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ホルマリンのマンネリ感

北海道在住、ホルマリンです。旅行、怪しい珍スポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、昭和レトロなどなど…。

レンタカーで四国一周7日間 その8

2018-06-08 12:13:18 | 旅行(道外)2018~2019
5月11日(金) 午前7時 (3日目!)


おはようございます。3日目です。
道の駅となりのコンビニへ朝食を買いに行ったところ、北海道では見慣れない「らくれん牛乳」なるパック牛乳が売られていたので購入しました。
昨日、この牛乳メーカーの名前が書かれたトラックの廃車も見かけたので、どうやら四国では有名な商品のようですね。

さぁ、今日は朝から張りきって行きますよ!!
今回の四国一周旅行で一番のお目当てと言ってもいいくらいの場所へこれから向かいますからね。
ここ数年、この場所へ行きたすぎて夢に出てくること数回
きょう1日はこの施設の見学に何時間割いても問題の無いようにスケジュールを組んでいます(笑)。
朝8時の開館を待ち、朝イチバンで突入です!


宇和島駅から徒歩10~15分程の閑静な住宅街。
例によって随分と細い道に「凸凹神堂」なる不可解な案内板が現れます。
「本当にこっち??」と不安になりつつ路地を曲がると、突如雰囲気の異なる一画が……。

・多賀神社凸凹神堂(愛媛県宇和島市藤江1340)

多賀神社」という神社の境内に建つ、国内最大級ともいわれる性文化財資料館です。
ここの神社の初代・久保盛丸(モリマル)神主は「性は宗教なり、哲学なり、性は道徳なり、科学なり、性は生命なり、人生なり」の思想のもと「大生殖宗」を開基。息子である久保凸凹丸(←アイマル。なんと本名とのこと)宮司がその教えのもと、性宗教、民族、風俗資料などなど、とにかく「性」にまつわる森羅万象の品々を世界中から収集。現在の資料館開設に至っている訳です。
見学には丸1日を要する…」と誇らしげに謳われているだけあって、その展示物の量はハンパではありません。約20万点とも言われる量の展示物が、専用のビルの1階~3階までビッチリ展示されているというのだから凄い。
故に、今回の訪問では半日滞在を覚悟で見学スケジュールを組んできた次第です。

さっそく境内へ……。

…いきなり国籍不明の石像に迎えられ、異世界へトリップ。
また、見た事のないような南国の植物があちこちに生えていて、境内は薄暗く鬱蒼とした雰囲気です。




本殿……もとい、資料館へ向かう通路の両脇にはこれまた怪しげな像たちが…。
石臼が一面に敷き詰められた「石臼の庭」の一画には「お前とわたしは石臼夫婦 重ねて廻して子を作る」と何ともニクい一文が。

狸の表情もステキですが、右端に注目


古代遺跡風の巨大な石像群

後に資料館で購入したカタログには「韓国石人並列像」と説明がありました。

多賀神社拝殿

年季の入ってそうな石板には、下記ご利益が記載。
陰陽和合夫婦円満 性交三昧法悦神仙 恍惚無我歓喜極楽 肉親成仏人生大悟 性愛至上
…ふふっ。「恍惚無我歓喜極楽」がイイねw

拝殿脇には…巨大なイチモツが(笑)。

…筋がスゴい。(フルパワー状態)
血管まで再現されたものは貴重なのでは。「大陽根依代」とありましたが、ここの神社の祭事などで使われるのでしょうか?大人一人が跨がれる大きさです。



いよいよ資料館へ!

この受付で入場料800円を払って入ります。まさか朝イチから見学者が来るとは思っていなかったのでしょう、境内の掃除をしていた神社の関係者が慌てて走って来てカギを開けてくれました(^_^;)。

さぁ!という事で念願の「凸凹神堂」へ!そのパワフルな内部の様子を皆さんにもお届け!
…といきたいところなのですが。

すみません!
館内撮影禁止!!


不用意に写真を取ってしまうと撮影料2万円取られてしまうというかなり厳しい規定があるようです。しかもスケッチやメモも禁止なのがもどかしい…(^_^;)。
皆さん、申し訳ありませんが下記の簡単な説明のみで勘弁してちょ!

