ホルマリンのマンネリ感

札幌出身苫小牧在住、ホルマリンです。怪しいスポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、一人旅、昭和レトロなどなど…。

レンタカーで四国一周7日間 その13

2018-06-29 02:51:43 | 旅行(道外)2018~2019
4日目 午後2時。

存分に高知市を観光できたので、そろそろ本日最も楽しみにしていた場所に向かう事にします(*^_^*)。
前日に訪問した愛媛県の凸凹神堂と共に四国最強珍スポットの一つとして、マニアには名高い場所になっています。
私も長らく訪問したかった場所で、今回の四国旅のメインは凸凹神堂とココの観光だと考えていたぐらいです(笑)。
場所は高知市中心部からも近く、車で10分ほどの場所にありました。


大型電気店や飲食チェーン店の並ぶ幹線道路の裏に…。
何やら見たこともない形の建造物が。

・沢田マンション(高知県高知市薊野北町1-10-3)


一見すると立体駐車場のようにも見えますが、敷地面積約260坪の巨大マンションです。
「土佐の九龍城」「土佐のサグラダ・ファミリア」とも例えられるこの建造物、なんと建築に関しては全くの素人である一組の夫婦がコンクリをこね、基礎工事、配管、設備工事など全て独学で自ら造り上げてしまった完全なる手作りマンションなのです!!


鉄筋コンクリート5階(一部6階)建て、部屋数70ほど。もちろん普通のマンションと同様に住民も多くいらっしゃいます。
マンションが建ち始めたのは1971年。製材業を営んでいた沢田嘉農氏(当時44歳)が「自分のアパートを持つ」という夢の実現のため、20歳年下の奥さんと共に作業を開始。なんと土地を購入するや否やきちんとした設計図もなしに、役所へ建築確認を取らずに作り始めてしまったのだという。
10階建て・100世帯」という壮大な構想もと、後に生まれたお子さんたちの手も借りながらマンションはみるみる巨大化。最終的には嘉農氏が亡くなる2003年まで増改築は繰り返され、最終的には未完成(?)のまま現在の状態に落ち着いているというわけです。


建築確認の許可が下りていないため、建築基準法などの関係でハッキリ言うと違法建築という事になってしまうのですが、既に多くの住人が居るため、行政も黙認状態のようです(^_^;)。
まぁ、こんな見るからに丈夫そうなコンクリートの建造物、いまさら取り壊そうとしても無理でしょ……というのが外観をぐるっと見て回った感想(笑)。…いやぁ、それにしてもデカい。
ピョコっと建物から飛び出すタワーのようなものは、マンションの建設中に使用されていたという資材搬入用エレベーターなのですが、なんとこれまでもが完全なる手作りというのだからスゴい。

沢田マンション:略して「沢マン」

こういった特殊な生い立ちを持つ沢田マンションなので、見学者も多いわけで……。
一般の集合住宅ではありますが、ルールを守れば見学OKという事になっています。
もっとも、入居されている方々はマンションの特異性を理解した人や、沢田氏の考えもしくはマンションそのものに魅入られて住んでいる人が多く、見学に関しては理解ある方々が大半のようです。
また、マンション内には部屋を改装した雑貨屋さんやアートスタジオなど、一般の人も利用できる場所もいくつかあるようです。

ということで、いよいよ敷地内へ…。



エントランス部分には、沢田氏が集めた発動機のコレクションが展示。マンションの建設作業に際し、夫婦で日本中から集めた物だといいます。
製材機、発電機、地下水を汲みあげるポンプなど様々な機械を動かすのに活躍し、マンション建設に無くてはならない存在だった事でしょう。
集めた物の中にはスクラップ同然の物もあったそうですが、嘉農氏が自ら部品を作り修理するなどして稼働するようにしたのだとか。…ホント、どこまでもスゴい人物だ。

これは…管理人室??カフェスペース??



カウンターに大家さんと思しき女性がいらっしゃったので、撮影許可をもらうために中に入ってみました。
小さな休憩スペースがあり、コーヒー等が頂けるようです。
隣には沢田マンションに関する書籍や雑貨、さらにオリジナルグッズ(タオル)等を販売するお土産コーナーまでありました。
予想以上に観光客WELCOMEな雰囲気に少々ビックリ。
聞いたところによると、近年では手作りマンションの噂を聞きつけて海外からも観光客がやってくるそうです!!

さっそく記念品のタオル(300円)を購入、合わせて撮影許可も頂きました。
笑顔が印象的な人の良さそうなおばちゃんで、お話ししている時は「沢田夫妻のお子さんかな~」とボンヤリとしか考えていなかったのですが、後々よく考えてみるとあの人、年齢から考えるとマンションを建設した沢田氏の奥様ご本人だったのではないか。
もっと建設当時のお話とか詳しく聞いておけばよかった~~!!(T_T)

マンション一番の特徴である巨大スロープ



建物の周りをグルリと取り囲むように作られたスロープですが、なんと屋上まで車で登っていけるように……という沢田氏のコダワリがあって作られたのだそうです。
以前から拝見していた画像ではスロープがどのような構造になっているのかよく分からなかったので、今日の訪問で本当に屋上まで続いているのか??という事を確かめたいと思います。これは見ものですね(*^_^*)。
…なお、坂の途中には「良心市」なるボックスが。この時はカラッポだったのですが、マンションの住人どうしで何か販売しているのでしょうか?


なお、1階には分岐して地下部分へと降りてゆくスロープがありました。
ワクワクしながら降りてゆくと、なんと地下駐車場が現れてビックリ。
入口部分が狭く、カーブもしているため難易度は中々高めと思われます(実際、出っ張ったコンクリートにぶつけた形跡あり)
壁が分厚くずいぶんと頑丈そうな駐車場ですが、入庫している車は2,3台しかありませんでした……。

スロープを登り、2階へ。



なんと途中で坂が分かれ、マンションのド真ん中(部屋と部屋の間)を突き抜けています!
建物の途中で坂が途切れているように見えたのは、マンションの中心を経由して建物ウラに続いているからだったんですね。なるほど。
…で、裏に回りこんでみると軽自動車が出現してこれまたビックリ!!
断っておくがここは2階部分である。そして沢田マンションにおいて、各部屋の前の広いスペースは玄関兼バルコニーという変わった構造になっている。
故に、この状況を説明すると「バルコニーに車が置いてある」という事になる。
聞いた事ありますか!?「バルコニーに車」って(^_^;)。


廊下の手すり部分は、鉄筋とコンクリートの組み合わせによって意外とオシャレにまとまっている。
かと思いきや、天井を見上げてみると鉄骨丸出しという無骨さ。(^_^)


廊下は複雑に分岐し、思わぬ所に細い通路があったり、折れ曲がる階段がいくつもあったりなど迷路状態。これが「土佐の九龍城」と言われるゆえんなのか……。
各部屋の扉もあちこちに不規則に並んでいるので、いずれの部屋も間取りはバラバラと思われます。
これは部屋の内部も気になってしまいますね…(^_^;)。

次回!沢田マンション(キャッスル)屋上へ!
そこには夫妻が造り上げたワンダーランドが!!

続く。
コメント (2)
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