讃岐うどんやラーメン食べ歩きと、旅のブログ

讃岐うどんの食べ歩きが好きです。また国内・海外問わず旅が好きなので、ぼちぼち書いていこうと思います。

中華製1セグチューナー、ゾックス「DS-DT310」を広帯域受信機に改造する。

2020-07-30 20:00:00 | 無線・ラジオ・家電・パソコン
 中華製の1セグチューナーが格安で売られていて、ゾックスという横浜の会社が扱っているDS-DT310を購入した。自分が買ったのは、送料込みで千円ちょっとだった。パソコンのUSB端子に接続し、付属のソフトをインストールするとTVの1セグと、FMラジオが聞けるというものだ。


 本体とソフトが入ったCD、それに簡単なロッドアンテナが付属している。外部アンテナ端子が接続できるような変換ケーブルもついているので、必要なものはすべて揃っている。


 TVを受信しようとしたら、添付の簡易アンテナじゃ厳しいだろう。よっぽどTVの送信所の近くとか、ロケーションのいい場所に住んでいない限り、安定した視聴は難しいように思える。あまり知識のない人が買うと「なんだ全然使い物にならないぞ」ということになる。実際、商品の評価には「使えなかった」みたいなコメントも並んでいる。

 安定して使いたかったら、UHFアンテナからのケーブルを分波器で分けて、1セグに入力することになる。昔のVHF-TVのアンテナも立っていて混合していれば、FMも良好に受信できるかもしれない。我が家は、VHF-TVのアンテナは撤去済みだが、FM専用の5素子八木を設置し混合して引き込んでいるので、1セグ・FM共にすこぶる良好に視聴できている。

 ま、専用のソフトを使えば、説明書通りの動作をするのだが、今回は魔改造を加えることにする。実は、この1セグは、チューナー部分に台湾のFC0013というICを使っていて、なんと50MHz~1100MHzくらいを受信可能なほどの力を持っているらしい。

 さらに、復調用のICは、Realtek社RTL2832Uを使っているので、ソフト的に改造を加えると、SDR(ソフトウェア受信機)化することができる。ただし、元々のソフトは使えなくなるので、1セグは見られなくなります。それでもいい方は、続きをお読み下さい。

 詳細は、以下のHPを参照しました。
http://trashbox.homeip.net/nownow/20130316/

 しかし、公開から年月が経っているので、リンクがことごとく切れており、該当のソフトを探すのは困難でした。いろいろ試行錯誤して、SDR化をしたので備忘録として残します。ただし、SDRのソフトは無料なるも開発が続いているようなので、この方法がいつまで有効かは不明です。

 とりあえず、必要なファイルは以下のものです。


①Zadigで、RTL2832Uのドライバを「Universal Serial Bus Devices」にインストールします。付属のソフトで
 インストールしたことがあれば、RTL2832Uは「サウンド、ビデオ、及びゲームコントローラ」の部分にインストールされているはずです。Zadigで失敗したら、元々のドライバを一旦削除してからトライします。間違えて、違うドライバを削除しないように注意しましょう。

Zadig Driverは、以下のHPからダウンロードしました。
https://sourceforge.net/projects/libwdi/files/zadig/


ここで注意するのは、「Options」⇒「List all devices」を選択し、リストの中からRTL2832Uを指定します。もしListになければ、ワンセグチューナーが接続されていないので、USB端子に接続します。

 初期画面は、こんな感じです。


↓ こうなったらOK。


 第一歩は終了です。RTL2832Uは、「Universal Serial Bus Devices」の配下にありますね。なので、元々のソフトでは1セグチューナーを認識できなくなって、動作しなくなります。元に戻したかったら、「サウンド、ビデオ、及びゲームコントローラ」配下にインストールし直す必要があります。←ここが、ポイント。

 次に、SDRのソフトを探しにいきましょう。OsmocomSDRのHPは以下の通りです。
https://osmocom.org/ すべて英語です。オープンソースとなっており、日々開発が進行しているようです。この中から、目的のソフトを探さないとなりません。今回のソフトをダウンロードしたurlは、都度記載しますが、いつまで有効かわかりません。また、ソフトはアップデートされるので、後日試したらうまくいかなかったということは十分にありえます。その時は、試行錯誤して探して下さい。

②SDRSharpのInstaller.exeを探します。以下のHPで発見しました。ちなみに、ここで紹介するソフトは、フリーなのでインストールや使用については自己責任でお願いします。
https://sdrchile.cl/en/


 installer.exeを実行します。インストールが完了するとアイコンがデスクトップに作られます。しかしクリックしてもロゴが一瞬現れて、すぐに消えると思います。

③Pluginを探します。rtl-sdr-64bitは、以下のHPよりダウンロードしました。64bitの最新バージョンを選択します。(自分のパソコンが64bitのため)
https://ftp.osmocom.org/binaries/windows/rtl-sdr/

 解凍したらファイルを全選択し、CドライブにできたSDRSharpのフォルダーにコピーします。この時、同じ名前のファイルがあるのでどうするか?と聞いてくるので、上書きはしません。(これ大事、上書きすると動作しません)

④SDRSharp-x86を探します。以下のHPからダウンロードしました。
https://airspy.com/download/


 全ファイルを選択し、CドライブのSDRSharpフォルダにコピーします。同名のファイルはすべて「上書き」します。(必ず上書き)

 これで、デスクトップのSDRSharpのアイコンをクリックすると、SDRが起動して以下のような画面になります。これは、元々のソフトで対応していなかった、90MHz台の拡張FM帯です。KBCとRKBラジオが見えていますね。復調をWideFMにすると、綺麗な音でラジオが聞こえます。