・1階:国内関連
入った瞬間からもう凄い。ズラリと並ぶガラスケース内にはもちろんの事、壁、天井すべてにスキマなく展示がなされておりどこから見ていいのか分からない
ケース内には大小さまざまな陰陽石(チン&マンの形の石)の実物、石像、木像、祭事品、自然奇石、日本全国の民芸品などなど。天井には全国の陰陽石の忠実なスケッチがズラリ。
そのひとつひとつに手書きの丁寧な解説が付いているので、見学には相当な時間を要する。
展示物の9割は息子の凸凹丸宮司が収集された物のようで、壁には凸凹丸宮司ご本人の成り立ちと共に、世界の希少民族と一緒に撮られた写真もズラリと飾られ、本人自ら世界各地に赴いて調査されていた事がうかがえる。

・2階:海外関連
こちらも展示方法は1階と同様。地域ごとの性神像、仏像、工芸品、祭事の品、性に関する民族の風習(割礼など。ちなみに写真つき)が展示。
また、SM関連の品々(鞭や責め具など)や革製ダッチワイフ、更には数千人にも及ぶ陰毛標本等の珍品が目を引く。「なぜこんな所に…」と思わずにはいられない、ビンに入った小指の展示には驚かずにはいられない。
そして、その解説も真面目なだけではなく、思わず「ンフフッ…」と笑ってしまうような、宮司のユーモアというか主観的な要素も入っていたりして、読んでいて飽きる事がない。
宮司は暇さえあれば、その展示品ひとつひとつの解説書の作成に努めていたといい、展示しきれなくなってしまった解説パネルは展示ケース下段に押し込められ山のように…。

・3階:浮世絵・その他
俗に言う「春画」が作者ごとに分けられ、フロア全域にズラリ。原画もあれば拡大コピーした複製もある。また、木版木など貴重なものも。
その他、両性具有(ふたなり)、獣姦(獣とセックス)、現代の「大人のおもちゃ」の展示など興味深いものが多数。
圧巻なのが、小部屋の大部分を占領する「木彫五百性像」!五百羅漢像をもじったもので、なんと全員が結合中!!!とある彫刻家の遺作なのだとか。

お土産がかなり充実

全3冊で揃うという、オールカラーの収蔵品カタログは購入不可避ですな(第1巻、第2巻400円、第3巻500円)。
私はカタログ3冊と、昨年11月の熱海秘宝館で購入できなかった「むかで守」(ヒモを引くと勃起するというナイスな根付)を購入しました。
機会があったら後日改めて紹介しますね(*^_^*)。



館内の写真をお見せできなかった代わりに……。敷地内にあった陰陽石などをどうぞ(笑)




…という事で、結局3時間以上も滞在してしまいました(^_^;)。
滞在中、バイクのライダーがひと組入ってきましたがすぐに出て行ってしまい、ほとんど私ひとりの状態でした。
と言っても、近年ではツアーなどに組み込まれる事もあるようで、決して避けられているようなスポットでは無いようです。道の駅の案内板にも堂々と名前が載ってましたしね。
閑静な住宅街にあるため、開いた窓からは南国の鳥の声だけが静かに響き、なんとも心地の良い空間でしたよ。

次回!宇和島観光ラスト&めざせ四国最南端!
闘牛VR!?

続く。
コメント (4)
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レンタカーで四国一周7日間 その7

2018-06-02 13:42:58 | 旅行(道外)2018~2019



2日目 午後3時45分。

「天狗高原」遊歩道を散策してみる事に。

案内板では「一周約1時間ほど」と記載があったので歩こうか迷っていたのですが、カルスト学習館のおじさん曰く「30分で回れますよ」との事でした。
カルストを突っ切る一本道の途中に駐車場があり、車を停めて高原へ足を踏み入れます。

ドリーネ群

これですよ~!遊歩道を散策しようと思った理由は(*^_^*)。
案内板にいくつも描かれた穴のイラストが少し気になっていたのです。
高原のあちこちに中々に深い穴がいくつもあるのですが、これは石灰岩が水に溶かされて出来たものなのだそうです。
また、中には地中の鍾乳洞の天井が崩落して出来た穴もあるようです。
…という事は、この高原の下に鍾乳洞があるのでしょうか??
残念ながら、穴はすり鉢状になっているため、ここからは地中の様子は見えませんでした…(^_^;)

展望エリアからの眺め

山の麓へ向かって落ち込む急斜面のてっぺんにあるため、目の前に遮る物も無く見事な眺めです。
…先ほど学習館のおじさんが教えてくれてビックリしたのですが、四国はこれほど深い山々が連なっているのにクマがほとんどいないといいます。
現在確認されているのは徳島県の剣山周辺のみで、その数なんと十数頭ほどらしいです。
かつては多くのツキノワグマが居たようですが、駆除などによってここまで減少し、現在では保全団体により数を増やそうという動きもあるという!!
ヒグマ被害に悩む北海道民にとってはビックリですよね(^_^;)。


----------


午後4時15分。

暗くなる前に山を下った方が良い」というおじさんの助言に従い、麓へ降りる事にしました。
急な山道を一気に下って行くのですが、道中にはニホンザルがたくさん!!野生のサルなんて初めて見ましたよ!(*^_^*)
クマはほとんどいないとの事ですが、そのかわりにイノシシやサルなどの小さな哺乳類はたくさん生息しているようです。

標高の急激な変化により耳が変になりつつも、道なりに走ってゆくと小さな集落へと辿り着きました。
ここから集落内の狭い生活道路を延々と走る事になったのですが…。
なんで誰も居ないの??


