「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)11月28日(日曜日)
通巻第7137号 <前日発行>
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ソロモン暴動続報、火事跡から三名の焼死体
パプアニューギニアも35名の治安部隊を現地へ派遣
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ソロモン諸島の首都での暴動は三日つづき、家を失った多くが難民として別地区へ非難している。放火されたと見られる焼け跡からは三名が焼死体で発見され、事態の深刻さと治安維持のため、豪につづき隣国のパプアニューギニアも治安部隊35名を送り込んだ。パプア部隊は26日に現地入りした。
パプアニューギニアは南太平洋銀行がソロモンに幾つかの支点を出しており、そのうちの一つがATM3台壊されたため、当該支点を封鎖した。
またソガバレ首相の秘密とされた私邸が暴露され、襲撃されたという報道があるが、真偽のほどは不明。
暴動の切っ掛けは最大の人口を誇るマライタ州が、コロナワクチン接種などで差別待遇を受けていることへの不満がたかまり、ソガバレ首相の中国とのべったり関係と、台湾断交に激しく抗議したこととされる。人口70万ひとのうち3%の2万人が中国人である。
ソガバレ首相は「暴動の背後に外国勢力がいる」などと言って、あんに背後に台湾の謀略があるようなニュアンスの言い逃れに終始しているが、中国から受け取ったとされる賄賂に関して、現地の人々の間には鬱屈した不満が堆積していたらしい。
中国外務省はソロモン諸島の暴動を非難する声明をだしたが、まだ救援機を飛ばすまでの段階ではないと判断しているようだ。
過去に中国はリビア、キルギス暴動の折は、特別機を迅速に飛ばして在留中国人を引き揚げたことがある。
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