野散 NOSAN 散種 野の鍵 贈与のカオスモス ラジオ・ヴォルテール

野散 のさん  野を開く鍵 贈与のカオスモス 散種 混沌ー宇宙 想像的・歴史的なもののジャンルなき収蔵庫をめざして 

アメリカの小学生が読むアメリカ史 そして日本のアメリカ史研究入門のいくつか その5

2015年08月27日 | オリバー・ストーン、ピーター・カズニック

            ▲『アメリカの小学生が読む歴史教科書』 2005年 Japan Book 定価1500円+税

 

 

アメリカの小学生が読むアメリカ史 そして日本のアメリカ史研究入門のいくつか その5

 

その5は 朝鮮戦争

 

朝鮮戦争の開戦

「マッカーシズムが追いかけた「共産主義者」は、ほとんど想像上のものにすぎませんでした。しかし、その魔女狩りにとても人気のあった理由の1つは、1950年代初期にアメリカ軍が共産主義の軍隊と朝鮮で戦い、冷戦がいっとき熱くなったからです。」

「朝鮮は中国と日本の間の半島に位置する国です。第2次世界大戦以前は、日本が征服した数多くのアジア諸国の1つでした。戦後。朝鮮半島の南側をアメリカが、北側をソ連が占領しました。東ヨーロッパのときと同様、ソビエトは北朝鮮に全体主義国家を作りました。」

「1950年6月、北朝鮮は突然南朝鮮(大韓民国)に攻め込みました。北朝鮮はすぐに韓国の首都ソウルを攻略します。数週間のうちに、南端を除く半島の全体を支配してしまいました。トルーマン大統領は「大韓民国への攻撃により、国際的な共産主義運動は独立国家を武装侵略し、征服しようとしていることが、疑いの余地なく明白になった」と断言しました。国連の他の国々から支持を得て、トルーマンは韓国支援のためにアメリカ軍を派兵することを決意します。」

「共産主義者が侵攻してから3ヵ月後、大規模なアメリカ軍がソウル近郊の韓国の海岸に上陸しました。アメリカと北朝鮮軍の激しい戦争の末、アメリカ軍がソウルを奪還します。アメリカ軍は内陸に向けてさらに進軍したので、北朝鮮軍は撤退し始めました。ついにアメリカ軍は、北朝鮮国内にまで追撃していきました。」

「北朝鮮が韓国を陥落したのと同じ早さで、北朝鮮はアメリカ軍の手に落ちました。10月末にはアメリカ軍は北朝鮮軍中国の国境まで進撃したのです。それはまるで朝鮮の2ヵ国が、米国支持の政府のもとで結合したかのようでした。しかし、その希望を打ち砕くようなことが起きました。共産主義国家の中国が参戦したのです。」

 

朝鮮における勇敢な振る舞いと挫折

「1950年11月末に、中国が攻撃してきました。数十万もの中国兵が北朝鮮に押し寄せ、アメリカ軍を攻撃しました。アメリカ軍はすこぶる劣勢で、半島を押し戻されていきました。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「アメリカ軍司令官ダグラス・マッカーサー将軍は、中国軍がアメリカ軍を北朝鮮から追い出したことに憤慨しました。そして、アメリカが中国本土を攻撃するよう要望しました。トルーマン大統領はそれを拒否しました。トルーマンは中国を攻撃すれば、その同盟国であるソ連との戦争になる危険性があると考えたのです。こんな戦いは第3次世界大戦になってしまうかもしれません。核兵器が使われるでしょうから、前の2つの大戦よりずっと悲惨な戦争になります。」

「1951年6月には朝鮮戦争は膠着状態になりました。中国軍は韓国に突入できず、また、アメリカ軍も、北朝鮮に進軍できませんでした。戦闘は断続的に続き、1953年になって停戦協定が成立しました。朝鮮は今でも2つの国に分けられています。一部のアメリカ人は戦争が明確な勝利で決着しなかったことの失望しました。一方で、朝鮮戦争は成功だったと思った人もいました。アメリカはソ連との戦争を回避しつつ、共産主義の侵略に立ち向かったからです。」   『アメリカの小学生が読む歴史教科書』 (232~235頁)

 

 

つづく



最新の画像もっと見る