まだ夕方だというのに、車窓から見る景色の中には人の姿がまったく見えません
山あいの集落のため、車を停めると本当に静かで何も聞こえず。
そして恐ろしい事に、どこまで行っても狭い道から抜け出せねぇ(^_^;)。
延々と続く1.5車線地獄のせいで更に心細くなってきました…(車のラジオもさっきからずっと圏外)


誰か居ないんですかあぁぁぁ!!

山間部をさまよい、ようやく国道に合流!!

…道の駅を見つけたので早速入ると、なぜかスピーカーからはEvery Little Thingの『Time goes by』が流れていて妙に落ち着く
あぁ~ELTや~!なんて良い曲なんや~!


その後は夕暮れの幹線道路をひたすら進み続け…。


午後6時、宇和島市街に到着!!

そのまま中心部のすぐ近くにある「道の駅うわじまきさい広場」に向かい、今日の移動はここまでとしました。本日はここの駐車場で車中泊の予定です。
それにしても…


立派なヤシの木ですねぇー!!!
街中にこんなに健康的なヤシの木が生えている時点で相当ビックリです。
遠くへ来たんだなぁ…。


街のメインストリートには、ご覧の通り更に背の高いヤシの木がズラリと植えられていて圧巻です。
新・日本街路樹100選」にも選ばれた事もあるとか。

道の駅に車を置いて歩いてみると、何とも独特な草木の匂いが…(いい匂いです)。
どこかで嗅いだ事のある匂いだと思ったら、高校の修学旅行で行った沖縄でした!
南国の植物って、他とは違う独特の匂いがあるんですね!(*^_^*)

夕食求めて駅前通りを散策…。

…どうやら宇和島は闘牛で有名な街のようですね!こちらの立派な銅像は駅前広場に堂々と置かれていました。街の外れの公園には闘牛場もあるようです。
明日、どこか闘牛にちなんだ観光スポットにも行きたいですね。

それにしても、駅前にも関わらず通行人がまばらで随分と静か。
暖かな気温も相まって、歩いていると妙に落ち着く街です。

「かどや」にて郷土料理「さつま」を頂く。

せっかくなので宇和島ならではの郷土料理でも食べたいなと思い、駅前通りにあったこちらの和風料理店に入る事にしました。
古くからの名店のようで、入った途端に高級感漂う雰囲気に少し身構えてしまいましたが、件の「さつま」はお値段1000円少々(*^_^*)。

我々の知っている「さつま汁」を想像していたら、出て来たのは麦飯ととろろのような汁。
これは宇和島産の白身魚を麦みそ、ダシと共にすりつぶしたもので、薬味と共にご飯にかけて食べるのだそうです。
お膳に乗っていた小さな説明書きには、下記のような紹介が書いてありました。

どこの家庭にも定着している親しみやすい郷土料理です。麦味噌の素朴な味と薬味がよく調和して、さっぱりとした味わいについつい箸も進みます。
栄養価が高く麦飯にかけて食べるというのが宇和島らしくていい。


↑この紹介文もいい。(笑)。
もっとも、作るのには中々に手間が掛かるという理由で、近頃では家庭で振舞うというよりも「お店で味わう料理」という位置づけになってきているそうですが…。
また、ここ「かどや」のさつまは汁のきめが細かいとの事で地元の方の評価も高いようです。


さて、お味ですが。
添えられた薬味と混ぜて麦飯にかけて食べてみると…。
んん!ひんやりさっぱり、美味い!
濃いみそ味を想像していたのですが、魚とみそが程良く香る薄めの味で、ひんやり冷たい事もあってとても食べやすいです。
微かに酸味もあるなと思っていたら、先ほどの薬味はみかんの皮だったようです。
なるほど~!魚の生臭さを全く感じないのは薬味のおかげなのかな?