 ということで、千円ちょっとで広帯域受信機の完成です。Windows10とWindows7パソコンで動作しましたが、Windowsxpは動作不可です。また、ソフトは起動するが動作しない場合は、1セグチューナーを直接パソコンのUSB端子に接続してみて下さい。USBハブを使っていると、動作しない場合があります。 

 業務無線はほぼデジタル化してしまいましたが、マリンバンドやエアバンドは、アナログ波なので高感度で聞こえました。電波法を守って、通信の秘密に関して内容を他人に漏らしてはいけません。FMラジオ以外の電波を聞こうとしたら、アンテナが重要なのは言うまでもありません。

 この1セグチューナーをSDR化するにあたっては、自己責任にてお願いします。状況が変化しても、(この方法で不可であっても)対応は致しかねます。

------------------------------------------------------------------------------
 ゾックス社は、本年(2020年)清算したようです。流通在庫だけになると思うので、1個追加で購入しました。
------------------------------------------------------------------------------
 2021/5/5追記
 Windows7パソコンで動作しなくなり、復旧を試みるも失敗しました。Windows10パソコンでは動作してます。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Hamlog_Ver5.30 にアップデー... | トップ | 根獅子の浜(日本の水浴場五... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (かいちょうだべさ)
2020-07-31 21:12:30
この記事のものとは全く違いますが2度くらいパソコンに繋げるワンセグアダプターを買ったことがありますが、両方とも付属のロッドアンテナではほぼまともな受信は出来ませんでした。

受信出来てもほんの少しでもアンテナの位置が変わっただけで全然ダメとかでした。

やはりこの手のものはちゃんとした屋外のアンテナに繋げないとダメなんだな、と自分自身で結論を出してしまいその後は買う気さえおきません。

これは完全な個人的な考え、意見なのですが「どんなに工夫して新たな物を作ろうとしても絶対に基本や原理は超えられない。超えるには従来の原理がひっくり返る新しい原理の発見が必要。」と昔から信念として持っています。

今回の記事のものでも、スマホに搭載されたFMチューナー、ワンセグチューナーでも例えばオールディスクリートで太い電線を使ったQの高いコイルを並べた昔ながらのチューナーに性能は絶対に勝てないのです。

勝てるのは小型と廉価、生産性だけでしょう。


強くそう思うようになったのは以前の会社でhp(現、キーサイトテクノロジー)の1000万円を超える高周波測定器の事を勉強したからです。全て基本、教科書どおりに忠実に設計された回路はコストダウンの微塵さえありませんでした。

その一つとして高価な高周波測定器の基準発振器は一般的な水晶発振器(OCXO)ではないんです。

ご存知かもしれませんがYIG(イグ)発振器というものを使っています。
発振回路の正帰還回路にYIG共振器を入れるのですが、この共振器はイットリウムアイアンガーネットという金属の球を取り巻く形で数アンペアの電流を流すコイルを置いて、強磁界中で物凄く高いQを実現しているのです。

「これほど原理に忠実な発振器を作ってみたい」と溜め息が出たほどでした。

また測定器級の広帯域発振器はプラマイ電源で作るんですよ。
理由はプラスだけの片電源だとエミッターやソースに抵抗を入れて、交流的アースはコンデンサーで接地しますが、この抵抗やコンデンサー内部の分布定数が広帯域を妨げるんです。

実際の広帯域発振器はベース(ゲート)接地発振回路ですが、プラマイ電源だと一切の抵抗やコンデンサーを介さず直接グランドに落とせるからです。
 
そしてこの手の測定器ってSGでもスペアナでもめちゃくちゃ重たいんですが、その重さの殆どの原因は部品、基板ではなくてユニット事のシールドケースの重さなんです。

シールドケースでと言っても板金ではなくて驚くほど分厚いダイキャストなんです。それが重さの原因なんですね。


広帯域受信機と言えば以前の会社でRZ1というカーオーディオサイズのちょっとカッコイいのがありましたが私も買いました。 
感度や2信号はイマイチでしたがあのサイズであの内容は素晴らしいと思います。

実はこの受信機はある友人が1人で作らされた(ソフト、機構以外)のですが、「この広帯域をこのサイズ、価格はかなり難しい」と悩んでいたのですが、私が「NECのこの広帯域アンプのICを使えばパスコンだけで簡単だよ」と教えてそれを使う事になったのです。

値段はやや高かったですが、確実に性能が出るのでこのICを使った経緯があります。
ただ広帯域アンプのICはS/Nが良くないんですね。
だから2信号が良くなかったんです。

私にとって夢中になる話しで失礼しました。
返信する
アンテナが大事です。 (ブログ主)
2020-07-31 23:34:52
 電波を受信するものはアンテナが大事です。ワンセグチューナーは、販売用のページを見るとUSBに差し込んで、付属の15cm程度のホイップアンテナを挿すと、TVやFMが視聴できるような錯覚を覚えるので、買った人から「実際は使えなかった」とか「問い合わせたら、外部アンテナを接続するように回答され、これは詐欺だ」というようなコメントが書かれてしまいます。

 また、ワンセグなので画質が良いわけではないのが当たり前なのに、「画質がクソだ」みたいなコメントがあるのは、多くの知識のない人が買って後悔しているようです。

 少しの知識があれば、これだけ安いもので1セグ+FMが使えるということは、有難いことです。SDRは、この値段でそこそこの性能の受信機が手に入ることにメリットがあります。144MHz用のGPを接続しましたが、エアバンドやマリンバンドは問題なく受信します。簡易スペアナ機能があるので、未知の周波数で通信が行われていても、リアルタイムに目視できるので、楽に周波数を知ることができるメリットもあります。
返信する

コメントを投稿

無線・ラジオ・家電・パソコン」カテゴリの最新記事