ホルマリンのマンネリ感

札幌出身苫小牧在住、ホルマリンです。怪しいスポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、一人旅、昭和レトロなどなど…。

三十路記念の旅 西と南の果てへ その13

2024-03-06 00:27:07 | 旅行(道外)2020~
4日目 正午 ~宝石~


最南端広場にあった東屋とベンチで、朝にフェリーターミナルで購入したポークたまごおにぎりを頂く。
お値段は300円ほどだったがズッシリと重く食べごたえがある。そしてやはりスパムは美味しかった。
最南端のカラスたちに見つめられながら一緒に飲むのは沖縄限定のさんぴん茶。ジャスミン茶に近いようで、今回の旅ですっかりハマってしまい飲料水はこれしか買っていない。
果ての景色と共に昼食を満喫し、少し汗ばむ陽気のなか再び出発した。



最南端広場の駐車場から、波照間島随一の景勝地という「ニシ浜」を目指し西へと進む。
ヤギの歩く畑や草原の中を進む一本道は交通量が全くない。
お昼時のためか、畑仕事の休憩中であろう島人が木陰で昼寝していた。


午後0時50分、島一周道路と合流し島の西部をぐるりと半周すると、すぐに「ニシ浜」の小さな案内看板が現れ左折する。
下り坂の向こうにすぐさま美しい「波照間ブルー」の海が見えた。
行き止まりの小さな広場に自転車を停め、高まる気持ちと共に砂浜へと降りてゆく。





今まで見た事のない水色の海が、目の前に広がった。
あまりの絶景に言葉を失う。


ちょうどよく小さな岩陰を見つけたので、砂の上に座り涼ませてもらう。
日本にこんなに美しい場所があったとは。
日陰から眺めた快晴の海はより一層輝きを増し、エメラルドブルーを超えもはや透明である。
何と贅沢な風景だろうか。ここは間違いなく一人、ましてや冬靴で来るところではない。

心地の良い波音に時間を思わず忘れてしまう。
海外にバカンスに来たみたいだ。
足元で見事な巻貝を背負ったヤドカリが、砂から出たり潜ったりしていた。



ここニシ浜は沖縄で最も美しいビーチとも言われているそうだ。
欠航の多い航路に外洋の激しい揺れなど到達難易度は高く、苦難を乗り越えた者しか見られない特別な絶景であろう。
はるか遠く離れた道民の私にとっては、人生で最初で最後の風景かもしれない。
まるで宝石のようなビーチを存分に楽しんだ。
なお、ニシ浜の「ニシ」は波照間の言葉で「北」を意味しているそう。ややこしいな。





午後2時、ニシ浜を後にし、島の中央の集落へ再び戻ってきた。
帰りの船まではまだ2時間以上ある。集落周辺の散策をのんびり楽しむことにしよう。


集落の中にある日本最南端の酒造「波照間酒造所」。
家族経営で泡盛の「泡波」という1銘柄のみ製造しており、生産数が限られているので島内でも出回らず「幻の酒」と言われている。島外ではプレミア価格が付くとも。
今回の波照間滞在中は見つけられなかった。



波照間小中学校の前まで再び来ると、先ほどは気付かなかった「日本最南端の碑」と「蛇の道」のオブジェが描かれた壁画があった。つい先ほど見た風景ながらも感慨深い。
波照間ブルーの海面からはトビウオが跳ね「島を守るのは私たちです 自然を大切に」と力強く書かれていた。


午後3時、集落から島一周道路へと再び出て、まだ通っていなかったフェリーターミナル~最南端広場間を走ってみた。
平坦な道なので、ものの10分程度で最南端広場への一本道に合流。先ほど通った道なので、波照間島一周を一応は成し遂げた事としすぐ引き返した。
戻り際、海の向こうには水平線の代わりに西表の島影が続いていた。あんなに大きな島だったんだな。


次回、最終回。
戻りの船は凄い揺れ。そして北へと帰る。
続く。
コメント (2)
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