大満足。私の選択に間違いは無かったな。
と、味わっている私の顔は「孤●のグルメ」の松重豊ばりに幸せな笑顔をしていたと思います(笑)


食後、近くのアーケード街を散策。



…まだ午後8時を過ぎたぐらいだというのにほとんど人が居ませんよ。
妙に幅広なアーケードと、ひと昔前のまま時が止まっているような店の佇まいが際立ちます。

アーケードを出ると暗くシーンとした商店街が続きます。
一見、物騒な雰囲気かと思いきや、既に夏服の高校生カップルが向こうから歩いてきたり、半袖短パン姿のお兄さんが神社の前でポケ●ンGOをやっていたりします(笑)。

…なんだか、ここ宇和島が今回の旅でいちばん思い出に残りそうだなぁ。
何と言っても、明日は念願の四国最強ともいえる珍スポットの観光を控えていますからね(^-^)。


本日の走行距離:211キロ


2日目、終了。

次回!3日目スタート!
念願の珍(チン)スポットへ潜入します。

続く。
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レンタカーで四国一周7日間 その6

2018-05-31 23:31:48 | 旅行(道外)2018~2019
2日目 午前11時半。


道後温泉を堪能し、おみやげも買い込んですっかり観光客気分のホルマリン。
このまま次の目的地である宇和島市へ向かおうか、それともその前に四国屈指の絶景と言われる四国カルストへ寄り道しようか迷いました。
例によって、今回の旅も細かいスケジュールは全く決めていないのです(^_^;)

カーナビで所要時間などを調べた結果、まずは四国カルストの方へ向かう事にしました。
せっかく今日はこんなに晴れているのだから、天気の良いうちに絶景を拝んでおきたいと思いまして。
ここからの所要時間は2時間30分ほどとのこと。再び深い山間部へ向かっていく事になります。
行くぜ!!

砥部陶街道

中央分離帯に、愛媛県砥部町名物の砥部焼(とべやき)の陶磁器がズラリと!!
平岸のリンゴ並木みたいなものでしょうか(笑)。
事故で突っ込んだらエラい事になりますね(^_^;)。

国道33号線の高規格区間を抜け、三坂峠へ。


新しめの道路を初めて時速80~90キロで走りましたが、いや~、N-BOXちゃん(レンタカー)、中々いいね。
軽自動車なのにストレスなく高速走行が出来ます。騒音も全く気にならず。
最近の軽自動車はみんなこうなのでしょうか?
そして未だにガソリンが3分の2以上残っている事に驚き。これは給油時の燃費計算が楽しみですね。
だんだんとN-BOXちゃんに愛着が沸いてきました(*^_^*)。

八十八か所の「大宝寺」近くのコンビニで昼食を済ませ、車はさらに山奥へ。
いよいよ四国カルスト台地へと通じる山道が始まりました。

平日のせいなのか、あまり車通りの無い山道をウネウネ登って行きます。
休憩で道の途中に車を停めた時、既に周囲には絶景が広がっていました。


こんな景色見たことない…。
なんだろう、こっちの地方は暖かい気候ゆえなのか緑の濃さが全然違う気がします。
そして、昨日の徳島県でも見たような斜面に張りつく集落
一度カーナビの謎な指示のせいで集落の中に迷い込んでしまったのですが、急斜面でUターンするときに車ごと転げ落ちるかと思いましたよ(笑)。


ここまで片側1車線の道路が続いていて安心していたのですが、奥へ進むにつれて、ついに魔の1.5車線が現れてしまいました(^_^;)。
あれれ~、四国カルストは気持ちの良い高原が一面に広がっていると聞いているのですが、さっきからどんどん山が深くなっていますよ。

車通りはそれほど無いものの、昨日と同じように対向車が来た時には道を譲って、譲られてのどちらかです。
そして薄暗いヘアピンカーブが延々と続き、軽自動車といえども車幅をそれなりに気にします(^_^;)。
あぁ~、こりゃ自分の車(普通車)だったらどっか擦って死んでたわ…。


軽のレンタカーを選んだ自分に感謝しながら道をしばらく登り続けてゆくと、道路に覆いかぶさっていた木々が次第に少なくなり、きれいに晴れ渡った空が見えてきました。
これは…目的地は近いか?

最後の坂道を登りきると、木々が無くなって一気に視界が開けました。


午後2時15分、姫鶴平展望台に到着!


これが四国カルストかー!!!


地芳峠を経由し、愛媛県、高知県にまたがり約25キロ続くという四国カルスト。
山口県の秋吉台、福岡県の平尾台と並ぶ日本三大カルストの一つで、3か所のなかで最も標高の高い場所にあります。
そのため、高原からの景色はご覧の通り。晴れているので相当遠くの山々まで見渡せます!(*^_^*)
風はほとんどありませんが、標高が高い故に涼しくて気持ちがいいです♪


カルスト台地を突っ切るように県道383号線が延び、高原の向こうへと続いています。
日本百名道」にも選ばれている道路で、バイク乗りには憧れの道となっているようです。


で、「カルスト」って何ぞや?と申しますと、石灰岩などの岩石で構成された台地が、雨水や地下水によって浸食されて出来た地形のことを指します。大地に飛び出た白い石灰岩柱が独特な景色を作りだしているのが特徴です。
細い道路を進んでゆくと、いくつもの大小さまざまな石灰岩がすぐ脇まで迫ってきます。


