金曜日に続いて土曜日は旧、木頭村の小見野ダムの上流方面の川底の状況調査、昨日と同じ様に採泥器と言われる道具を利用し川底の表層物質を採取する仕事、採泥器の構造は河川等でクレーンのロープの先に取付けられた「ハの字型」に開いた物を川底に降ろしロープの操作で口を閉めて川底の物質を挟み込み 其れを引揚げる構造と同じ、ワイヤーで引上げた力でスプリング・バネを伸ばし「ハの字型に開いた」状態のバケット?をロープで吊り下げ川底に降ろし、川底に着いた所で穴の空いたオモリをロープに通し手で反動を付けた状態で落とし採泥器に当たる衝撃でワイヤーを解除、その結果、バネの縮む力で口が閉まり内部に挟み込まれたサンプルをロープを引上げて船に引上げる作業、採泥器は人力で上げ下げするするので作業性を考慮して重量が5Kg程度の小型である。
今回の調査ではサンプルは最低でも1箇所で2Kg必要なので機械の上げ下げは一箇所で少なくても6往復程度は必要、今回の採取で一番深い場所は18m位まで機械を下げたので、其の運動量は可也の物、サンプルの状況は泥、泥混じりの砂、砂、砂と小石の混ざった状態、小石のみ状態と採取する場所、其々に多彩、サンプル状態が泥及び泥混じりの砂や、砂のみの場合はガッチリ口が閉まるので一回辺りの採取量は多いので一箇所辺りの回数は少なくて良いのだが、問題は砂と比較的大きい石の場合、採泥器の噛み合う部分に小石を挟むと其の隙間から引上げる時の抵抗や水の流れで粒子の細かい砂の成分は殆ど逃げて落ちてしまい、引上げた状態では小石の2個程度の状態も結構あった。調査ポイントは16箇所有ったので平均すると一箇所につき10回とすると約160上げ下げ動作をした事に成る。
作業は船の上で安定性も悪いので作業性も悪かったが悪い事ばかりで無く、終日、川面に居たので此の暑い時期ではあったが、川風が有り比較的涼しく過ごせた。此れが陸地の照り返しの中だと更に作業効率が悪く参ったと思う。調査ポイント間の移動は船外機付きのボートを走らせたので其の時は非常に涼しかった。私は手間として参加、殆ど役には立たなかったが個人的には参考に成る事は沢山有った。そしてアルバイト代が入るのだから言う事無し、作業場所に寄っては暑かったが山奥の良い空気を吸い一般の人が入れない場所に行けたし、興味有る機械を見る事も出来た。那賀奥のダム湖の景色は仕事柄、若い時から国道を通りながら見て来たが川底の事など想像した事も無かったが今回のアルバイトで川の形態や流れが更に理解出来た。何より良かった事は充実感を感じて一日を終われた事、何せ退職後、自由に好き勝手な事をして過ごせる時間は沢山有るが充実感を感じれる日は少ない。充実感を感じるのは好き勝手なことを自由に遣る事で得られるより、有る制約の中で動き其の制約から時放たれた瞬間に多く感じる様に思う。私は現役時代に退職後の充実した無線三昧の生活に憧れ夢を持ったが退職後のアマチュア無線での充実感よりも現役中の多忙で制約のある中でのアマチュア無線の方が遥かに充実感を感じた。其れは正に其の事なのだろうと思う。