない」「できる」にして読みやすくしていますが、「吃驚」は書籍でも「吃驚」なんでここはこだわりなんでしょう。それから「馬鹿」と「莫迦」を使いわけているあたりも、新井素子世代の自分にはストライクです。

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