すごーい!石灰岩にょきにょき!!
太陽の光を反射して白く輝く岩の数々。高原じゅうに大小の岩が点在するさまは、何やら動物のコロニーを想起させます。
すぐそばには風力発電の風車もそびえ……、って、この風景、けさ見た夢の風景と激似です(^_^;)。
ペンギンだと思っていたアレ、実は石灰岩だったのか…?
という事は、この先にはハゲワシが?(笑)




このあたりは乳牛の放牧地としても有名な場所で、高原のあちこちに黒い牛たちが。
その風景から、四国カルストは「日本のスイス」とも例えられているようです(*^_^*)
それにしても、放牧は春から秋にかけて行われるようですが、牧場主はどこに住んでいるのでしょう?
農業用倉庫のようなものは高原内にありましたが、住居のようなものは見当たりませんでした。
まさか麓の集落から通っている?


この先にある「天狗高原」に向かって、細い一本道がひたすら続きます。
景色を楽しみながらノンビリ進んでいると、石灰岩の影から野生動物がチョロっと出てきました!
コロンとした小型の哺乳類で、目の周りが黒かったのでタヌキかと思いましたが、妙に鼻が長い。
これは…え~っと、アナグマかな??


坂道のてっぺんまで登りきり、再び車から降りて高原を見渡してみます。
いやホント、なんて気持ちのいい場所なんだ…。
これはレンタカーじゃなくてエリオくん(愛車)と来たかったですなぁ。

車の脇でボーっとする私に興味を持ったのか、一頭の牛がノソノソ近づいてきました。
うはははは、驚くかな?とライトをパッシングさせてイタズラしてみたのですが無反応でした(^_^;)。

高原を突っ切ると「カルスト学習館」がありました。

せっかくなので、中へと入ってみることに。
この辺の散策ルートについて調べたかったのもありますが、何といっても先ほどの動物が何なのか分かるかも…と思いまして。

入り口から入ると、いきなりガラスケースに入った剥製たちが。そしてその中に、すっかりくたびれたタヌキの剥製が…。
いや、似てはいるけどタヌキとはちょっと違うんだよな~。

剥製を見ていると、隣の事務所から作業服を着たおじさんが出てきました。
どうやらこの施設の案内係をされている人のようです。
北海道から来たと告げるといつも通りのビックリな反応をされましたが、つい先日も北海道の学生が自転車でやってきたとの事でした(*^_^*)。
自転車とは…、あの狭い峠道を延々登って来たんでしょうね…。感服しますm(__)m

案内係のおじさん、地図を開いてカルスト台地の散策ルートを丁寧に解説してくれたので、ついでに先ほどの野生動物についても聞いてみました。
やはりこの辺には固有種のアナグマがおり、私がさっき見たのもアナグマだと思うとの事でした。
館内を案内され、展示されているアナグマの写真を見てみると…。
うっははwさっき見たのと同じだ!

通常、アナグマは夜行性であまり姿を現さないそうですが、この辺のアナグマは警戒心が弱く、日中でもノソノソ道路に出てくるらしいです。

外のバルコニーへと案内してくれました。



この辺りは標高1400メートルあるらしく、なんと四国の半分が見渡せるらしいです。
四国最南端の足摺岬も、鋭く尖った室戸岬も、私がこれから向かう宇和島方面もみんな見えます。
山の向こうにうっすらと海が見えましたが、気温が低い時にはもっとハッキリと海面を見ることが出来るといいます。
反対に、天気が悪い時には高原全体が雲に覆われて真っ白……。

おじさんは麓の集落から、毎日車で30分ほどかけてここまで登って来ているといいます。
指さす方を見下ろしてみると、確かにはるか下の方に家々がポツポツと見えました。


ここからは本当に何でも見えるんだなぁ……。


思わず「素晴らしい場所ですね」とつぶやくと
本当にここは素晴らしい場所。いつも静かだしね…」と嬉しそうな笑顔を見せていました。
この高原を心から愛しているんだな、というのが、その笑顔から充分に伝わってきました。

そしておじさん、まるで自分に言い聞かせるように
人間、今みたいな静寂な時間も必要ですよね…」とポツンとつぶやく。
一瞬、コールセンター時代の激務を想い出して何かが胸にヂクッと刺さりました(^_^;)。

何やら私はあの職場を辞め、ついに心が安らぐ楽園に辿り着いたんだなぁとしみじみ感じました。



「カルスト学習館」のすぐ隣には宿泊もできる「天狗荘」があるのですが、その駐車場にはこんなものが。
愛媛県と高知県の県境です!県境の無い北海道民にとっては何とも新鮮な光景ですね~!(*^_^*)
あまり気付きにくい場所にあるので隠れ記念撮影スポットといったところでしょうか。
…にしても、いつの間にか高知県に入っちゃったんですね私。四国上陸2日目にして、既に4県ぜんぶに足を踏み入れた事になります(笑)。


次回!2日目ラストです。
山を下りて辿り着いたのは…。南国の小さな城下町でした。

続く。
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レンタカーで四国一周7日間 その5

2018-05-28 23:55:34 | 旅行(道外)2018~2019
5月10日(木) 午前7時 (2日目!)


おはようございます。2日目の朝を迎えました。
いきなりの車中泊でしたが、非常に快適に眠れました(寝汗をかくほど)。
そして変な夢を見ました。
風力発電の風車が見える広大な丘に、なぜかペンギンのつがいが沢山いてコロニーを作っています。
家族と一緒にそこを散策するのですが、今度は丘のてっぺんにハゲワシの巣を見つけ…といった感じです。

うぅむ。昨日見たニホンヅルが飛ぶ光景が相当印象に残っているのか何なのか。


さぁ、本日はまず、昨日訪問できなかった松山市の道後温泉を目指したいと思います。
四国屈指の観光名所として名高い場所なので、やっぱり訪問しなきゃね。

現在走行しているこの国道11号線、どうやら四国八十八か所の遍路道になっているようで、先ほどからお遍路さんの姿をチラホラ見かけます。
通常、八十八か所は徳島→高知→愛媛→香川と時計回りに巡礼するため、徳島から愛媛に向かっている私は逆打ち(反時計回り)方向となるわけで、歩いて来るお遍路さんの表情がよく見えます。
年配の夫婦や若い女性、外人さんの女性もいました。

カーナビ任せで進んでいたら、松山市内に入った途端に随分と細い道に誘導され、住宅街の中をひたすら進むことに(^_^;)。
これが最短ルートなのかもしれませんが、これまた独特な道を指定してくるんですね…。

午前9時、道後温泉へ到着!

着いた―!
約3000年の歴史を持ち「日本最古の温泉」とも言われている道後温泉。
坂の上の駐車場に停めて温泉街を見下ろすと、ひときわ大きな歴史的建造物が…。

・道後温泉本館(愛媛県松山市道後湯之町5-6)

神の湯本館、又新殿、霊の湯棟など数棟からなる現役の公衆浴場。
明治27年に建築された神の湯本館は公衆浴場としては珍しく、平成6年に重要文化財に指定されています。
あの夏目漱石にゆかりのある場所としても知られています(詳しくは後述)。

増改築が繰り返された複雑な外観だけでも充分に見ごたえはありますが、この見た目で普通に銭湯として利用できるのが嬉しいですよね。しかもリーズナブル!(*^_^*)。
宿泊のサービスは行っておらず、利用する浴場、時間によっていくつか料金プランがあります。
私は最も安い「神の湯階下」410円にしました。
休憩室などの利用はできず、「神の湯」と呼ばれる大浴場の利用のみのベーシックなプランです。
これに休憩サービスを付けると840円。
1250円を払うと、休憩室に加え、別館の「霊の湯(たまのゆ)」も合わせて利用できるシステムになっています。

館内に入った途端に、それはそれは素晴らしい歴史的建造物の趣。玄関のヘリなんか角が取れて丸くなっていますよ。
皆様にもお見せしたいのですが、なんせ公衆浴場のため館内は全面撮影禁止
これはもう実際に行って感動してもらうしかありません(^_^;)。

番台のおばさんに料金を払い、意外と大きめの脱衣所へ。
そして年季の入った木の引き戸をガラガラっと開け、いよいよ大浴場「神の湯」へ…!

(画像:https://dogo.jp/onsen/honkan)

カッコーーーーーン(←風呂桶の音)

…どうですかこれ。扉を開けた途端にこんな見事な光景です。たまりませんね。
ツルンと磨かれた石造りの浴槽、その真ん中には、年季の入っているどころではない重厚な石の湯釜が鎮座し、そこから絶えず湯が流れ出ています。
釜の表面には、道後の湯(伊予の温泉)について詠まれた万葉集の長歌が彫られていて、これまた良い雰囲気。
湯に浸かるのもそこそこに思わず立ちあがり、何やらブラブラさせながら窯を撫でたり叩いたりしながら見惚れる。

雰囲気を重視するためでしょうか、大浴場内にはシャンプーや石鹸などの備え付けが無く少々不便です(笑)。
番台さんから買った小瓶のシャンプーと石鹸で身体を洗いサッパリ。
やけにいい匂いのする石鹸だなと思ったら、どうやら道後温泉名物のみかん石鹸のようです(*^_^*)。

まだ午前中で入浴中の人は少ないかと思いきや、地元の方らしき年配の方がそれなりにいらっしゃいました。
皆さん散歩がてら毎日訪れているのでしょうか。なんとも羨ましい限りです(*^_^*)。


素晴らしい大浴場をゆっくり堪能し大満足。
もう外へ出て散策する気満々だったのですが、脱衣所で涼んでいると、ふと扉がもう一つあるのに気付きました。
あれ?「西浴室」って書いてある。
ここは何だろう?別料金が必要な「霊の湯」でも無さそうだし…。

そっと扉を開けてみると…。

(画像:https://www.city.matsuyama.ehime.jp/smph/kanko/kankoguide/kankomeisho/dogoonsen/honkan/yokushitsu.html)

カッコーーーーーン(←2回目)

なんと!「神の湯」は2つあった!!
どうやら先ほどのが「東浴室」、こちらが「西浴室」のようですね(*^_^*)。
造りは東浴室と瓜二つですが、壁のタイル絵の絵柄や石窯の彫刻がやや異なります。
まさか2つも大浴場があるとは思わなかったので、まるで鏡の世界に入ったような不思議な気持ちになりました(笑)。
あぶないあぶない、スルーしてそのまま出るところだった。

という事で、再び湯に浸かりながらその雰囲気をゆっくり堪能。
なんか得した気分ですね~!410円で2つも大浴場に入れるとは安すぎます。
別館の「霊の湯」に入らなくとも大満足でした(*^_^*)。

湯上がりは3階「坊っちゃんの間」へ。

入浴料410円のみで合わせて見学する事が出来ます。撮影もOK(職員さんに確認済み)
かの夏目漱石が松山中学の教師として在籍していた際(明治28~)、よく通っていたのがこの道後温泉本館。入浴後に3階でくつろいでいた事にちなんで、この一室が「坊っちゃんの間」と名付けられたそうです。

もちろん、漱石に関する展示がいくつか。


そしてあの『坊っちゃん』に関する展示も!

「山嵐」はどれかな~ 「うらなり」はどれかな~

実は私、いまものすごく感動しております。
というのも、大学の文学部に所属していた頃、『坊っちゃん』についての論文を書かされた事があるんです。
あの小説の舞台もここ松山。道後温泉も登場します。
先ほどの大浴場にはストーリーにちなんで「坊っちゃん 泳ぐべからず」の注意書きがありました。
漱石の生涯や『坊っちゃん』を知っているからこそ、ここ道後温泉本館をより楽しめるというものでしょう。
これほど文学部卒で良かったと思えた事はありません。

漱石もちゃんと写っています(*^_^*)

この写真を拡大したものが、3つ前の短髪の写真です↑

漱石が通っていた頃の道後温泉

本館が改築されたのは明治27年、漱石がこの地を訪れたのはその翌年の明治28年。
ちゃんと本館が描かれているのがこれまた感動でした。


----------


ポカポカの身体で「道後商店街」を散策。



道後温泉本館のガチャポン(右)がありました(^_^;)。
数ピース揃えると全館完全再現で完成…ということらしいです。
左のガチャポンはお土産用に回すとノーマルな「みきゃん」ちゃんが出てきました(*^_^*)
個人的にはダークみきゃんちゃんが欲しかったですが(笑)。

伊予鉄道・道後温泉駅

駅前には「坊っちゃん列車」が。
明治20年の運行開始当初から使用されていた、当時の伊予鉄道の1号機関車(ドイツ製)。
現在でもイベント時などに運行されるようです。
小説『坊っちゃん』にも「マッチ箱のような機関車」と登場していることからこの愛称に。
客車を見てみると、確かに極小でマッチ箱のよう。

タイミングよくレトロな電車が(*^_^*)



…それにしても、何もかもオレンジ色で賑やかですね(^_^;)。
電車もオレンジ、バスもオレンジ、果てには小学生の帽子もオレンジ…。
あれもみかんにちなんだカラーなのかな?
南国の強い日差しの中ではオレンジ色がひときわ映えますね。

次回!四国屈指の大絶景!
めざせカルスト台地!
続く。


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レンタカーで四国一周7日間 その4

2018-05-25 16:56:39 | 旅行(道外)2018~2019
1日目 午後3時15分。


いきなり1.5車線となった道を恐る恐る進みます。
観光名所の「かずら橋」と反対方向なので車通りは少ないかと思いきや、これから向かっている場所も名所(迷所?)として比較的有名なため、それなりに車の往来があ…
うぉ!いきなり対向車が2台連続!!(急ブレーキ)

幸い、一定の間隔で道路が広くなっている場所があるので、こちらがバックして何とかやり過ごしました(^_^;)。

景勝地「ひの字渓谷」

少し広くなった場所に車を停め谷を覗き込んでみると、ご覧の絶景が。谷底まで100メートルは超えてそうな高さです。
山の狭間を縫う祖谷川の流れがひらがなの「ひ」に似ている事からこのような愛称で呼ばれています。
こちらも祖谷渓の絶景ポイントの一つとなっています。

その後も激狭道路は続く…。

譲って譲られての繰り返しで、急カーブの続く山道をウネウネ進み続けるしかありません。
渓谷ばかりで何もないと思いきや、この先には祖谷温泉があるようで、旅館目当ての利用者たちの車が多く通るようです。
大型車こそ来ませんが、たまに7人乗りのミニバンがヌッと現れた時はやはり緊張しますね(^_^;)

そして山は深くなるばかり……。


午後3時27分、小便小僧に到着!!

狭い道路が申し訳程度に広がっていて、小さな駐車スペースとなっていました。
旅館が近いため、ひっきりなしに観光客が来ている感じです。

皆さんお待たせしました。この場所こそが、私が目指していた最初のスポットでございます(*^_^*)。


渓谷を見下ろすように小便小僧が立っています!


なんと谷底まで200メートルもあるそうで、柵から身を乗り出してみるとその高さに寒気がします…(^_^;)
なんでこんな大秘境に小便小僧が?といいますと、渓谷に飛び出したこの岩では、その昔子供たちによって度胸試しに使われていたという噂があり、そのお話にちなんで設置されたようです。
ちゃんとした由来はあるようですが、ポツンと立つ子供の像が何ともミスマッチでワクワクしませんか?(^O^)


「祖谷渓の小便小僧 1988 河崎良行」とあり、比較的新しく設置された像のようですね。
なぜか祠のようなものがあり、皆さん像に向かってお賽銭を投げ込んでいるようですが、度胸試しの男の子にお賽銭あげてどうしようというのか……。


心なしか、ちょっと足がすくんでいるように見える(笑)。
この場所は小学生ぐらいの時に写真で見て心が打たれ、四国に行ったらぜひ行きたいと思っていた場所だったので大満足です(*^_^*)。


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午後4時。

お目当ての小便小僧を訪問できたので、隣の愛媛県に向かう事にしましょう!
他の観光客が小便小僧の場所で引き返すなか、私一人だけそのまま道なりに進んで行きます。
方向的にはこのまま進むべきなんだけど……、なんかさっきより道が狭くなってね??


相変わらず続く狭い山道、しかし先ほどと違って車通りが全くありません。
完全に1車線なので対向車が無いのは非常に助かるんですが、この辺は地元の人にも殆ど利用されていないのかな?

落石なのか、道路の真ん中に真新しい石が落ちていたり、崖から染み出す水で道路に小さな川が出来ていたりと中々スゴい。
…まぁ、こういった場所は個人的に大好きなので不安とかは殆ど無いのですが(^O^)。




人家は全くありませんが、たまに道端に祠や地蔵堂があったりします。
車を停めてエンジンを切ってみると、祖谷川の清流の音とウグイスの声が風に乗って聞こえてくるだけで、何とも静かな一本道でした。

祖谷川地蔵


午後5時ころ、ようやく1車線道路を脱出!

そのまま徳島自動車道と並走する国道11号線へと合流し、愛媛県へと入ります。
ひとまず松山市へ向けてひたすら走行。この辺はひたすら片側1車線の幹線道路です。

何とな~く松山市の道後温泉まで行ってひとっ風呂浴びたいな~、と思ったのですが予想以上に遠く、なかなか進まない(^_^;)
とりあえず、西条市の定食屋で夕食を食べて外へ出ると、既に真っ暗でした。

道後温泉は明日の楽しみに取っておくことにして、この辺で今日は終わりにしましょうかね。
少し車を走らせると、ちょうどよく「道の駅 左折1キロ」の看板を見つけたので、ここの駐車場で車中泊する事にしました。

午後8時、道の駅「小松オアシス」へ到着!

国道から逸れた途端に道路が真っ暗でしたが、この場所も暗くてほとんど何も見えません(^_^;)。
既に何台か車中泊の車もいるようです。

さっそく車のシートを倒して、持参した寝袋を敷いてみると……、おぉ!なかなか快適に寝られそうじゃないの!
フルフラットにこそなりませんが、身長170に及ばない私にとっては充分なスペースです。
そのまま座席のヘッドレストを外して寝袋の下に置き、枕代わりにして就寝です。

夜中に目が覚めて、暗闇のなか公衆トイレに向かって歩いていると…。
闇にボンヤリ浮かぶ「イノシシ注意」の看板を発見しました。

怖っ。もう車外には出ないようにしよう…。


本日の走行距離:182キロ
1日目、完。


次回!2日目、愛媛編スタート!
あの近代文学の舞台に超感動します。

続く。
コメント (2)
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